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スレッドNo.76

アイビーの感想 その1

アイビーの感想です。例によって鑑賞3原則に則って。

7怠惰なる心を叱るはたた神 (蓉子さん)
天地が咆哮するかのような雷鳴。人事を超越した自然の営みに人は敬虔な気持ちになる。日常に狎れともすれば安易に流れるわが身への、神の叱咤ととらえた作者。共感の一句。

11城址へと続く片陰拾いゆく (森野さん)
高点句。城址へと続く城下町の街並み。旅人を癒してくれる日陰の有難さ。「片陰拾いゆく」の楚辞がまことに適切。

12川泳ぎふりちん子らは皆老いし (和談さん)
今でこそ分別盛りの老境に差しかかってはいるが、その上のガキ大将。愉快な句になったが、同時に戻ることのない少年時代が無性に懐かしい。
25夏草や夢幻の義元碑 (和談さん)
信長によもやの敗戦を喫した義元。現在の名古屋市緑区の桶狭間古戦場付近に義元碑はあるが、墓は全国に複数あると聞く。芭蕉の「夏草や兵どもが夢のあと」にも相通じる感懐を催す。夢幻は「ゆめまぼろし」と読むのだろう。

14熊野古道尖る鳥語と山百合と (萩さん)
特選にいただいた句。春の囀る鳥とは大いに趣を異にし、夏の鳥は、時鳥に代表されるようにけたたましく鳴く。作者はそれを「尖る鳥語」と表現したが、言い得て妙。「鳥語と山百合と」と畳みかける調子が心地よい。

16ほうたるの灯や怨霊の見え隠れ (ナチーサンさん)
蛍の灯に怨霊が見え隠れととらえた句は初めて接した。大胆な描写には賛否があるかも知れないが、作者の感性を尊重したい。怨霊を出したのであれば「蛍の灯」は「蛍の火」でもよかったように思うがどうだろう。

19退院の知らせ届きて飲むビール (あいさん)
身内のどなたかであろうか、闘病中のところ、ようやく退院の運びとなり待望の第一報が届いた。ビールが美味い。味のことに言及していないが、美味いに決まっている。素直な作句態度に好感。

27素のままの私で行かう菊挿芽 (ヨシさん)
菊挿芽とは珍しい季語を持ってきたものだ。「素のままの私で行かう」と言い切ったあたりの呼吸が小気味よい。そこにはもう迷いも躊躇もない。「行かう」と踏ん切りのついた作者を応援したくなる。

以下、不定期掲載

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アイビーさん、
熊野古道の句を特選に採ってくださってとても嬉しいです。
訪れたのは随分昔のことですが、行き交う人はほとんどない閑かな森の道。 時々笹百合を見かけます、森深い所にほっそりした笹百合は合いますね。 鶯も堂々と鳴いていましたが、時々甲高い声で鋭く鳴く鳥がいて、その表現方法を随分考えました。
結局「尖る鳥語」にしましたが・・・!  良かった、選句していただけてありがとうございました。

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