汗血馬:御隠居と馬さんの会話
---火曜の昼下がり---
馬さん『こんにちは。御隠居いらっしゃいますかぁ』
御隠居「おっ、その声は馬さんかい。じゃぁ、勝手に上がっておいで」
馬さん『へい、へい、勝手知ったる他人のお家ってねっ』
『御隠居、こんにちは』
御隠居「はい、はい、馬さん、こんにちは」
馬さん『御隠居、何してらしたんですか』
御隠居「うん、50年振りに和歌の勉強で四苦八苦していた」
「私も古文の時間は授業とは関係ない他の本を読んでいた口だ。古典落語の本なんかも読んでたね」
馬さん『へぇ~、そうですか。御隠居は真面目に授業を聞いてる方だとばかり思ってました』
御隠居「そうでもなかったね。でもさ、御蔭で業平と崇徳院の歌は落語の本で覚えたよ」
馬さん『そういや、アッシもあの二つの歌は落語で覚えましたね』
『あぁ、業平で思い出しましたが、ちはやふるですけどね』
御隠居「あの歌がどうかしたかい」
馬さん『いや、落語の方なんですが』
『あのオチが分からねぇって大馬鹿野郎、あっ駄目だ駄目、この言い方は下品ですね』
御隠居「ハハハ、下品かい。読み手がいるとなると少しは言葉使いも気をしないと駄目かい」
「しかし、千早の本名だったというオチが分からないというのはアホ・・・も不味いのか」
「可笑しな人だね」
馬さん『しかもですよ。回答した大バ・・・は不味いな』
『え~ぇとっ、お間抜けさんが、オチが唐突で残念なオチとか書いてます』
御隠居「そうかなぁ、あのオチは秀逸だと思うがね」
馬さん『そうでしょう、御隠居』
『アッシは、あの噺がでぇ好きですから頭にきやした』
御隠居「じゃぁ、文句の一つでもカキコミしたのかい」
馬さん『いや、それが10年以上も前の事なんで駄目なんですよ』
御隠居「そりゃあ、残念だね」
「今更、馬さんに言うのも変な話だが」
馬さん『いえいえ。聞きたいです』
御隠居「あれは、八つぁんに問われて答えに困ってでっち上げた話だから唐突な所があって当然」
「花魁に振られて絶頂期にある相撲取りが乞食になったり」
「今を時めく花魁の千早太夫が豆腐屋になっていたり」
馬さん『そりゃぁ、唐突ですよ。理屈に合わねぇといえば理屈に合わねぇ話です』
『でも、そこが良いじゃぁねぇですか』
御隠居「それとさ、ちはやふるが花魁の千早太夫」
「神代も聞かずが妹花魁の神代大夫」
馬さん『へぇ、へぇ。そうですがそれがどうしました』
御隠居「これは、起承転結でいえば起になるかな」
「そして、竜田川。相撲取りの四股名は承だね」
馬さん『はぁ、そういう風にも見るんですね』
御隠居「からくれないに水潜る、が転」
「で、終わろうとすると八つぁんが、とは、はなんだと聞いてくる」
「そして、結。オチ・下げへといく」
馬さん『それくらいは、まけときな。いやまかりません。てぇ遣り取りがあって』
『とは(わ)は千早の本名でした。というオチですね』
御隠居「起承と結を名前で繋げているところが洒落てると私は思うんだがね」
馬さん『そうか。そういう見方がありましたか』
御隠居「でさ、とは、なんだけどね」
「とは、といったら永久とか時の流れを指す言葉だろう」
馬さん『時の流れですか』
『相撲取りを廃業して乞食になった竜田川が流れ流れて千早の営む豆腐屋に来ます』
『成程。時が流れてですか。それで、とは』
御隠居「あくまでも私の考えだけどね。よく考えていると思うよ」
馬さん『ありがとうございます。増々あの噺が好きになりました』
『いけねぇ。いけねぇ。今日は逢坂山特別の話を聞きに来たんでした』
御隠居「あぁ、汗血馬さんの小倉百人一首57番に書いた今日も的中さんの返信だね」
「調べたよ。そこは大事だと思ったから」
馬さん『珍しいでしょう。今日も的中さんがああいう風な形で返信するのは』
御隠居「そうだと思って調べたのさ」
「そして、これがかなり凄い事になっている」
馬さん『何ですかねぇ、御隠居』
『もったい付けずに早く話して下さい』
御隠居「百人一首で唯一逢坂山を歌っている三条右大臣の歌が25番」
「それと菅家・菅原道真24番も御書きだね」
「更に菅原(明良)JKと太宰JKもね」
馬さん『それで、どうしました』
御隠居「例えば土曜の太宰JKだがね」
「京都4R新馬戦⑦枠13番⑧人気3着と京都5R未勝利戦③枠6番⑰人気18着」
馬さん『複勝は幾らつきました』
御隠居「610円だから両方買ってもプラス」
「そして、小倉メインの愛知杯が枠連③-⑦530円」
馬さん『安い・・・かもしれませんが1点で取れれば悪くありませんね』
『それに複勝も最初に取れてますから次の⑰人気は買わないでしょうね』
御隠居「京都3Rの結果を加味すると3連複も取れるかもしれないが・・・それよりも逢坂山特別だね」
「25番が逢坂山ならば一つ前の24番は玄海特別になるだろう」
馬さん『あぁ、そうか。そうですね。そういう事ですね』
