アイビーの感想
野の風さん、幹事のお骨折りをいただき有難うございます。皆さんの句へのアイビーの感想です。
春寒や能登の荒磯慟哭す (てつをさん)
大地震のあった能登。震災を早速句にしたが、寄せては返す怒涛を慟哭と形容されたのが素晴らしい。季語の斡旋も「春寒」で妥当。荒磯は「あらいそ」とも「ありそ」とも読めるが、この句の場合は「あらいそ」だろうか。
早春の日射しに弾む釣り心 (泉也さん)
早春とはいえ、このところの陽気は春そのもの。さあ、そうなると趣味の釣り心が頭をもたげてくるのは当然だ。本格的な春を迎える喜びに満ちている。
ウオーキング土手に点々蕗の薹(野の風さん)
鵜の目鷹の目で捜すとなると簡単には見つからない蕗の薹。散歩を兼ねたウオーキングで土手を行く。何気なく目を見やると、あるではないか。思いがけなく春の使者に逢ったことで、一日気分よく過ごせそうだ。
白梅の中の紅梅艶めきて(新之助さん)
咲いているのは白梅が多く、紅梅はこれからのようだ。 圧倒的に白優勢の梅林で、数少ない紅梅が艶めいている。勿論、艶めいていると感じたのは作者の印象であり主観だが、読み手の側も十分共感できる。