友の死を告げる遺族の「喪中につき新年の」
>水洟やあなたたらせば私も 境野大波
正しくは
水洟やあなた垂らせばわたくしも 『赤子』
境野大波さんはわたくしの俳句の師のひとりで、わたくしは 大波さんが興した同人誌「大(ひろ)」の創刊同人で同人代表だったので硬膜下血腫で廃刊の後の吟行句会「小の会」を仲間に推されて吟行頭取をやっていました。大波さんの第三句集『青葉抄(せいようしょう)』の祝賀会には立場上出席したが、その記録がふらんす堂に残っている。
境野大波句集『青葉抄』出版記念会
https://fragie.exblog.jp/25220693/
『俳壇』2007年9月号の「今月の新主宰」の大波さんの小作品集「小合溜」の自己紹介と全七句を参考までに。わたくしは毎日毎季節同じ道を歩いて「さきがけ・旬(さかり)・なごり」という季節の移ろいを体に入れる「定点観測」という場所を家の近くや吟行場所として見つけなさいと大波さんに教わりました。
【私には、のっけから虚を詠む才能はない。目にしたもの、耳にしたものを、そのまま言葉にするだけの平凡な句作が身上である。従って、言葉が古びないよう磨き続けること、老いてなお心の鮮度を失わずにいること、それだけを常に怠らないよう心がけている。】
捨小舟犇きあへる皐月雨
青鷺の佇ちて葛飾小合溜
釣人の後ろ過ぎゆく梅雨の鳥
鯵刺の水面の影を攫み飛ぶ
濁り江に雨つぶ荒く花浅沙
睡蓮の隙間の闇をざぶと跳ね
水郷や遠見の百合のほの白き
この「小合溜」の吟行はわたくしも参加しましたが鯉を出さずに「睡蓮の隙間の闇をざぶと跳ね」と「ざぶ」のオノマトペ一語でまざまざと見せてくれたのには驚嘆しました。
風船が乗って電車のドア閉まる 今井千鶴子
と同じで子どもを出さずに「風船」で見事に子ども見せてくれる、これぞ俳句の醍醐味という秀句です。わたくしも真似をしたが出来たのは二十年間でたった一句、西野文代師に「これは採らざるをえないわね」と言わせた、
エイプリール・フールの顔をして「あのね」 猫髭
で、親が嘘をつけないど直球の性分だから娘たちも嘘がつけず、それは実際にあったことじゃないかと自分の見たことを話すので結局我が家はエイプリール・フールには無縁。
あと吟行で一番感心したのは横浜外人墓地の吟行で、大波さんが目の前で読んだ一句は感銘を受けました。
梅雨蝶やデヴィッドの墓ジョンの墓 境野大波
墓の碑銘まで見るのかよ。しかも「梅雨蝶」とは。絶句しました。
写真は毎日のように作っているフランス料理の「ポテ」。具材はシブールとレモンとパセリのソーセージに、キャベツと玉葱と冬瓜にミニトマト。フランス産粒入りマスタードを乗せて。昨日このスープで丸ちゃん製麺醤油味を作ったら、息を吞むほどうまかった。それにしてもぴのこさんが見ている映画はフランス映画なのになぜ「ポトフ」なのだろう。フランスでは「ポテ」のはずだが、はて?