御隠居「逢坂山特別5枠⑤番菅原明良で玄海特別4枠⑤番丹内祐次⑥人気1着2,230円」
「それと枠連2-4が2,460円」
馬さん『はぁ、24番の2-4と菅原の5番ですか』
御隠居「更にだね。玄海特別が⑥人気→②人気の決着で逢坂山特別が②人気→⑥人気の決着なんだよ」
馬さん『済みません。その意味が分かりませんが』
御隠居「百人一首62番は清少納言で逢坂の関を歌った歌で百人一首26番は、貞信公・藤原忠平だね」
「小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの みゆきまたんむ」
「忠平は兄時平の早世で朝政を司って延喜の治と呼ばれる政治改革を行っている」
馬さん『逢坂山と逢坂の関ィ~っ!?』
『おぐらやま~ぁ!?』
『忠平の兄時平っていったら道真公を陥れた張本人じゃないですか』
御隠居「逢坂山特別1着川田将雅と玄海特別1~3着の3人が競馬学校同期というのも面白いかな」
「菅原明良は土日で5枠に入ったのは日曜の3鞍」
「6R5枠10番⑬人気7着から9R逢坂山特別5枠5番⑨人気4着と来て日経新春杯5枠8番①人気1着」
馬さん『⑦④①着ですか。筋ですね』
『御隠居、何でレース前に教えてくれないんですか』
御隠居「そりゃぁ、無理だ」
「気付いたのが、何時も通りのレース終了後だもの」
~お後が宜しい様で<(_ _)>~
汗血馬さん、あいも変わらず、楽しい落とし話しありがとうございます。
読んでるだけで、長屋の風景から、平安の風景に変わり、楽しませて頂きました。
更に落ちが最高です。
汗血馬さんのファンより😄
寝ぼけたじじいさん、コメントありがとうございます。
コメント頂けているから書けている(御隠居と馬さんが出て来て来る)と思います。
何時も後検証を済ませてから書くのですが書いている内に気付く事や思い出す事も多々あります。
その度に調べ直す事にはなりますがその分納得出来るのでありがたいです。
今回、珍しくカキコミした後に思い出した事があります。
若しかすると再登場があるのかもしれません。
汗血馬さんおはようございます。
じつは私、落語大好きで、柳家小さんさんとか、米朝さんとか、大好きで、NHKで放映してる時は見ていました。
だから、汗血馬さんの投稿が楽しみでなりません、これからも、大変でしょうが、楽しませて下さいね。
汗血馬さんが折角『ちはやふる···』のネタを振ってくれたので。
2月18(日)に、
藤原定家が京都小倉山の山荘で撰んだと伝えられている小倉百人一首誕生の地で、
小倉百人一首文化を継承する嵯峨嵐山文華館に於いて、小倉百人一首競技かるたのオールスター戦
「第5回ちはやふる小倉山杯」が開催されるそうです。
※定家が撰者ではないという説もあるらしいです。
『「百人一首の現在」青簡舎 定価(定家) 9900円 (税込)』。 ..,..高い! とツッコミを入れつつ。
2月18日には、フェブラリーステークス(東京).大和ステークス(京都).小倉大賞典(小倉)が開催予定。
特に、小倉大賞典にサインが飛ぶのでは。1か月も先の話ですが... 。
『ちはやふる·······』。 まひろ(紫式部)の母が「ちやは」。似て非なるもの。 繋がりは無さそうです。
「藤原定家」を見ていると、『定家がたびたび上卿の任を務め、特に「石清水八幡宮」に関する政策においては
主導的な立場であったことが知られている』とありました。
.....こちらは今週の「石清水ステークス」に大いに関係がありそうです。
影丸さん、コメントありがとうございます。
紫式部の本名は分かっていないと覚えていたので調べて見ました。
角田文衛氏が紫式部の本名を藤原香子(御堂関白記の掌侍という役職の女性)と提唱していますが、
それを完全に否定する根拠も肯定する証拠文献も見付かっていないので不明となっています。
尚、宮中での女房名は『藤式部(とうのしきぶ)』で後に『紫式部』と呼ばれたとあります。
やはり『まひろ』は勝手に付けられた名前。
※NHK『光る君へ』制作統括プロデューサーが『まひろ』は『心に燃えるものを秘めた名前』という意味を込めたと言及
当然ですが、母『ちやは』も勝手に付けた名前で摂津守・藤原為信女(ふじわらためすえのむすめ)とあります。
※当時の慣習で女性が本名を公にする事は殆どなく紫式部や清少納言の様に通称で呼んだ
明確な通称が無い場合は紫式部の母の様に父の名の下に女(むすめ)を付けて呼ばれた
当時の女性が男性に本名を教えるのは求婚に応える事になります。(これは古文の授業で聞いた覚えがあるな)
因みに百人一首57番(紫式部)と58番(大弐三位)は母娘並び。
58番 有馬山 猪名(ゐな)の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやする