MENU
63,792

スレッドNo.90

大切な生き方

Q0316
 人間は一度は死にますが、生きることも大切だと考えています。アドラー心理学による大切な生き方についてもっと詳しく教えてください。

A0316
 いつも言うてるやん。尊敬して信頼して責任を持って勇気づけ合って生きる。アドラー心理学はいつもここしか言わない。方法しか言ってくれない。これがいいことなんです。 結局、僕たちがどんな暮らしをするのか。例えば、電車が高架になるほうがいいのか、ならないほうがいのか?……何か、ニューヨークで子どもを殺したお母さんがいる。ニューヨークの殺人なんかどうでもいい。だってニューヨークは遠いもの。隣のおっさんが何しているかのほうが僕らにとって、より切実かもしれないでしょう。ニュース・情報は医療と同じ立場にいて縮小できない。ニューヨークの殺人事件を報道しないでいるということができない。「国民の知る権利」とか何だとかいうことがあって、報道は拡大する一方なんです。世界中のあらゆる三面記事をしょっちゅうテレビで流して新聞に書いておかないといけない、そういう文化装置になっちゃった。でもあれはほとんど役に立たない。そうやってニューヨークのことやビアフラのことやカンボジアのことを僕らが知っているけれど、「隣の家のばあさんこないだ死んでん」「えー知らんかったわ」。近所のことを何も知らない。僕たちの身のまわりのことや親戚のこととかは新聞に載らないから、何も知らなくて、どうでもいい遠い遠い国のことばっかり知っている。
 さて、こういう生き方がいいことか悪いことか。そこの善悪判断はアドラー心理学の仕事とは違う。アドラー心理学がいつも話題にするのは、自分の周囲の人とどんな声のかけ方をし、どんなつきあい方をするかで、とても小さな話題です。それがやがて広がって世界を変えていくだろうと思うけれども、究極的な価値判断、「どんな暮らしがいいか」をアドラー心理学は求めない。それはなんでか。アドラーはそれはたぶん彼は宗教の問題だと思っていた。西洋人だから。僕たちが究極的にどんな生き方をすべきかは、キリスト教とかユダヤ教とかいうものが与えてくれるものであって、心理学ごときがそんな大それた話をしてはいけない。日本でもやっぱりそうで、日本人の場合は「宗教」と言わず「哲学」の話題で、心理学はもっと下世話な話で、家内安全、子孫繁栄、無病息災、商売繁盛というレベルの話しかしない。大所高所の話はもうちょっとちがうレベルで考えてほしいと思います。(回答・野田俊作先生)

引用して返信編集・削除(未編集)

このスレッドに返信

このスレッドへの返信は締め切られています。

ロケットBBS

Page Top