選評
アイビ-さん、句会の進行ありがとうございました。
皆さんの投稿、興味深く読ませていただいています。
以下、私の選評です。
1、立ってないでそこの誰やら踊りやんせ
よく見かける景色です。それをそのまま話し言葉で句に仕立てのが成功しています。
アイビ-さんの評に同感です。
踊りの輪に入りたいのに勇気がなくて入れなかったのが、この一言ですんなり入るこ
とが出来た。踊りに興味がなかったのだが、この一言で無理矢理入れられ、それが思
いのほか楽しくそれ以降病みつきになったとか、踊りのこと以外の世界でもよくある
話です。
5、故郷の心をつなぐ踊唄
踊唄にはそれぞれの地方で歌い継がれてきたものが沢山あり、それぞれ独特の節回し
や文句がその地域の文化でありそこに住む人の魂のようなものです。
私の生まれ育った大阪南部の泉州地域には「佐野くどき」と言う盆踊り唄があります。
掲句のように、まさしく地元の人たちの心と心をつなぐ踊唄です。
10、秋暑し買い物一つ忘れけり
秋と言うのに猛暑が続く日々にうんざりしています。秋暑しどころではありません。
身体はもとより頭脳も思考停止したままです。メモをして持っていったのにそのメモ
を見るのを忘れる始末です。当節ぴったりの句です。
13、手を叩くところで揃ふ盆踊
今回、兼題の句がそれぞれ味のある佳句ばかりでしたが、中でもこの句は秀抜です。
よく観察されていて正に良いところに目をつけられたものだとつくづく感心しました。
実際の踊りの場面が目に浮かんできます。
以上
盆踊りの句を取り上げていただ有難うございます。過分なお褒めにあずかり恐縮しております。