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スレッドNo.6688

アイビーの俳句鑑賞 その2

アイビーの俳句鑑賞 その2

靴跡の君追うて行く雪の道 (玉虫)
愛の告白にも読める句。むしろ、そう読むべきだろう。恋愛を歌にするのは短歌では当たり前(歌垣)のことだが、俳句では珍しい。俳句で愛とか恋とか表現するのは、この程度が限界とされる。一線を越えて愛欲の世界に踏み込むことは難しい。字数の制約もあるが、俳句の成り立ちからも明らかなように、俳句には「挨拶」「即興」「滑稽」という要素があるからである。多佳子、鷹女、真砂女の系譜はあるが、彼女たちの個人的な資質によるところが大であろう。一線を越えてみたい気もするが…。

元旦に大吟醸は光りをり (コビトカバ)
「大吟醸」から正月らしい豪華な印象を持った。個々には色々あるだろうけれど、新年が明けて目出度いムードに水を差すことは憚られる。何よりも「大吟醸」という語感が良い。大吟醸の基準は分からなくとも、語感からくるゴージャスな感じはいかにも正月らしい雰囲気を盛り立てる。正月の句はとにかく目出度く詠むに限る。

フリーズドライ混ぜて香も立つ七草粥 (ダイアナ)
七草はありふれたようで、七草全部揃えるのは難しい。いきおい、どれかが欠けることになる。スーパーなどでセットになって売っているが、あれは便利と言えば便利だ。そこで、フリーズドライを持ってきた。なるほど、フリーズドライとは良いところに目をつけた。ところで、野趣に富んだ七草の香りが、フリーズドライで立つのであろうか。

書初や低学年の「楽しい日」 (ちとせ)
低学年と断ってあるから、賑やかな書初風景が目に浮かぶ。上五からいきなり本題に入り、中七、座五で「低学年の「楽しい日」」と持ってきた呼吸が上手い。途中の説明を一切省略したのが、まことに効果的。やれ、墨で汚れたの、隣の子が邪魔をしたのとか、一向に捗らない様子が楽しい。かくて、先生、保護者の気苦労をよそに、作品を陳列して無事書初が終わった。

御仏に湯気立つ雑煮備へけり (尾花)
御仏は「みほとけ」と読ませる。先祖を敬うとか言いながら、合理化という美名の下に略されてきたのが現状だ。中七に「湯気立つ」としたあたりに作者の尊崇の気持ちがよく表れている。これが、「パック入り餅」では台無しである。ご都合主義に一矢報いた、敬虔な作者のありよう。雑事に紛れた日常、せめて一年に一回ぐらい、神仏を敬い、先祖に感謝する日があってもよい。それが正月だと私は思う。

白に赤ロゼも並びて女正月 (弥生)
女正月は本来の意味から離れ、女子会の雰囲気で軽く「ランチする」ぐらいに使われることが多いようだ。当該句はどちらの意味だか分からないが、正月らしく、お酒も用意されていつもより華やいだムードである。酒と言ってもワインが主で、そこに「女正月」の「らしさ」がある。

数へ日やあれもこれもで何もせで (てつを)
旧臘の年末の句。気ばかり焦るがその実、何一つ出来ていない様子をユーモラスに描写した。座五で「何もせで」と「オチ」まで用意して、実に心憎いばかりだ。老境をかく詠みたいものと、念願しているが果たせていない。作者会心の作品。

百歳も五歳も興ず投扇興 (あんのん)
お座敷遊びの投扇興(とうせんきょう)に興じるのが、百歳と五歳という組み合わせに意表を突かれた。本式にやれば複雑なルールがあると聞くが、大衆化されて人気だそうだ。いい年をした大人も負ければ、ああでもないこうでもないと熱が入ってムキになる。まして幼児のこととて、偶々、命中しようものならやんやの喝采だ。正月らしい和やかな笑いが起こった。作者のあんのんさんは3句とも高点が入った。

以下次号、不定期掲載。

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アイビーさん、フリーズドライの句を鑑賞して下さってありがとうございます😃
生の七種のセットは結構お高いのですよ~😅それで、フリーズドライです😃はい‼️香り立ちます‼️
なかなか良いではないか!と一人満悦でした😃お試しあれ😉

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雪の道の鑑賞ありがとうございました。
雪の止んでる時間帯のほんの僅かの時間。
少し前を歩いて行く人の足跡。
尊敬する先輩だったり、同じ図書委員のクラスメートだったり。
雪国で暮らす女の子達の一度は経験した事。もしかして男子も?
雪が降ると一気に蘇ります。

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アイビーさん、
雑煮の句の鑑賞をありがとうございました。
お正月くらい家族が揃って卓を囲みたいものですが、なかなか全員揃うことなく、遠方であったり、仕事であったり、若い者はいろいろ忙しい。今年のお正月も集まった人だけでお雑煮をいただきました。もちろん一番に仏前にお供えして。

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アイビーさん、女正月の句の鑑賞ありがとうございます。
男性が手伝ってくれるようになったとはいえ年末年始はやはり女性は忙しいです。
「女正月」は「お疲れ様会」といったところでしょうか。
赤白ロゼと華やいだ雰囲気の女子会を句にしてみました。

弥生

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