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スレッドNo.497

私的意味づけに私的感覚は影響するか?

Q
 私的意味づけに私的感覚が影響するのですか?(逆さまだと思うな)。私的感覚と共通感覚の関係がよくわかりません。私的感覚が集まったのが共通感覚になるのですか?また私的感覚は幼いころにできあがってその後変化しないのですか?

A
 かなり混乱しているようですから、ゆっくり整理しましょう。まず一番根本にプライベートミーニング「私的意味づけ」があるとします。「私的意味づけ」とは相対的マイナスと相対的プラスのことです。I am~、それからPeople are ~、World is ~、それから I should be ~ですね。一番根底にこれがあって、ここへいろんなライフタスクが来ます。人生の諸課題。人生の諸課題をアドラーは、仕事と交友と愛に分けた。なんで仕事と交友と愛に分けることができたかというと、外側にある自然とか猛獣とかを僕らがあまり考えなくてよくなったから。大体人間の悩みは「他の人間」ということに最近なりました。人口も増えて大変密集して暮らしているので、他の人間が気になる。これいつごろから他人をこんなに気にして暮らさなきゃならなくなったかというと、興味あるんですけど、歴史学者によると鎌倉時代の村って村落ってポコッと集まってないんです。何年か前に富山県の砺波というところで、アドラー心理学会の総会をやったけど、あそこの村は鎌倉時代の構造で、1軒の家があってまわりに田んぼがあって、隣に家があってまわりに田んぼがあって、家と田んぼとがくっついているんです。家はバラバラで、自分とこの田んぼがまわりにある構造をしている。今の集落は家のある場所がカチャッと塊まっていて、そこから田んぼへ出かけていくでしょう。そういう家だけ集まった村ができるのが大体室町時代です。それまでは分散して暮らしていた。分散して暮らしていた時代は、人間関係の悩みは少なかったでしょう。その代わりに対自然がすごい大変だったと思う。川の氾濫なんかに隣近所が協力してやるにしても、隣は遠いもの、簡単に協力できなかったでしょう。僕らが集合して生きたのは、対自然もあるけど、たぶん戦国時代で、よその国の軍隊が来たきたときに協力体制がとれるようになった。それからだんだんどこの国でも人口密集して暮らすようになりまして、お隣さんとかご近所さんとかが気になりだして、仕事のタスクと交友のタスクと愛のタスクというのが来ます。しょっちゅう来ます。家はライフタスクの塊のようになりました。そこへ帰るとライフタスクがいっぱい来るんです。その都度、ライフスタイルとライフタスクと見合わせて行動が出てくる。プライベートロジックがあって、「ああ、こうね」という筋の通った理屈がライフタスクの種類によっていろいろ出てくるわけでしょう。そのプライベートロジックにもとづいて具体的な行動が起こると思う。そのプライベートロジックがある時点で、行動というのはつまり、思考「こう考える」ということと、感情「こう感じる」ということと、行為「こうする」ということが出てくるわけ。プライベートロジックが出てくるには、ライフタスクをプライベートミーニングが見つけて「ああこうね」と解釈がここに入ってくる。この解釈がプライベートセンスです。「これはこういうことね」って思うこの人独特のプライベートセンスがプライベートミーニングから出てくる。これが連動していてプライベートロジックができる。「ただいま」って帰ったら、奥さんが「お帰り」と言わないで、向こうをを向いている。「おー、これは危ないぞ」。向こうを向いていることになんで気がつくか?全然気がつかない夫だっているかもしれない。気がつくのはプライベートセンスで気がつく。「私のものの捉え方」で気がつく。「これは危ないぞ。何か対策を立てねば。そうだ、『今日はどんなことがあったか』聞くべきか」と考えているのは、これはプライベートロジックです。で、「ねえ、今日はどんなことがあった」というのが行為ね。そんなふうに人間は動くと思います。そういえば、先日うち(アドラーギルド)の事務のおねえちゃんが、帰りがけにすごく機嫌が悪かったんです。すごい恐いの。あの人普段はすごい機嫌のいい人でプンプンしないのに怒っている。みんなで「なんだろうな、なんだろうな」と言っていた。彼女は「皆さん、気がつかないの?」。「あのー、何でしょうか?」。みんな気がつかない。誰かが、「あー、髪の毛切った?」と言った。髪の毛切ったことにみんな気がつかなかった。言われてみれば、ずいぶんたくさん切っている。昨日まで長い髪をカールしていたのを切ったのになんで気がつかなかったかというと、プライベートセンスです。彼女は「なぜ気がつかなかったの?」と言うから、「男性は女性を見るときに、口では言えないけど髪の毛でないある場所を注目している。どこって聞かないでね。髪の毛までなかなか目が届かない」と言ったら、一応赦してくれた。これ、プライベートセンスです。なんでプライベートセンスができるかというと、私の目標追求の中に「女性の髪型は大して重要なデータじゃない」と書いてある、というか「他に重要なデータがある」と書いてある。いつもは気をつけているんですがね。クライエントさんには、髪型の変化というのはすごい大きなデータで、女の人が髪型が変化するとか、男の人が服装、いつもネクタイ締めている人が普段着で来るとか、あるいは普段着の人がネクタイ締めてくるというのは、人生の方向性を変える変化だから気がつくんだけど、「スタッフはクライエントではないから気がつかなくていいや」、というプライベートセンスが起こるから気がつかない。いろんなことを気がついたり気がつかなかったり、記憶に留めたり留めなかったりするということをプライベートセンスと言う。センスというのは「感覚する」、「直感的に感覚する」ことですから。これはまだロジックじゃないから、言葉にならない。「髪の毛切ったね」と気がついたらプライベートロジックなんです。「切ったね」と言葉になる前に髪を切ったのを全然見てないのはプライベートセンスです。プライベートセンスもプライベートロジックもプライベートです。「わたくし勝手」なんです。それを、「○○さんの髪は今日はどうだったでしょうか、皆さん」と言って、みんなが「今日変わってましたよ」と言ったらコモンセンスなんです。コモンというのは統計を取ったら多くの人がそう感じているとか、統計をとったら多くの人がそう考えているのがコモンなんです。コモンセンスとかコモンロジックというのはプライベートじゃないけど、でもほんとじゃない。共通感覚と共同体感覚との区別ができない人がいるんだけど、共通感覚というのは理論的なことなんです。「べき」とは関係ない。みんなで調べたらこうだったということ。日本の国が自由主義で、国民の生活を政府があまり制限しないのがいいというのは、コモンセンスでコモンロジックだと思う。みんなそう感じている。だからちょっとでも政府が僕らのすることに干渉すると、「えっ、そんなことなんで言われるの?」と思う。ここへコモンセンスが出てくる。多くの人がイヤがる。消費税上げるというとイヤがる。プライベートロジックです。それはライフタスクの種類によっていくつか種類がある。それはプライベートセンスとペアになって、ある捉え方をするから理屈ができるわけです。

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