感想
すっかり体調もよくなりました。
観賞させてくださいませ。
★★落葉して眠るポプラとなってゐし(胡桃さん)
ポプラというと夏にそよぐ高木というイメージですが、ポプラを選ばれた、センスのよさが光ります。
落葉=休眠期=冬 全部一句で表現されています。
私の犬の散歩道にもポプラがありますが、いい句ができないかなあと、通る度に手に触れています。
★☆山門へ十六段の散紅葉(玉虫さん)
過不足のないお見事な写生句です。特選の句と迷った次第です。
山門、十六段、散紅葉を二つの助詞でつながれる、できそうでできないのです。
立石寺の山門までは、その数1000段?私なんて思いっきり盛ってしまう(すみません)
★塗香浴ぶ一番札所阿波小春 (撫子さん)
塗香(ずこう)とお読みするのですね。
塗香浴ぶ、上五の一発で四国の陽光、風光を手の内に納められた。鮮やかな一本勝ちです。
★月蝕の影戻しゐる月明かり (ナチ―サンさん)
まさにそのまんまです。タイムリーに巧者の即吟、どなたかしら・・・
ナチ―サンさんでしたか。納得です。
★石垣に固まって居る枯蟷螂(ちとせさん)
枯れた風味の写生句かとおもいきや、意外と石垣に熱量を感じました。
初冬の乾燥した空気感が格別ですね。
★潮騒や松色変へぬ御用邸(アイビーさん)
今月、格調の高さでは最高です。私もこういう句を読みたいなあ。朝帰りではなあ・・・
もう、アイビーさんと御用邸へお招きをあずかった気分で素敵。
★降り頻る木の葉の中の女人堂(胡桃さん)
頻る、読めなくて調べたら、 産気づくの意がありました。
そして高野山の女人堂で〆る、作者の意図を越えての深読みも楽しいのです。
座五の体言止め、今月はよい句が多くて、語彙もまた勉強にもなりました。
アイビーさんはじめ、皆様に感謝です。
★塗香浴ぶ一番札所阿波小春 (撫子さん)
かをりさんの解説でお遍路さんの三種の神器に塗香というものがあると知りました。毎回新しい知識を得て、有難いです。
★石垣に固まって居る枯蟷螂(ちとせ)
毎年この頃の庭に茶色に太った蟷螂が、今年は石垣で暖を取っていて最後の英気を振り絞っていました。
★潮騒や松色変へぬ御用邸(アイビーさん)
結婚前は江ノ島に居たので葉山を思い出し特選に頂きました。色変えぬ松の季語がさらっと使われていて際立ちました。
かをりさんの鑑賞の場をお借りして、有り難う御座いました。