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スレッドNo.33

'24冬 感想

お久しぶりです。個人的には小学生以来の冬の特別編ということで懐かしいを通り越しむず痒い気すらします。
仕事でリアルタイム視聴ができなかったことが悔やまれますが、「求められる柔軟性」がテーマだった今回の特別編の感想を書いていきます。長いですよ。
☆は★半分の評価で★5つで満点(人にお勧めできる出来)、至高の作品には最大★7つの評価です。


『フリー』☆
短編でも長い枠その1。まずこの中身の無さで四分割はやりすぎです。
FreeとFreelanceとFleeをかけてみましたというダジャレみたいな何かで、氏お得意の「とりあえずホラー」とかいう枠になるんでしょうか。
一番駄目なのはウラベと篠崎が織り重なるような共通点がまるで見られない所です。
具体的に腕を回すシーンの為(だけだと思われる)に妙に説明口調の先輩が好意的に相談に乗ってくれそうだったのにそうしなかった点と、
ウラベの生活が困窮していたのに対し、篠崎はそうでもなく普通に生活していた点ですかね。
やっぱり荒木脚本(と書いて此奴と読む)かとしみじみと思った次第です。曲がりなりにもホラー作品なのにしみじみ思うとか書かせるなと。
もう新人でもないでしょうにしっかり筋の通った話持って来なさいよ本当に。
あと「私はフリー素材じゃありません」の一言は近年のオープニングや傑作選などを見ていたら嫌でもわかるので蛇足に更にダメ押しをかけているのが残念です。
少し脱線しますが、「拳とピースとさようなら」というウェブ漫画が『漫画の読み切り』である良さをフル活用していてとても満足していたのですが、
近年のスタッフは短編はなぜ短くあるべきなのかとか、漫画の読み切りはなぜ読み切りで掲載しているのかとかをまるで考えてないんでしょうね。『オトドケモノ』の出来でそれは証明済みですし。

『第1回田中家父親オーディション』★
短編でも長い枠その2。なお話順は評価に入れていません。
テラーパートから漂う小林家よろしく二番煎じ感が凄く一度見たらもう十分な作品です。
近年のコメディは20周年前後のホラー作品迷走期の代表作品『検索する女』、『呪い裁判』、『缶けり』、『憑かれる』にどこか通ずるものがあります。
インスタントな怖さを笑いに置き換えただけで、まさに粗製濫造であり既視感が拭えません。それ本当に10年後の鑑賞に堪えうること考えてるのか?と。
あと○○家(以下一家)コメディは続ける気なんでしょうか。寒くて粗末な出来なら時間の無駄なので止めてくれと言っておきます。
話を戻しますが、一家が何か奇天烈な事をする→世間から異様に注目されるの流れがまずよくわからんのですね。
尤も、『何だかんだ銀座』はその世界観の作りが丁寧になされていたので高く評価しましたが。
何なんでしょうか。一家系物語では他人とか世間は奇天烈な催しに必ず興味を持つとかどういう世界観なのかと。
駅前によくいるアレな人とかそういうファンクラブでもあるんじゃないかと思わずにはいられません。
家族って何だろうと考えさせられるのは『ホーム、スィートホーム』という金字塔がありますし、何より無駄がありません。
まずそれを踏まえて、こんな物語なら退屈しなくて済むと思わせる作品が理想だったのですが、蓋を開ければ正しく「これやる必要ある?」な作品でした。
極々少数の好評だった声を過大評価しないで頂きたいですね。

『City Lives』★★★★★★★
今作の正式表記で揉めそうな作品だなあとぼんやり思いました。
それはさておき、何をしたらこういうこと思いつくんでしょうね(誉め言葉)。ちなみに原案のドラマは未視聴の評価です。
明らかに田中家より異質で奇妙なんですが物語に自然と入っていくのはやはりポテンシャルの高さが圧倒的に違うからだと思います。
CMに入る間も楽しめる(一呼吸置く)のも『タテモトマサコ』以来久々で、子供騙しやハッタリではない全く読めない展開に只々感心しきりでした。
今作の第一印象が「何で佐藤勝利がギター持ってるの?」というのもありますが、特筆すべきは宣材写真のギターの使い方の良さですよね。そこでそれ持って来るかと。
ちょっと泣きそうになりました。この涙は何なんだろうと。いやぁ、良いもの見ました。
これこそ『3つの願い』位の超長尺でも遜色なく視聴に耐えうるんじゃないかと感じた次第です。

