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アイビ-さん、特選おめでとうございます。
ところで、地貌季語について小生の愚見を申し述べます。
アイビ-さんが言われるように歳時記に掲載されている季語は東京や京都が中心になっている点はその通りだと思います。それは、総ての情報が嘗ての首都であった京都、そして現在の首都である東京に一度集中し、フイルタ-を通過した上で全国に発信されると言う情報の一極集中に起因するところがあるのでないかと思います。
ただ、アイビ-さんの言われるように東海地方にお住まいの方々にとっては、伊勢湾台風は忘れることの出来ない災難であることは十分に理解いたしますが、季語として定着させるかどうかについては些か問題があるのではないかと思量いたします。
例えば、現在、歳時記に載っている「震災忌」は、ご承知のように大正12年9月1日に発生した京浜地区の大地震に依拠するものですが、その後、我が国では各地で大きな震災を経験してきていて、例えば、阪神地域の人間には1月17日の阪神淡路大地震のことが、また、東北地方の方々は3月11日の東日本大震災のことが忘れることの出来ない震災忌です。
したがって、災害の記念日を季語に取り上げることについては大変難しい問題があると思います。
一方で、地域に根ざした伝統文化などで季語として取り上げても良いものがまだまだあるのではないかと思います。
私の住む大阪泉州地域では、9月頃に各地域で「地車=だんじり祭」が行われ、とりわけ岸和田の「だんじり祭」がその勇壮さが評判になり、テレビで大きく報道されるようになりました。「地車」は角川の合本歳時記にはありませんが、ホトトギスの歳時記には「祭」の子季語として地車(だんじり)が載っています。また、野田ゆたか氏の「清月俳句歳時記」には「岸和田まつり」が主季語として、「だんじり祭」を子季語として取り上げています。
このように結社によって季語の扱いに相違があり、私見としては、全国版の歳時記に加えてロ-カル版の歳時記があっても良いのではないかと思います。そしてその季語を採り入れた名句が数多く生まれていくことによつてそれがやがて全国版の歳時記にも取り上げられていくことになるのでと思います。
小生の独断と偏見です。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
てつをさんの地貌季語に関する考察を拝読しました。卓見です。伊勢湾台風自体は65年前のことで、現在のこととしてを詠むのは無理があります。そこで「伊勢湾台風忌」として忌日俳句にしたのですが、いずれにしても先行句がありません。あれほどの大災害でありながら歳時記には掲載されず地貌季語に留まっていたのも、ここらあたりに原因がありそうです。