10年引きこもりの26歳息子を受け入れられない
Q
26歳の息子のことです。15歳のとき入院して躓く。寮で暴力を受け、その後、家庭が溜まり場になり10年経つ。主人と息子と私で、8年くらい花札をやりながら冗談を言ったり、家で私のできないことをアルバイトして暮らしている。息子の今の状態の受け入れをうまくできない。息子との会話で結論を先に言っては、あとでしまったと思う。主人は、「自分が父親から何も対応してもらわなかったから、息子にどうやっていいかわからないけど、自分で打ち止めにしたい」と言った。
A
子どもとつきあうのにちょっと困っているなというときは、“当事者能力”というのががない状態なんです。「私はこの子にいいことを言ってあげる力がない」と思ってください。では、あと何ができるか。子どもの話を聞くことはできる。どんなに力がなくても。
人間が話をするのはすごく大事なことです。黙ってモヤモヤと考えていると、考えがまとまらない。話すと自分の声が聞こえて、まとめていけて、だんだん、「こんなこと考えているんだ」と自分で気がつく。だから話させてあげるのは、すごく大きな勇気づけです。こちらが手詰まりだと思ったときは、まず子どもに話をしてもらえるようにする。何でもいいから、困っていることでも困っていないことでも話してもらう。日常的な会話もたくさんしてもらっていく中で、子どもが自分自身のことに気がついていくだろうと思ってください。そしたら親はあまり焦らなくていいでしょう。(回答・野田俊作先生)