選句鑑賞
9 おあげさんと炊たらよろし京水菜 ◎あんのん
「あげ」は辞書には載っていないが「あぶらげ」(豆腐を薄切りにして油で揚げたもの)と解釈した。発祥は京都だろうか。
なじみ深い言葉だ。何処でも使っていることば。柔らかい表現の中に強い意志が感じられる句だ。
一方水菜は春を代表する野菜。京水菜は京都の特産の一つ。作者のおすすめメニュー、戴きましょう。
36 小さき子の回り連打のシャボン玉 ◎尾花
今のシャボン玉は半端じゃない。一吹きすると無数の泡が飛び出す。情緒に浸る雰囲気ではない。ただ子供にとっては夢の世界。
とっては夢の世界。しゃぼん玉の虜になり大はしゃぎだ。まさに
連打、収まるのを待つしかない。
38 初ネクタイ春をひっさげばばにハグ
中七に惹かれた。しかもハグの相手は婆さん。初ネクタイの青年の喜びがもろに伝わってくる。化石世代の日本人は一部を除きハグをしない。昔同窓会で世界航路の商船乗りの男に力強いハグをされて戸惑った覚えがある。
「春をひっさげ」は最高の表現だろう。佳句と思う。
55「ばーばだよ」保育士に笑む花の午後 ◎ヨシ
当初戸惑った。主体が見えなかったからだ。孫のような保育児に話しかける保母。暖かい春の昼下がり。ただ、働き方改革の中で保母は消えたのか。看護婦と同じで。それと、中七の「笑む」の主体は? 勝手に園児と解釈したが。もし保育士なら「笑み」でも。いずれにしても上五が素晴らしい。
65 花の山こそあど言葉飛び交ひて
こ これ、この、ここ、こちら
そ それ、その、そこ、そちら
あ あれ、あの、あそこ、あちら
ど どれ、どの、どこ、どちら
「こそあど」ことばはもともと日本語の根幹をなすものの一つで学習指導要領でも3、4年生で学習することになっている。
ただ高齢者になるとこれと思うものの名前が出てこずつい、「これ」、「あれ」「それ」と使ってしまう。ところは花盛りの山、高齢者の集団だろうか。こそあど言葉が飛び交っている。面白いところに眼を付けたものだ。 ひょっとして作者もそのうちの一人かも知れない。こそあどことば健在!
91 画用紙と4B二本の花めぐり ◎ABCヒロ ◎ナチーサン
こんなことも句になるのか、と思わせる作品だ。一読素通りしたが気になり再読、結局特選に戴いた。特に中七の4B二本が心憎い。鉛筆はAは固くBは柔らかい。しかも4B、先ずはスケッチだろう。花巡りにはカメラ、詩作りなど様々だが作者は絵づくり、
しかも気楽な小道具でぶらりと。最高の楽しみ方では。今回の一等作品。
97 六方を踏んではしゃぐ子花の宴
六方は歌舞伎の世界で見得を切る際の作法の一つ。最近子供歌舞伎が盛んで大府でも落語と並んで人気となっている。
この句、この子もそのうちの一人だろうか。花の下での大見得、酔客に大もてだったろう。楽しい句だ。
★先陣を切らせてもらいました。多くの方の鑑賞をお待ちしています。
ナチーサン、句会のお取り纏めありがとうございます🙇😃
「ばーばだよ」の拙句を鑑賞して頂きありがとうございました😃
孫二人は遠い他県に住んでいます。今時のスマホのテレビ電話のお陰で私の顔を覚えていてくれます😃
先日会いに行き、上の孫の保育園へ娘と迎えに行きました。その時孫が先生に「ばーばだよ❗️」と言ったのです。先生が「今日はばーばがお迎えに来てくれるのと言って、楽しみに待ってたんですよ」と嬉しい言葉。そんな状況を句にしました。
でも、主語が誰なのか、確かに分かり難いですね😅