論語でジャーナル
16,曾子曰わく、堂堂たるかな張や、与(とも)に並びて仁を為し難し。
曾子(先生)が言われた。「堂々としたものだな、子張は。子張と一緒に並んで仁徳を行うことは難しい」。
※浩→子張は容姿端麗で頭脳明晰な人物であったらしく、曾子によると他の弟子が彼と一緒に並んで仁徳を行うことを敬遠していたようです。堂々とした態度と立派な風格を持つ子張の存在感の強さを示していて、容貌は立派であるが内容がともなわなくて、仁のほうはどうだかわからない、という説もあるようですがは退けました。「堂堂」は、容貌・押し出しの立派さですが、心理や主張の堂堂さも含めるとよい、と吉川先生の解説です。
“どんぐりの背比べ”で、いずれも似たり寄ったりで、能力・業績に差がないのと、ここのように、ダントツ優秀な人がいて、他の連中が敬遠するのと、ほんとはどちらが“やる気”が出るでしょうかは人によりけりででしょうか。ダントツ優れた人を好敵手として燃える人と、勇気をくじかれて意気銷沈する人といるでしょう。自分の外側の条件に動かされないで、マイペースで自分の向上に努める人でいたいものです。アドラー心理学では、個性の違いを「対人関係優位型」か「課題達成優位型」かを考えたりします。「最優先目標」というのがあって、これは、人がいよいよ追い詰められたような状況でどうするかを言います。4種類あります。昔、中島弘徳氏と鎌田穣氏が共同研究された資料から引用します。他者を知る上で便利な手がかりになります。↓
「安楽でいたい」(comfort:通称Aタイプ)
「好かれたい」(pleasing :通称Bタイプ)
「主導権を取りたい」(control :通称Cタイプ)
「優秀でいたい」(superiority :通称Dタイプ)
それぞれに優劣があるわけではない。それぞれに長所、他者が抱く感情、支払うべき代償、避けていること、愛用の感情がある。
日常生活では、われわれはすべての目標を設定し、どれか一つに絞るのは困難でどの感情も使うように思われる。しかし、ライフスタイルが危機的状況に陥ったとき一番わかりやすくなるように、追いつめられた状況では、上の4つのどれかを最終的に選択する可能性が高いと考えられる。以下にそれぞれの目標の特徴を述べる。
2-1各タイプの特徴
A:安楽でいたい
長所 :ピースメーカー、緩衝役
他者が抱く感情:ほっとする、いらいらする
支払うべき代償:生産性が伸びない
避けていること:負担
愛用の感情 :あまりない
口癖 :めんどくさい、まあいいか、仕方ない
B:好かれたい(仲間はずれにされたくない)
長所 :潤滑油、気配り
他者が抱く感情:嬉しい、わずらわしい、不信感
支払うべき代償:方向性が定まらない
避けていること:拒否
愛用の感情 :不安
口癖 :どうぞどうぞ、どうしよう、困ったなあ
C 主導権を取りたい
長所 :リーダーシップが取れる、構成力がある
他者が抱く感情:頼りがいがある、むっとする
支払うべき代償:孤独(感)
避けていること:被支配
愛用の感情 :怒り
口癖 :くそうっ、許せん
D 優秀でいたい
長所 :知識豊富、やり手
他者が抱く感情:尊敬、劣等感
支払うべき代償:疲労
避けていること:無意味なこと
愛用の感情 :鬱
口癖 :はあー(ため息)、まだまだ