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スレッドNo.251

アドラー心理学はすべての人間関係に有効か?

Q0419 
 アドラー心理学はすべての人間関係に有効だと思いますか?「パセージ・プラス」は夫婦関係や高校生上の子どもには使えないと聞きましたが。アドラー心理学はすべての人間関係に有効だとは……

A0419
 思いません。ある人間関係では有効だとは思いません。アドラーは、1つは神経症の患者さんの「心理療法」について、1つは親が子どもを育てるときの「育児」について、1つは学校で先生がクラス運営をするときの「クラス運営方法」について、研究しました。それ以外の場所では保障がありません。例えば、会社の人間関係とか、社会全般だとか、そんなところで使えるか使えないかは、実績がないから保障がないんです。頭で考えたらできるかなんて、やってみないとわかりません。人間の頭の考えなんて当てになりません。実際にやってみてはじめてわかるんです。実際にやってみてはじめてわかるのは、神経症の治療、それも扱えないタイプの神経症があります。このタイプはダメよというのはわりとよくわかるんです。このタイプはいけるよというのはよくわかるんです。もしも「どんな人間関係にもいける」と誰かが書いていたら、その人は嘘つきです。きちんと科学的に確かめられたことを言っていないです。だからわれわれが保障できるのは、ある種の神経症の心理療法です。これも私、研究中なんです。過去7,8年くらい、アルバイトしているクリニックで、われわれが見て、「この人は心理療法に向いているよね」っていう患者さんと、「これは心理療法をやっても絶対ダメね」っていう患者さんがいるんです。医者の目で見て。「向いているよね」っていう患者さんだけ選んで心理療法に回して何パーセント有効か見ていると、結構有効でない人たちがいるんです。例えば、最近話題になっている新型鬱病なんでいうのは全然ダメです。まったく効きません。それから発達障害で来ている人たちもダメです。アドラーの心理療法は効きません。ですから、すべての人間関係に使えません。それから、アドラーの子育てというのは、学校教育は、一応中学を出るまでを基本に全部こしらえられているんです。そもそもアドラーの時代には、中学を出て高校へ行く人なんて、そんなにいなかったんです。ごく一部の上流階級の人しか行かなかったから、そもそも研究対象にならなかった。そのころにいわゆる旧制高校に行った子たちは、そんなに問題のない子なんです。問題のあるような子は旧制高校へ行けないんです。アドラーの時代もそうで、人格的にちゃんとした人たちですから、子育てに問題なかった。だからこれを高校生以上に使えるかどうかというと、僕は無理だと思う。大人の人間関係として、一部は使えるけれど、フルスケールで100%は使えない。だから、「アドラー心理学はどんな人間関係に使える」と言っている人は下心がある。つまり売りたいんだ。本なり何なりを。私は違う。「パセージ・プラス」も、高校生以上に使うと、かえって人間関係がこじれるような方法があります。小さい子だから使えるけれども、高校生以上だと、使ったらかえってこじれる。特に、配偶者で使うと無茶苦茶悪くなる。夫とか妻に向かって使うと。われわれは心理療法家なんですけど、心理療法家の絶対的な責任は、今より悪くしないことです。効果の弱い方法は、悪化させる危険もないけれど、効果の強い方法は悪化させる危険があるので、それで「パセージ・プラスは高校生以上や配偶者や会社の人間関係では使わないでね」と言っているんです。(回答・野田俊作先生)

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