待ち針は赤白のみよ身に入むよ
和裁の集まりの日。金蠅は、夫婦でゆく豪華客船の旅が近づいてきたので、二枚目のディナー用ドレスを小紋をほどいてつくっていた。銀蠅は、腰痛用コルセットの句を添削してよと見せてくれる。訳を聞くと、家の外壁の塗り直しをするため、夫婦で腰にコルセットを巻いて片づけをしているそう。もうここまできたら、夫を毛嫌いせずに助け合って生きていくしかない(笑)。
お吟は、今日もおはしょりに隠れる部分に布を継ぎ足して、身丈を長くした。昔の絽はしなやかで捨てがたい。この波紋様の絽には、不祝儀の絽を継ぎ足した。不祝儀のちりめんや絽、白生地のちりめんや紬、男物の白絣や蚊絣の大島は、継ぎ足し用に大活躍である。
衣ずれは律の調べのなかにこそ 馬場龍吉
