「しもべらよ、ともに歌え」(Pueri Concinite)(その1)
「しもべらよ、ともに歌え」(Pueri Concinite)は、オーストリアの作曲家 ヨハン・ヘルマン・シャイン(Johann Hermann Schein, 1586–1630)作曲説もありますが、実際には ヨハン・フォン・ヘルベック(Johann von Herbeck, 1831–1877) の作曲による、有名なクリスマスのモテット(宗教合唱曲)です。ラテン語による荘厳で美しい合唱作品で、特に少年合唱団のレパートリーとして世界中で親しまれています。作曲年代は、19世紀後半(おそらく1850年代頃)と考えられます。タイトルの「Pueri concinite」は「しもべらよ、ともに歌え」と訳されることが多いですが、その意味は、ラテン語で「子らよ、歌え」という意味です。全体としては、イエス・キリストの誕生を喜び祝う歌で、厳かな中にも祝祭的で喜ばしい雰囲気があふれています。
ロマン派時代の作曲家らしく、豊かなハーモニーと劇的な構成を持っています。バロック風のポリフォニー(多声的書法)と、ロマン派的な温かみある和声感が融合しています。ソプラノ独唱が象徴的で、しばしばボーイ・ソプラノによって歌われます。
映画『野ばら』において、教会の中で歌われたことから、日本でも知られるようになりました。よく演奏される場面は、クリスマス礼拝等で、多くの少年合唱団が録音・演奏しており、世界的に有名なレパートリーです。
ウィーン少年合唱団(映画『野ばら』より)
パリ木の十字架少年合唱団(PCCB )
リヨン少年合唱団
ウィーン少年合唱団(Vienna Boys Choir)
ジャン=バティスト・モニエ サン・マルク少年少女合唱団(Jean-Baptiste Maunier PCSM)