春の雨仕立屋の灯の煌々と
和裁の集まりの日。金蠅は、夢に出てきそうなほど考えに考えた末、作り帯を仕立て上げていた。なんとこの魚の柄の外国土産のような布、元はエプロンだった。それを帯巾に裁って継ぎ合わせて、足らずは別布を足して帯丈にした。しかも、お太鼓部分に上向きの魚、胴の前部分にも上向きの魚が来るようにと。
依頼者さんは、猫髭さんのお住まいの近くのお茶人で、頭がよく文章がうまく、メールのやりとりのとても楽しいお方である。金蠅が「こんな難しい仕事は二度としたくない」と甘えるので、「脳トレ脳トレ、お吟なんてもっとややこしい仕事しているよ。交換する?」と激励しておいた(笑)。
帯箪笥はみ出て長き春の帯 長谷川かな女
