泣菫の生家の門の花すみれ
今日は、「都羅の小径」と呼ばれる江戸時代に築かれた古い小道を歩きながら、薄田泣菫の生家を探した。南には水島工業地帯が広がっているというのに、この辺りは鶯が鳴いている。泣菫直筆の詩や随筆も然る事ながら、坪内逍遥・与謝野鉄幹・晶子・北原白秋・島崎藤村、、、などの泣菫宛の書簡の字に惚れ惚れと見入る。芥川龍之介や菊池寛など発掘したというから驚き。
泣菫の随筆「『たけくらべ』の作者」など味わい深い。上野の図書館で、何かの雑誌で見た一葉女史にそっくりな人を見つけ、そっと盗み見していると、その人の袖がインク壺に当たってインクが零れた。その人はどぎまぎすることもなく、袂からまっさらなハンカチを取り出し、さっとインクを拭った。振りむいた口元はきりっとして、拗ねたような目つきをしていた。そうこうしているうち、図書係から「樋口さん」と呼ばれるのだ。
何が嬉しかったって、あちこちの飛び石の隙間から、菫が顔を出していたこと(笑)。
ねむる子に北の春暁すみれ色 成田千空
