論語でジャーナル
19,孟氏、陽膚(ようふ)をして士師(しし)たらしむ。曾子に問う。曾子曰わく、上(かみ)その道を失いて、民散ずること久し。如(も)しその情を得れば、則ち哀矜(あいきょう)して喜ぶこと勿(な)かれ。
孟孫氏が、陽膚を司法長官に任命した。陽膚がこの役目についての心得を先生の曾子にたずねた。曾氏は言った。「為政者たちが政治の道徳を見失ったため、人民の心理も中心を失ってしまってからずいぶんになる(人民たちがなかなか本音を吐かず、取り調べに困難を感じるのは、為政者がその道を失ったことに原因がある。あるいは犯罪の発生も為政者の責任でないとは言えない)。もし取り調べの結果、真実がわかったならば、まず同情しないといけない。うまく事実がつかめたからといって、ゆめゆめ得意になってはいけない。
※浩→家老の孟孫子が曾氏の弟子・陽膚を「士師」つまり司法長官に任命しました。陽膚が曾子に心得をたずねたのに対して、曾子は、「徳治主義」の原則をわかりやすく説いています。
私は映画が好きで、テレビのCSを愛用しています。定年退職したころ「衛星劇場」をオプションで契約していました。そのころは、往年の名画が毎月放映されて、大満足でした。ディスクにもたくさん録画もしました。ところが、その後次第に私が好む名作映画がすくなくなって、ほとんどドラマが放映されるようになりました。特に韓国ものが氾濫状態です。自分が年を取ったせいでしょうか、最近の映画にはあまり満足しません。往年の名監督・野村芳太郎さんの作品で推理ものは特に大好きでした。「ゼロの焦点」「張り込み」などは何度も繰り返して観ています。洋画は「ザ・シネマ」という局を観ることができます。このチャンネルは「ドラマ化」していなくて、全部映画です。ときどき往年の名画が放映されます。他の楽しみは、「相棒」「タクシードライバーの推理日記」「京都地検の女」などです。かつて地上波で放送されたモノがBS&CSで再放送されます。これらの作品を観るにつけ、犯罪を犯した人への“同情”ではないですが“共感”することがよくあります。「相棒」の杉下右京警部は常に、犯人ののっぴきならない事情に共感しつつも、「法を犯すこと」を絶対に許容しない厳しさを貫いています。そもそも、殺される人は、欲を出しすぎたか、知ってはならない秘密を知った場合が多いです。タクシードライバーの推理日記の夜明けさんの場合は、最初に載せた女性客が必ず犯人であるという、ワンパターンであるとわかっていて、それでも何度も観ます。このパターン化したものを飽きないで何度も観ることができるのは、歌舞伎や古典落語と同じ魅力を持っているからなのかもしれません。最近の凶悪犯の言う「誰でもいいから殺したかった」なんていうのは、絶対にいただけません!これでは野生動物以下です。