選句感想
新之助です。
アイビーさん、今回の句会進行お世話様でした。
今回の最優秀者となられたてつをさん、また、各部で多点句のアイビーさん、てつをさん、
野の風さん、泉也さん、おめでとうございます。小生も入り、嬉しかったです。
既にお寄せ頂いたアイビーさんの選句感想及び泉也さんの自己の句の背景の記述、
夫々楽しく拝見しました。
では、いつものように、小生の選句感想を述べさせて頂きます。
【兼題の部】
☆水澄むや打つ柏手の谺して (アイビー)
澄んだ水のある谷川で柏手をしたとき、その音がこだまして響く様、上5の季語と
マッチして良い句と感じました。
☆相席に蜜柑をもらふ列車旅 (泉也)
列車での旅で相席の方から蜜柑を頂くとだけ書かれていますが、そのためには、
作者も説明されているように、それまでのその方との友好的な会話があってのこと
が読み取れます。省略の効いた佳句と感じました。
☆水澄むや釣り餌をつつく魚の影 (てつを)
作者が魚釣りに関する句を本句会で出されたの初めてかと思います。
釣り人が本人か、または第三者の方か不明ですが、釣り餌をつつく魚の影をご連になり、
本句ができたものと思います。この句も上5の季語とマッチした句と思いました。
【当季雑詠の部】
☆掘り当てる思はぬ所にでかい藷 (てつを)
藷掘りの醍醐味は大きなものを掘り当てるところにあると言われています。
色んな場所で苦戦した作者が最後にそのチャンスに巡り合えた場所が「思わぬ場所」であったと
いうのがユーモアがあります。よろしければ、どんな場所だったか、教えて下さい。
☆長き夜や地図で旅する北海道 (泉也)
まだ、コロナ禍ですので、慎重派の作者は、地図で北海道の旅をされたとは、
作者ならではの句と思いました。
☆秋風やにはかに興る旅心 (アイビー)
秋風で旅心を感じるのは、小生も同じなので、同感です。
☆秋寒し靴ひも強く締め直す (野の風)
作者のおられる青森ともなれば、秋とはいえ可成り寒い日も多いと思います。
そのような日に、重ね着をするのでなく、靴ひもを締めてのお出かけになるとは、
スポーツマンの作者ならではの行動と思いました。