イライラする相手とは?
Q0402
一緒にいるととてもイライラしてしまう相手とはなるべく関わらないようにしているのですが、どうしても関わらないといけないときにはどのようにすればいいですか?
A0402
向こうが何をしてイライラするのかわからないけど、向こうがある行動をするわけです。その行動をなんですかというと、私がさせているんです。私と相手との相互作用の中で、向こうが私をイライラさせるような行動を私がするように私が仕向けているんです。それは何なのか研究しないといけない。「パセージプラス」を受けられますと、「三つの劇薬」というのがあって、その中にちょろっと書いてある。相手のエピソード分析をするんです。相手がなんでそんな行動をするのかを考える。実は私が向こうにとって不愉快なことをしているからなんですよ。でなかったら向こうがこっちに不愉快なことをしないです。いったい何を私は向こうが不愉快に思うことをしているのかわかると、それをやめると向こうは不愉快なことをしない。個別のケースで全部違います。問題は私自身にある。向こうが私をイライラさせているんじゃなくて、私が向こうにイライラさせる行動をさせていると考えないと、問題が解けない。われわれは自分自身を変えることはできるけど、相手を変えることはできない。どんな技術を使っても相手は変わらない。でも自分は変えられる。自分を変えるために科学的に考えないと、無駄なエネルギーを使う。科学的に考えるというのは、相手もある行動をしている、ある対処行動をしている、例えばイライラするというのは、こっちの気に入らんことを言うとか、こっちがやってほしいことをしてくれないとか、こっちがしてほしくないことをやるとかでしょう。なぜするかというと、こっちが相手にイヤなことをするからです。「これ、いついつまでにやっといてね」と言うと、「えー!」とか言うわけです。なぜ「えー!」と言うかというと、こっちの言い方がぞんざいなからです。だからこっちの言い方を工夫すれば言わない。相手の対処行動をこちらが引っ張り出していて、ああ、これが相手にこういう反応をさせているんだなと思う。そうかどうかは、その人を客観的にしばらく観察しているとわかります。人間って、人によって顔が違う。私にはあんなにイヤだけど、あの人とはあんなにうまくやっているというのがあるんです。なんでかというと、その人は相手のイヤなところを引き出す刺激を与えていないからです。私はイヤなところを引き出すのを、わざわざ選んでやっている。そこがわかると、答えが出る。こんなことを言うから、アドラー心理学ははやらない。(回答・野田俊作先生)