殴られて目が覚めたという生徒
Q
ある教師が、問題行動を起こした生徒をよく殴って指導します。それで生徒はその先生を嫌うかというとそうでもなく、「殴られて目が覚めました」などと心から反省しているみたいなのです。体罰はいけないと思うんですが、その先生を見ていると、やり方しだいでは時には必要なのかなとも思うのですがどうでしょうか?
A
それは違います。殴られた彼は結局何を学んだか?彼はきっと、「今後問題があったら殴って解決しよう」と決意したでしょう。そこが問題です。暴力で問題を解決しようということを学んだことが問題なんです。そうやって人間は暴力的になっていく。殴られたことで立ち直ったような人が、将来サダム・フセインやブッシュ大統領のように戦争をするんです。(今はプーチン大統領やメタニヤフ首相もでしょう。)
学校の先生の中にも、きっと殴られて立ち直った人が多いのかもしれない。そして、きっとその教師たちは猛烈に殴るんでしょう。殴られて育った人は、絶対にそれでなければならないと強く思っているから、他のやり方を知らないんです。恐いんです、それ以外のやり方が。人間は知らないものを恐がるからね。
殴られて、腹を立てる子は安全です。反発してくれるほうがいいです。しかし、反面、反省する子もいるんですよねえ。それがむしろ問題です。(回答・野田俊作先生)