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スレッドNo.7610

アイビーの俳句鑑賞 その2

アイビーの俳句鑑賞 その2

84 ✤ 6点 【てつをさん】 捩花や断ちきりたきは負の連鎖
二句一章の俳句。アフォリズムと植物の取り合わせは、作者の得意中の得意である。座五の「負の連鎖」は読み手の解釈次第であるが、悪いことは重なって起きるということ以外、案外、真相は別のところにあるのかも知れない。あるいは最近の風潮に対する、警鐘であるかも知れない。そこでヒントとなるのは、作者が選んだ季語の「捩花」ではないか。捩花は一癖も二癖もありそうな形で、一筋縄でいきそうもない。作者は何に対し怒っているのか。謎は謎のまま残しておくのが賢明だろう。

89 ✤ 2点 【胴長おじさんさん】 山滴る惚けないことは惚れること
二句一章は同じでも、すっと砕けた調子が目をひく。季語の「山滴る」が良い雰囲気を出している。中七から座五にかけて「惚けないことは惚れること」に妙な説得力があり、つい「なるほどなあ」と思ってしまう。冷静に考えると滅茶苦茶な論理だが、その場はそれで通ってしまうのだ。「言い切ること」の強みを遺憾なく発揮した例だろう。俳句は「言ったもん勝ち」の世界だ。

以下、アイビーの選には洩れたが、佳作を紹介したい。
3 ✤ 【無点句】 油虫探し求めて朝が来る
惜しいところで油虫を取り逃してしまった。たかがゴキブリ一匹のことだが、忌々しい。こうなったら根比べだ。ところが杳として行方が知れない。気がつけば朝になってしまった。ユーモラスな一句。

9 ✤ 1点 【コビトカバさん】 お局の小言も交わす若葉風
どの職場でも「お局(おつぼね)」と称する人がいて、若い女子社員を、まるで御殿女中の様にいびる。職場の雰囲気をうまく詠んだが、字を改めてはどうか。「交わす」は「躱す」の方が意味が通じると思う。

23 ✤ 7点 【岩宮さん】 子らの言ふじじ反抗期冷奴
父親の視点からではなく、子から見た父親像が新鮮だ。あれは反抗期だから仕方がないと、妙に冷静な批評が可笑しい。

26 ✤ 1点 【てつをさん】 召集の命下りしかウリハムシ
頂くかどうかで最後まで迷った句。「ウリハムシ」は畑の作物を食い荒らす害虫で、それと召集の関係がイマイチ吞み込めなかった。

43 ✤【無点句】梅雨間近繙いてゐる闘病記
季語の「梅雨間近」に良い雰囲気がありながら、誰の闘病記が分からないのが選句できなかった理由だ。句に具体性が欲しい。

51 ✤ 2点 【ラガーシャツさん】 登山帽ウェストン碑より動き出し
登山を趣味にする人ならウオルター・ウェストンを知らない人はない。英国人ながら、黎明期の北アルプスを初め名峰に足跡を残した。登山帽がウェストン碑より動き出したとする、擬人法・風景描写は適格だ。上方から俯瞰しての叙述がまことに効果的。

以下次号、不定期掲載

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アイビーさんへ 選句頂き有り難うございます。

これは、ある高齢者の方の会話をヒントに作りました。
惚けると惚れるは同じ字で、惚けないためには、人を好きになることのニュアンスでした。
山滴ると何か繋がる感じがしたので、投稿しました。
やや押しつけがましいというか、上から目線は気になったんですが、欲望に負けました。

ゴキブリの方は、絶対このような体験はしたくないというイメージで作りました。

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アイビーさんへ

交わす→躱す

ですね!
この漢字、恥ずかしながら人生で初めて見たような。
また一つ勉強しました。
ありがとうございます。

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