35周年秋 雑感
お久しぶりです。ひとまず年内に新作が見られたことを嬉しく思います。
おまけつき3話編成みたいな今回の特別編でしたが、本格的な3話編成の布石だったりしないですよね…?
ひとまず、初見でのいつもの雑感を書いていきます。
「止まらなければ生きられないゲーム」★
悪趣味なサバイバルやデスゲーム系は過去作も意外と多作で、
「不眠症」、「かげふみ」、「恐怖のカラオケ歌合戦」、「自〇者リサイクル法」や「脱出不可」が記憶に新しく相当ハードル高かったと思うんです。
故に超期待してたのですがこれはちょっと…。いくらなんでも話の流れがわかりやすすぎるのとカウント減るの早すぎ、ラストシーンも当然蛇足で評価減です。
そもそも10人で10億でも物語としては何の影響もなく成立しうる話なので。てか一人一億ってどう計算して出たの?等、やはり粗が目立ちますね。
如何せん本格的なデスゲーム作品は見たことがないのであまり大それたことは言えませんが、作品としてはこれで良いのでしょうが世にも的にはどうなの?となる典型例でした。
「あなた博物館」★★★★
正直まったく期待してませんでしたが、これはしてやられました。
笠松将がいい仕事してましたし、何より久々のダウナーな植田演出が良かったです。
これは発想とタイトルの勝利ではないでしょうか。
間延び感は否めませんが、ありきたりなものをそう見せずにオチまでの過程を丁寧に見せていくお手本のような作品でした。東映版の「鍵」とかいい例だと思います。
オチの予想当てタイムアタックがしたいなら闇芝居見とけ派なので。最近は本編3分15秒しかないですし。
「七階闘争」★★★★★
見た瞬間全く違う手触りだとわかる画を録る監督がこの番組に登場すると異様にワクワクしてしまいます。
あとCoccoの7th floor流れるんだろうなーとか思ってたら本当に流れてきて思わず笑ってしまいました。
話はまさに王道で、テンポ良し。オチもこの系統にありがちな将来の伴侶とともに次の撲滅が……みたいな匂わせで終わり、に逃げなかったのが非常に好印象でした。
話を無駄に広げすぎない、でも雑に畳まない、ノイズになるおふざけもなし。色んな角度から解釈できる演出。
これは文句なく満点でしょう。ラストシーンはあれぐらいでいいんです。
「ハッピーバースデー・ツー・マイホーム」評価略
春の復活SPの際に某SNSでも一人しか見たかったという声を聞かなかった為に初見での選出が渋すぎて笑ってしまいましたが、91年の末では完全に一つの節目の話だったことを思い出しました。
雑感レベルでさえ感想が難しいのですが、過剰に多くを語らずともそれ以上に伝わるものがあるいい話だと思っています。
確かにこの機会にもう少し話題に上がってもよい話ではある気がしますね。
文句をつけるなら分割が下手でした。せっかくの傑作もこれではあまりにも浮かばれません。
「テラーパート」
もう手段と目的が入れ替わってるとしか思えません。CMの入れやすさ的にも普通に「捨て魔の女」形式でいいじゃないですか。
繋ぎ形式に難があると多々苦言を呈してきましたが、過去ワーストに下手くそでびっくりしました。
35億年前のくだりまでは良かったですが、そこがピークで後は繋げているというよりも、
何か一言→ぶつ切りで変なCG→次の場面の繰り返しで画的な感動が一切なく、
最新技術()とやらはどこに生かさてれるのか全く分かりませんでした。
後述しますが『タモリ=テラー』であることを強調しすぎるが故にどんどんタモリにしか見えなくなっている、何とも皮肉なことです。
『総評』★★★★
別会社の作品、国を超えた共同制作、大昔の傑作と歴代の中でもトップクラスにカオスな回で、
35周年記念を謳いつつ新作は全部バッドエンド、かつ4話トータルでも〇亡率半分と中々に攻めてきた印象です。
今回の編成だと仮に「おばあちゃん」が無名だったら傑作選枠にぶっ込んで来そうな悪意すら見えそうで中々良かったと思います。
各々の時間配分やバランスも良く四話編成の意地を見せつけられた気がします。このクオリティを毎回維持できるならおまけつき3話編成でもいい気がしなくもないんですが。
あとエンディングは蝶を飛ばさないとタモリによる蘊蓄披露コーナーになりつつあるのはいい加減気づいたほうがいいですね。本来あまり喋らないはずのテラーが饒舌に喋ると役柄が薄れるというか。
某闇芝居でもシーズンごとにOP15秒ED30秒の尺をとって様式美しているんですがね…。
お久しぶりです!
今回は各話の評価は別にして、思っていたより攻めの姿勢が印象に残りましたね。
当分、例の事件の影響で予算減少が続くことが予想される中でも、現スタッフのこういう所は安心できるといいますか……。
でもやっぱり掌さんの言うように、OPEDテラーパートの構成など、「本当にそれで効果出てるの?」と思えるような改悪っぷりはどうにかしてもらいたいもの…(^^;)。
