同じ親が育てていて不適切な行動をする子と適切な行動をする子がいるのは?
Q0326
同じ親が育てていて環境はほとんど変わらないのに、不適切な行動をとる子と、適切な行動をとる子ができるのはどうしてでしょうか?
A0326
きょうだい競合です。親という1つの賞品をめぐって子どもたちが競争関係にある。自分以外のきょうだいが、賞賛をたくさん手に入れるので、自分がいくら努力しても、他のきょうだいほどたくさんの賞賛を得ることができないと思うと、注目、あるいは権力という、より不適切な目標を中心にして行動する子どもができてきます。
もしも、きょうだい全員が不適切な行動をする場合、これは「家族の価値」(両親が共通して持っているかあるいは対立している価値観)に問題があります。例えば、両親ともに犯罪者の家庭だと、犯罪的な価値観を当然身につけやすく、全員が不適切な、反社会的な行動に走りやすくなるでしょう。
しかし、きょうだいの内の1人だけ、あるいは、ごく少数が不適切な行動をし、大多数は大丈夫だという場合には、家族の価値でなく、「家族の雰囲気」(親の問題解決の方法)の側に問題があります。
何が正しく何が誤っているかは理解されているが、家族の雰囲気がきょうだいの競争をあおる雰囲気であるために、子どもたちが競争をして、ある者は勝ちある者は負け、その負け組が不適切な行動を始めるわけです。(回答・野田俊作先生)