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スレッドNo.432

秋の句会選評

新之助さん、お世話になりました。
遅くなりましたが、小生の選評です。

〇秋の雲流るるままの余生かな
 浮かんでは消え、消えては浮かぶ秋の雲のように飄飄と余生を送る。
 これぞ理想的な余生の送り方ですが、現実はなかなかそうはいかな
 いものです。俳句としても、何のてらいもなくさらりと詠んだのが
 良かったように思います。

〇小魚の散りては群れて水の秋
 川や池の澄んだ水の中の小魚の動きはまさにこのとおりです。水に
 映る影や微かな物音にも敏感に反応します。子供を連れて釣りに行
 って一向に釣れなかったことを思い出しました。
 季語に「秋の水」ではなく「水の秋」を持ってきたのは功を奏した
 のではないでしょうか。

〇淋しくてならぬ時あり芒見る
 淋しくてならぬ時は誰にもありますが、その理由や原因は人さまざ
 まです。作者はどのような状況にあったのか、何故に芒を見たのか、
 何とも意味深長な句です。

〇儚げにしかも毅然と水引草
 この句は、水引の花を如何に感じとるかの一点にかかっていると思
 います。野に自生する水引の花は見過ごしてしまいそうな細かなもの
 ですが、作者はそこを儚げと詠いつつ毅然とした一面を感じ取ったの
 でしょう。ただ、儚げと毅然をつなぐのに「しかも」がどうなのか
 一考を要するのではと思いました。

                              以上

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