『ああ祖国よ』★★★★★★☆
私事ですが、第一報が出た時にあまりに意外な選出で思わず笑ってしまいました。
確かに筒井康隆や星新一のやや長めの作品は確かに3話110分形式でないと難しかったかもしれません。NHKで映像化済みの善良な市民同盟あたりがまさにそれなんですが。
で、地味ゆえに今作も『ドッキリTube』や『不倫警察』が刺さらなかった人には刺さらん作品だろうなとは思っていました。
ただ、身近な奇妙さという意味で初期作に通ずる正統派かつ普遍的な作品である故に話を盛っても良いですし、テレビが一般にもオールドメディア扱いされ始めた今だからこその映像化という意思も犇々と感じます。
仕上がりを見て感じたのは、植田作品の中でもトップクラスの悪意とブラックさですが全くそう見せないのは流石ですね。
相馬氏による現代に合わせた良いアップデートだったと思いますし、自称オリジナルというだけで薄味の脚本に拘るよりも、有名な原作者で長尺の視聴に耐えうる話を今後も期待したいです。
そういえば後藤Pの星新一ミステリーSPからもう10年経っているのもびっくりですが。


『総評・その他』★★★
消化試合と本気の温度差で正直なところ混乱が隠せません。
また、OPEDしっかり見せないでどこが原点回帰なのかとは思いましたが、高丸氏や植田氏がプロデュースした回だと全体的に手堅いので安心して見れるというのが個人的な感想です。
ただ、今年度の話の落としどころが8話全て『取り込まれる』か『次も何かある』で片付いてしまうのは流石にいただけませんね。オチがない話があったっていいじゃないですか。
ところで、来年で35周年を迎える当番組ですが本当に何をする気なんでしょうかね…。是が非でもサントラは出てほしいですが。
3話110分形式(3+1の+1が特に短くもないのでこう呼んでます)以降になってからの特別編は毎回明確なコンセプトを設けているので何周年SPとか言われても全く特別感がないというか。
希望ですが全部一人の映画監督に演出してもらうとかだと心惹かれますね。堤幸彦とか。意外とホラー演出怖いですよ。

当たり屋的な感想しか書かない自覚がある私が言うのもなんですが。
ここ数年いくらハマらなかったり期待外れの作品ばかりとはいえ、ファンサイトの管理人である貴方が感想の文字量を諦めてはならんですよ。
'21夏も酷かったですが、'24夏も大概です。
『追憶の洋館』が★2(『成る』と同じ)で『冷える』が★4もあり、有名な元ネタがあって予告段階で方向性が読めるという共通項があるにも関わらずこの差は何?と思わざるを得ません。
280文字以下の文章で簡潔にまとめられた感想なんてXの投稿を探ればいいだけですし。
SNSやネット記事のチェック等周辺情報が容易かつ綿密にできてしまう昨今、事前情報の収集が番組視聴のモチベーションに至るほどならそういった事は今後全くしないほうがいいかもしれません。
遠足楽しみにしすぎて当日風邪拗らせて休んでいる子を見ているようであまりいい習慣とも思えないですし、何より時間と体力勝負で疲弊してしまいます。
兎に角ご自愛ください。

長くなりましたのでBGM情報を。『第1回田中家父親オーディション』にLaurence Duryによる「Satie:Gnossienne No.1」、『誘い水』にブレアウィッチ2のサントラから「Rock Water Wind」が使用されています。

引用して返信編集・削除(未編集)

掌さんお久しぶりです!

>35周年に何をする気なんでしょうか

番組予算も25周年時より削減されているでしょうし、当時担当した後藤Pのような前のめりな方がいるとも思えないので、個人的には過去コンテンツの蔵出しに注力していってもらえたら嬉しいですかね。新作と過去作の両輪がしっかりあってこそ番組が進んでいけるわけなので。新規ファンの開拓のためにも…(^^;)

>感想の文字量を諦めてはならんですよ

厳しいながらも真摯なご意見、本当にありがとうございます。ただ『最近の新作への失望で感想の文量を減らすことにした訳では決してない』『文量の多寡=必ずしもその回の評価の違いではない』ことだけはハッキリ明言させていただこうかなと。

あくまで理由は、(過去の感想記事取り止め回や'21夏等も含め)ブログに書いた内容+私的な事情により、感想記事執筆の負担が大きくなっていた事にあるのですが、掌さんのコメントを拝見する中で、中途半端なスタイルはどうしても誤解を招くなとも思ったので、今一度改めてどのような方法を取るのがベストか再考させていただきますね。

なお『追憶の洋館』と『冷える』の評価の違いについてですが、自分の中で明確な理由がありますが、これを説明しようとするととてもややこしい長文になってしまうので、ここは物凄くざっくりと『世界観・ストーリー構成・作品の立ち位置の差』という説明でご納得して頂ければ。すみません!(^^;)

最後にBGM情報、いつもありがとうございますm(_ _)m
後ほど確認を済ませて、ページの方に追加させていただきますね。

引用して返信編集・削除(編集済: 2024年12月18日 16:34)

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