クラスに障害児を嫌う子がいる
Q
クラスの中に「僕は障害児が嫌いです。よくわからないことを言ったり書いたりするので嫌いです」と書いた生徒がいます。クラスの生徒同士の対話の中にも差別発言がたびたびあり、その対応に困っています。何をどうたずれたらいいかお願いします。
A
だから、こんなのをなくそうとしない。悪いものをなくそうという運動が一番悪いものを温存させる。だから、「あなたはあの子に何がしてあげられる?」とずっと問い続けることです。その子にしなくても、他の子に向かっても言っていると、他の子たちがその子に向かって何かしていて、その障害児が嫌いと言っている子が何もしないと、所属できなくなるから、その子も何か良いことをするでしょう。差別意識をなくすというのがすごくバカげた教育方針だと思う。僕は反差別論者なんですが、それは差別制度をなくすということです。制度としての差別と意識としての差別とを区別しないといけない。社会制度しての差別、「どこどこの地域の人は就職させません」とかいうのは絶対なくすべきです。でも、心理的な意味での、「あそこの人とはつきあいたくない」はなくす方法がない。これについてコメントすればするほど問題はこじれる。それよりも、1人1人がそういう問題に対して「何ができるか」と考えていくしか方法がない。学校で「意識としての差別」をなくす指導というのは、結果としてうまくいってないし、かえって差別意識を広めている。制度としての差別をなくすことにもっと意識を集中してほしい。(回答・野田俊作先生)