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スレッドNo.313

二十歳で中学の勉強からやり直したいという息子

Q
 長男20歳のことです。中1から不登校を続け、勉強から遠ざかっていました。2年前からアルバイトをし、次の行動を考えていたようです。
 2、3日前、「お母さん、勉強をすることに決めたよ。通信、大検という道じゃなく、僕は中学3年間の勉強から始めたい」と言いだしました。あまり時間もないし、本人も焦りがあるようだし、親としてどのような対応をするのが望ましいでしょうか?

A
 思春期の最大の間違いは、焦ることです。60歳にもなりますと焦りませんがね。若いと時間はたくさんあるんです。
 子どもはいつごろまでに大人になればいいと思いますか?男の子だと35歳くらいですよ。今のこの世の中だったらね。だんだん大人になる年が上がってきまして、昔だったら18歳くらいで経済的にも精神的にも自立するというのが普通だったけど、今はどうでしょうね。経済的にも精神的にも完全に親から自立するというと、30歳を越えないと駄目でしょうね。そうすると彼もまだ10年以上あるでしょう。結婚しても親のところへすぐ行くからね。「ちょっと金貸して」とか。だからあと10年から15年以上あるということを、親ははっきり意識することです。
 それから2番目に、勉強のことね。何の目的で勉強するのかを、ちょっと考えてみよう。一旦アルバイトをしたりして社会へ出て、もう1回勉強をしたいと思うことはいいことなんですけど、その勉強を一体何のためにするのか。例えばある資格を取りたいとする。その資格を取るためには、高校の卒業証書がいるとする。そうしたら勉強の目的は単純明快で、高校の卒業証書を手に入れることです。ただそれだけです。賢くなるというのは関係ない。その高校の卒業証書を取るためにはどうしたらいいかということで、今後を設計する。「勉強したら賢くなる」という誤解を取り除いてもらわなければならない。勉強しても賢くならないよ。学校で勉強して、実社会で役に立っていますか?二次方程式を誰か毎日解いている人がいますか?学校を卒業したとたんに、あんなものはきれいに忘れてしまうでしょう。学校で教えることなんて、所詮その程度のことなんですよ。だから学校の役割というものは、多くの人にとっては卒業証書をくれることくらいなんです。このことを割り切って話しておくといいです。「一体何のために勉強したいのか」ということを。
 だいたい中学からやり直すなんて、かなりナンセンスだと思う。中身は何でも良くて、ただ卒業証書を手に入れればいいんだったら、そんなにきっちり基礎からやらなくてもいい。きっとこういうタイプの子は完全主義なんですね。100でなければ0がまし。やるなら100でなければイヤ。これが勇気のない人間の特徴です。勇気があるというのは、中途半端さ・不完全さを受け入れられること。自分は完璧じゃないということがわかっていて、ちゃんそれを正面から認められることです。
 だから、いい加減でいいんです。どうせね、人生なんて継ぎはぎのゴマカシでしょう。自分でそう思いませんか?今まで完璧に成し遂げられたことなんてありますか?僕、ないよ。いい加減なところで手を打って、まあまあそこそこに生きて、そのうちにアッチからお迎えが来るんでしょうから、それまでごまかしとけばいい。そんなふうに思ってなければ、きっと躓くよ。
 情報を集めてあげるということは可能ですけれど、中学校からやり直すというアイデアについては、そもそも何のために勉強をするのかということを話してあげて、「賢くなるためだ」と言ったら、「お母さんの経験では、勉強したけれど賢くならなかった」と言ってあげたらいいと思うんです。(回答・野田俊作先生)

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