一心に長板染めや野分中
今年から、毎年猛暑か土砂降りかという7,8,9月になるのでしょうかね。いやですねえ。
もう浴衣は終わったかと思っていたら、また一枚頼まれました。「針通りが悪そうなので湯通しに出しました」などと言われたら断れません。無形文化財長板藍染、初山實作とあります。浴衣といえば、屏風畳みにして糊をおいて染料を流し入れる「注染」という手法の大柄のものが多いのですが、これは、長板中形という染め方。江戸小紋と大柄の中間の大きさということですね。6mほどの板に布をおいて、型紙に糊を塗ります。すごいのは、乾いたらひっくり返して裏にも同じ糊をほどこすということ。鮮明に柄が出ます。
江戸時代、華美なものが禁止されて、平民は藍染しか着れなくなったとき、少しでもお洒落をしようと、地味だけど粋な長板中形という染めが考案されたとか。それが今も続いているとは、感慨深いです。今夜のうちに裁断とヘラをしますよ。外は虫しぐれ♪
腹当の紺のゆゆしき菊師かな 野見山朱烏
