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スレッドNo.1439

秋の日のカリーに添へしアグレッツィ

ピクルスは新宿中村屋のアグレッツィに限る。アグレッツィはロシアの胡瓜の酢漬けのことで中村屋の創業者相馬夫妻が盲目の詩人エロシェンコを庇護していた時に出会った料理のひとつで、インドのボーズが作った昭和2年の衝撃の味と言われたインドカリーの付け合わせに用いられ、カリーの辛さを和らげる爽やかな酸味が抜群の相性で、わたくしは今でもカレーを作る時は新宿中村屋の地下の売店「ボンナ」でアグレッツィ(540円)を買ってくる。わたくしは小学生の時に父に連れられて中村屋のインドカリーを食べて衝撃を受けて以来、カレーと言えば中村屋のインドカリーが至高の味で、付け合わせはアグレッツィとチャツネと粉チーズである。

中村屋のカリーと並んでマイルドなカレーで衝撃を受けたのが横須賀海軍カレーで、これは娘のお呼ばれ会の付き添い先で海軍だったお爺さんの作ったカレーで、中村屋以外で出会った衝撃の味で教えを乞うと、イギリスのB&Bのカレー粉と上質の豚バラ肉を使うのがコツだとわざわざ大船の肉屋まで紹介されて買いに行ったが、鎌倉の輸入雑貨店で買ったカレー粉と豚バラ肉のスライスと玉葱のスライスが味のポイントで、子どもたちもお代わりをするほどの辛いのにマイルドな飽きの来ない旨さで、実は固形マギーブイヨンが下味で効いているのは後で気が付いた。中村屋のカリー粉はもちろん使うが、高いので、B&BとSBと横須賀海軍カレー粉をブレンドするのが猫髭式カレーのポイントで、勿論付け合わせはアグレッツィで、仕事で海外に行くたびに甘くないピクルスは買ってきたが、みなそれぞれ美味しいとはいえ、中村屋のアグレッツィがやはり甘くない酸味の爽やかなピクルスとしては一番シンプルでいい。とにかく甘味料多寡があらゆる料理に言えるので素材の甘みを殺す味付けが気持ち悪くてほとんどのソトメシは不味いので自分で作るウチメシに如くはない。このウチメシソトメシという言い方はうちのカミさんの造語で、社内報のアドバイザーだった時に広告会社がわたくしの文章を面白がり、自分たちも使っていいですかと聞かれていいよと答えたら、まさか世間の流行語のひとつになるとは思わなかった。わたくし自身が作ったキャッチフレーズで一番記憶に残ったのは「映画館のない街はさみしい」と鎌倉から映画館が消えたことを書いたエッセーの一文で、TVのなかった頃は映画館の桟敷が家族で行くイベントだったので昭和の団欒が消えてゆくのはやはりさみしい。大洗や那珂湊の湊町にも二つは映画館があって、いつも行列が開館前には続く時代が昭和で、昭和34年前後は映画館の数でも映画の質でも日本が世界一だった。今の日本映画もTVドラマも昔日の影すらない。過ぎてみれば昭和という時代は戦争もあったが世界に誇る文化もあった。いま世界に誇るのは漫画とアニメだけである。

引用して返信編集・削除(編集済: 2023年10月17日 08:43)

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