選評
てつをです。
野の風さん、夏の句会の幹事お疲れ様でした。
それにしても、連日の異常な暑さに心身ともにダウン状態です。そのせいか、皆さんの感想など
投稿の出足が遅いですね。
以下、小生の選評です。
2、他人は他人吾は吾なり冷奴
「 他人は他人吾は吾なり」は、よく使われる常套句ですが、ともあれ季語「冷奴」との取り
合わせの妙が生きています。
冷奴と言えども、木綿派と絹派があり、また、好みの薬味も人によって「生姜」、「ネギ」など
様々です。正しく「 他人は他人吾は吾なり」です。
15、向日葵の迷路に弾む子らの声
夏の代表的な花である「向日葵」、猛暑にの中を咲き誇っています。その向日葵畑の中でこれ
また暑さに負けずに遊んでいる子らの弾む元気な声。子供時代が懐かしく思い出されます。
情景が伝わる素直な佳句だと思います。
22、紫陽花のけふの色出す雨の糸
何といっても、「けふの色出す」の表現に感服いたしました。どんな色なんでしょうか?・・・
想像がふくらみます。紫陽花と雨との取り合わせはありふれていますが、「雨の糸」としたことに
よって「けふの色」との関係性にまで想像が発展していくように思いました。
「糸のような雨」と言う表現はよく見聞きしてきましたが、「雨の糸」は知りませんでした。調べて
みて、歌謡曲の題名や歌詞の中によく使われていることを知りました。
27、天命と思いて書けり桜桃忌
意味深な俳句です。天命と思い何を書いたのでしょうか。桜桃忌からまず「遺書」が連想されま
すが・・・ 「天命と思い」との措辞が読み手にはなかなか理解しづらいところがあります。
小生だけが、特選でいただきましたが、作者の作句の背景などをお聞きしたいものと思います。
以上