ウィーン少年合唱団のコンサートとミュージカル『ビリー・エリオット』の観客層から考えること
6月1日・2日の2日間、ウィーン少年合唱団のコンサートに行ってきました。コンサートのレポートは、6月8日と15日に書いてアップする予定です。コンサートそのものは、たいへんよかったです。以下のことは、コンサートレポートに書きませんが、日本の少年合唱の未来を考える上で気がかりです。
さて、どちらの会場も、約2000人収容できる会場で、座席は9割ぐらい埋まっていたのですが、土日なのに、観客の約6割が高齢女性、約2割が高齢男性(ご夫妻というケースも)。一方、子どもは男女合わせて5%という感じでした。ウィーン少年合唱団は、以前は、3年に1度の来日でしたが、20世紀末からコロナ禍の3年を除いて毎年来日公演をしていますが、このような観客の年齢構成では、10年後どうなるのかということを心配しています。10年前は、両親と子どもが家族連れでという姿もかなり見たのですが・・・今年は、東北地方以北や中国地方での公演がなかったことも気になります。
一方、少年が主演を務めるミュージカル『ビリー・エリオット』の観客は、私が観劇した2016年も2020年も、平日なので子どもは見かけませんでしたが、ほぼ満席で、若い女性が6割、若い男性2割、その他2割という感じでした。このようなことから、少年合唱ファンを増やすためには、外国の実力のある少年合唱団を招聘すればよいといった単純なものではないことがわかります。もちろん、少年合唱団がダンスを踊ればよいというものでもありません。また、東京と大阪でしか公演していないので単純に比較はできません。
なお、ミュージカル『ビリー・エリオット』にも、「エレクトリシティ」というナンバーがあり、日本のビリー役経験者では、未来和樹や川口 調、中村海琉の歌唱力は確かですが、あくまでもダンスが中心のミュージカルです。今年も、夏から秋にかけて東京と大阪で4年ぶり3回目のミュージカル『ビリー・エリオット』が公開されます。
ミュージカル『ビリー・エリオット』(2016)発表会より
ミュージカル『ビリー・エリオット』(2020)のステージより
利田太一・佐野航太郎 Expressing Yourself(ミュージカル「ビリー・エリオット」)
中村海琉 The Stars Look Down(ミュージカル「ビリー・エリオット」)
川口 調 Angry Dance(ミュージカル「ビリー・エリオット」)
渡部出日寿 Solidarity(ミュージカル「ビリー・エリオット」)