親はどうあるべきか
Q0313
親がどうあるべきか迷っています。どうしたらいいのでしょうか?
A0313
あるがままにあればよい。働き者の親は働き者の親、怠け者の親は怠け者の親、明るい親は明るい親、暗い親は暗い親で、自分以外の人に変われないじゃないですか。親だからどうこうしようと私はあまり思わない。
そもそもアドラー心理学は、「親」のあり方を教えていない。「人間」のあり方を教えている。「子どもと親子関係を」と、言葉としてはそう言っているけど、親子関係を問題にしているんじゃなくて、人間の仲間として一緒に暮らせるようになってほしいと思っている。だから、「親として」という発想はやめたほうがいい。
人間としてどうあるべきか。そんなん、あるがまましかしょうがないじゃない。自分の持っているものを、何を持っているか何を持っていないかを問題にするんじゃなくて、持っている力を発見して、その持っている力を有効に使う練習をしなきゃいけない。
私、持っていないものがたくさんあります。例えば、器用じゃない。わりと不器用で、細かい仕事なんかさせるとペケ。だから、なるべくそういうのは遠ざかって暮らすことにしている。誰かに頼って暮らします。それから計算がダメ。おそろしくダメ。絶対に窓口でお金を受け取らない。わけがわからなくなる。電卓なんかでピッピッとやったら、5回に2回は同じ答えで、3回くらいは違う。きっとこの2回だろうと思って書いておいたら、誰かがあとで検算して、その2回も間違っていたりする。まったく計算はダメ。そのダメなものを何とかしようとしてもそれはできるかもしれないけど、非能率でしょう。それよりも自分の持っている力を伸ばすほうがずっと簡単だし楽しいし、他の人の役に立つと思う。スーパーマンになろうと思わないで、自分がすでに持っているプラスの性質を見つけ出して、それを伸ばしてください。(回答・野田俊作先生)