選句感想
てつをです。
泉也さんの自作あれこれ、新之助さんの選句の感想を読ませていただきました。
小生の選句の感想です。
2、郭公の声が励ます野良仕事
小生も二か所に畑があり、そのうちの一か所は小さな山の麓にあります。このため、
鳥獣被害に悩まされていますが、同時に四季様々な鳥が訪れ癒してくれます。この句の
ように正しく励まされています。それにしても郭公の声とは羨ましいです。小生の場合
は初夏になると夏鶯(老鶯)が涼やかな声を聞かせてくれます。
以前に詠んだ句です。「老鴬を朋に労農ひもすがら」
6、臥す妻に送り語らふ団扇風
病の床に臥している妻に風を送りながら励ましている夫の姿に胸が打たれます。
「送り語らふ」とさらりと言ってますが何とも夫婦愛に満ちた心温まる俳句だと思い特選
にいただきました。
12、紫陽花や天界に咲く花かとも
紫陽花の花は七変化とも言われるように色んな表情を見せてくれます。作者はこの様に
着目されて「天界に咲く・・・」との措辞を配されたのかと想像しましたが、読み手とし
てそこからの先の深読みが出来ず特選にするかどうか悩んだところです。
18、絹よりも木綿がよろし冷奴
私も木綿派です。絹は頼りなくてどうもいただけません。ただ、私はこの句は単に豆腐
の好き嫌いを言っているのではなく、人間社会のあり様や人生の生きざまを詠んでいると
感じました。
労せずして莫大な利得を稼ぐ「絹のような社会=生きざま」とこつこつと額に汗して労働
対価を得る「木綿のような社会=生きざま」として捉えました。特選にいただきました。
以上