令和8年5月度「みんなのネット俳句会」選句発表
1 青蛙貌程膨らめ咽鳴らし
2 アオザイの藍深まりて夏の影
3 朝日あび川面に映ゆる青葉揺れ
4 春の朝風呂より見ゆる戻り漁船
5 鯉幟吐息吐きつつ畳まるる
6 青葉湧き鳥唄ふ頃下部かな
7 丘の木木そつと揺れをり若葉風
8 おにぎり持って水筒持って子どもの日
9 会議中物言わぬ人夏落葉
10 かぷかぷと笑ふ百才春盛り
11 辛うじて首の皮一枚の憲法記念日
12 草野球九回裏やこひのぼり
13 樟若葉青き精気の揮発する
14 曇り空フラワームーン台無しよ
15 夏書きする僧と子どもの影帽子
16 今朝の庭香りを乗せて若葉風
17 玄米の茶殻啄む雀の子
18 光琳も描かずに居れず燕子花
19 焦げも好き筍飯を一膳半
20 言の葉は心の容器蝌蚪の水
21 子供の日笑顔で迎ふじじとばば
22 衣替え着けて似合わぬお気に入り
23 桜吹雪慈愛の人は永眠す
24 葉桜や校舎に遠き駐輪場
25 五月病現代病と揶揄をされ
26 里芋が芽を出してきた神秘なり
27 ざる蕎麦が大好きと言ひ卒園す
28 しがらみは越えて行くもの夏の川
29 芍薬の花すぼませる入日かな
30 芍薬の花びら二百日本晴れ
31 春暁や心に語リ写経かな
32 焼酎やだれ憚らぬ国言葉
33 少年に席譲られしこどもの日
34 小満や痩せたる子らにわけたまえ
35 紫蘭咲く鮮やかにして奢りなく
36 白一色ナンジャモンジャのまばゆさよ
37 新緑の稜線切り分け村境
38 好きだよと伝えたかつた春の道
39 丘すべる風に揺れをり姫女苑
40 性格の違ひに笑ふ潮干狩
41 聖五月もう訪うことのない街に
42 晴天に池鯉踊る節分日
43 青嵐朝は青空飛行機雲
44 双蝶や時にぶつかり尚も飛ぶ
45 竹壁を連ねる町や大南風
46 筍や我が家へのばす勢力図
47 鳥語降る丘に樗の花こぼる
48 月満ちて残花の山を昇りけり
49 蔦若葉空き家の壁を自在なる
50 つばめつばめ働き者の燕かな
51 手のひらに光放たる苺かな
52 手間かけし筍飯や一人ぼち
53 同性の恋成就して薔薇の園
54 棘あるも惹かれる魅力薔薇に似て
55 栃若でクラスを二分昭和の日
56 富める家眩しく映った鯉のぼり
57 緑濃き古墳染めつつ朝日出ず
58 蜻蛉の眼動かすほどの揺れ
59 亡くされた方には辛い子供の日
60 夏木立神社は子らの集う場所
61 慣れぬ手で老爺洗濯五月晴れ
62 二度三度悲運に泣きて武者人形
63 娘に渡す筍飯のレシピかな
64 アクセルと窓は全開風五月
65 猫樹上烏何故啼く夏の夕
66 俳人の顔して魅せる藤の花
67 萩焼の珈琲カップ春惜しむ
68 葉桜や駅の団子を母に買ふ
69 畑仕事鍬の響きや夏隣り
70 畑に座し農夫終日玉葱穫り
71 バラ咲いてニコニコ顔の我がいる
72 春うらら稽古を重ね晴れ舞台
73 春の夕仕事帰りのミルクティー
74 一筋の飛行機雲や五月風
75 幅広の畝に広がる西瓜苗
76 風信子実直に根を伸ばしをり
77 フォーの湯気聖五月なる露店かな
78 ふと止まる指の先なる母子草
79 紡績に昭和の匂ひ躑躅咲く
80 補助輪を外し五月の風となる
81 ボタン花競って咲いたよ蝶も来る
82 先ずは目にメタセコイアの新樹なる
83 マラソンの善男善女風の五月
84 丸太ん棒原野に高く鯉幟
85 水馬小さく跳んで威を正す
86 緑なす木の間染めつつ日の出づる
87 みどりの日嬰は生まれて満一年
88 みどりの藻あかき藻もあり磯遊び
89 向き合ってみても孤独やソーダ水
90 無造作に蝶踏んづける吾のゐて
91 山火事を鎮め安堵の菜種梅雨
92 やんわりと練り込む母の蓬餅
93 世の中を静かにさせる夏はじめ
94 裸婦像の多き公園夏来る
95 湿りゐる深山路碧き翅の蝶
96 ざる蕎麦で意見一致の薄暑かな
97 春の朝植えし野菜の葉の光
98 春の宮不老長寿と欲張つて
99 老鶯やこれ正調と言いたげに
100 若い者(もん)に後はまかせて朝寝せむ
101 笑ふ子の甘き匂ひや苺狩
102 吾の畑にたけのこ無断侵入す
103 吾も一人自業自得の酷暑日よ