たまには川柳も
ある方から「愛知川柳作家名鑑」なる小雑誌をいただいた。作家名鑑というものの実際は合同句集の体裁で、愛知県内の代表的な川柳作家20名がそれぞれ30句を掲載している。一流の川柳ともなると、普段私たちが目にする川柳とは趣が異なり、言葉が吟味され、表現に深みが感じられる。
以下に印象に残った川柳を紹介する。
ふところの深さ信じる夫婦箸 浅野滋子
下り坂シフトダウンが儘ならぬ 浅見和彦
龍の字の見えぬ高さに揚げる凧 川越洪太郎
未来のことは教えてくれぬ進化論 倉知武好
トリアージ切ない川は蛇行する 島津敏子
ちょっと来いと酒を飲ませてくれた祖父 鈴木順子
君が好き魔法が解けてからも好き 猫田千恵子
人差し指いつか凶器になるだろう 水野奈江子
様になってた企業戦士もゲバ棒も 山田初男