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スレッドNo.291

状況を客観的にとらえる効果的方法

Q 
 ある状況を客観的にとらえるのに効果的な方法はどのようなものでしょうか?

A
 難しい質問ですね。まあとにかく落ち着いてみる。自分は今感情的でないかなと思う。もしも感情的だと思ったら、落ち着くための操作をする。これを「アクティブ・タイムアウト(あるいはポジティブ・タイムアウト)」と言います。「その場を離れて何をすれば自分が落ち着くか」をあらかじめ調べておく。例えば、音楽を聴いたら落ち着くとか、コーヒー入れて飲んだら落ち着くとか、近所を散歩したら落ち着くとか、自分が落ち着くのに効果的な方法を見つけておく。それで「やばい」と思ったときには、「タイムアウトでちょっと落ち着いてくるから」と言って、時間をとって落ち着く。それでもう1回考えてみる。考えるというのは、「言葉にする」という意味です。私が考えるというときには、人にしゃべるか字に書くかどっちかです。頭の中で黙って考えるというのは、たいてい堂々巡りです。心理学者はよく知っていますが、自由連想といって、頭に浮かんだ“よしなしごと”をそのまましゃべってもらうと、ほとんど意味のない連想のつながりです。他人にわかるように説明しようとすると、そこに脈絡ができてくる。そのお稽古として「ジャーナル」を書くのをお勧めしています。ジャーナルというのはただのノートなんですけど、日記みたいなものなんですけど、3つの条項に気をつけて書いてください、1つは、他人に読んでもらえる文章で書くこと。箇条書きとかメモ書きとかでなくて、それを他の人が読んで「ああそうね」ってわかる、名文でなくていいから意味の通じた文章で書くこと。それから目的を意識して書くこと。手段だから。目的は「自己成長」です。自己成長というのは、「もうちょっと大人になること」です。僕らは子どもなんですよ。われわれは10歳くらいでライフスタイルの発達をやめてしまっているので、だいたい10歳くらいの子どもなんです。それをもうちょっと大人になりたい。だからジャーナルを書きます。そうすると、自分の子どもらしさがわかるし、どうやったら大人らしく考えができるかがわかると思う。それかネガティブなことを書いてもいいです。人の悪口とか自分の悪口とかを書いてもいいですが、必ずポジティブなことも書いてほしい。クラスにこんなイヤな子がいて乱暴ばっかりしますと書いてもいいけど、でもこの子にはこんないいところがありますと、絶対書いてほしい。必ずポジティブなことも書く。それを毎日でなくてもいいからしばらくやります。ジャーナルは多分人に見せません。多分誰にも見せなくて、そのうち溜まります。自分でも滅多に読み返さないから、一応1冊だけは置いておきます。私も最近書いたのは本棚にあります。もう1つ前はシュレッダー。今書いているのが書き上がったらそれは残して、残っているのはシュレッダー。1冊だけ残していますが、読んだことはありません。何となく未練はあるので残しているだけです。それで十分効果はあると思います。そうやって「大人らしく」世界を自分を見る方法を学びたい。人と話をしたいけど、なかなかこの話をつきあってくれる人がいない。本質的な話、人生にとってほんとに関わりのある話というのは、みんな聞きたくないんです。だって、そこについてはみんなおのおの意見があって、絶対に喧嘩になるから。それよりファッションの話題とか政治の話題とかスポーツの話題とか、当たり障りのない話題でもってつきあいたいんですよ(いわゆる世間話です)。私は大学の研究室にいたときに、すごい共産主義者のお医者さんがいたんです。パリパリ共産党員で、実際に党費を払っている方でした。それから自民党新派で、文部科学省べったりのお医者さんもいました。こんなのと毎日顔を合わせていたら喧嘩すると思いません?ところが全然しない。なんでしないかというと、だいたい野球の話をしています。その2人は。喧嘩するのを知っているもの。人間ってそんなもので、その人に人生の本質と関わりのあることは人と話したくないので、私たちが自己成長するために深いところの話をすると誰も聞いてくれませんから、そんなうっとおしいことはやめて、もっと楽しいことをしゃべる。それはしょうがないから、だからジャーナルに書きます。そうすると少し客観性が養えると、まあ思います。(回答・野田俊作先生)

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