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スレッドNo.16

振返って・・・こんな投稿もしたのだなあ

✱ふり袖太平記でのトミイ・マミイ✱ #投稿日2015.9.17

近代映画の取材で「ふり袖太平記」のセットを訪問した人の「セット訪問」という記事を見つけましたので、抜粋ですが読んでみてください。

 ~仲よしコンビはニッコリ笑ってハイ・スタート! 刀遊びとニラメッコ? 橋蔵さんの余興にファンもどっと大喜び~

★セットでニラメッコは、ひばりちゃん!
ひばりちゃんと、橋蔵さんが、「おしどり囃子」に次いで、コンビする東映京都の「ふり袖太平記」はひばり、橋蔵ファンにとっては、大きな期待です。
今日は、御両人が、顔を合せる「セット」を訪問しました。 セットは、武家屋敷の、座敷から庭にかけて、組まれています。丁度、ライティングの最中でライト・マンが、天井や、セットの前後で、大活躍です。
塀を越えて、屋根の上に、カメラが据えてあり、萩原監督が、何か指示を与えています。フカン撮影になるらしいです。
ずーっと中へ入って行くと、廊下に橋蔵さんが坐っています。グリーンの地に、白いウロコ模様を浮かせたシックな着物、袴も、ワイン・カラーに白の縦縞という流行色、天然色ではないので、この色彩を皆さんに、お見せすることが出来ないのが残念です。髷の型が、大変カワっています。ムシリという月代が伸びた浪人の型と、前髪の合の子のような髷で、前髪がチョッと乱れて、云うなれば江戸時代のシンタロウ刈りというところです。
ひばりちゃんの方は、庭先の椅子に、オトなしく座って、台本片手に、熱心にセリフの練習中です。トキ色とダイダイ色の中間色に、鶴か何か鳥の柄が散らしてあるふり袖、娘島田の髪がよく似合うひばりちゃんです。
冷房装置がしてあるとは云っても、多くのライトが向けられると、大変な熱さです。見ている私達の方は、半そでシャツで、汗をかくほどのことはありませんが、かさね着をした、ひばりちゃんや、橋蔵さんらは、さぞかし暑いことだと思います。

撮影は、準備が大へんです、記者がセットに入ってから、もうニ十分近くも経ちますが、なかなか、始まりそうにもありません。
その間、堅い板の廊下に、キチンと坐りっきりの橋蔵さんは、さすがに退屈したンでしょう。「エイッ」とばかり、腰に差した小刀を、サッとばかりに抜いて、チャリンと納めたり、赤城山の国定忠治みたいに、ライトの光にかざして、見得を切ってみたり、お茶目ぶりを発揮して、スタッフの連中や、見学のファンたちを笑わせています。
そのうちに、刀遊び? にもアキたのかこんどは、庭の方へ向いて、顔をシカメタリ、舌を出したり、赤ンべえをしたり、百面相をはじめました。
「誰を対手に?」と思って、その方を見ると、なんと対手は、庭でセリフのお稽古中だったひばりちゃん。おそらくニラメッコなんでしょう。ひばりちゃんも負けずに、アゴをつき出してイーツをしたり、イイお顔をしたり、フン闘中ですが、どうやら、このニラメッコは、橋蔵さんが優勢、ひばりちゃんは、何度も、こらえ切れずに、年頃らしくコロコロと笑い転げます。

★男女七歳にして席を同じくせずの巻
「さァ、テストいきましょう」
萩原監督の、シャガレ声が、セットに響きます。さっと、メーキャップの人たちが、橋蔵さんと、ひばりちゃんの、顔と、髪を直しにカケ寄ります。 場面は、菅谷家の庭先です。
「ヨーイ、あいッ」 カメラが、ジーッとかすかな音を立てて廻り始めます。
「ま、こんなに暗くなったのに、新太郎ッ少しは気をつけなさい、灯もつけずにお嬢さんと二人きりで・・・・」橋蔵さんの新太郎クンは、一発お袋さんからお叱りをうけて、些か恐縮のテイであります。
ところが、ひばりちゃんの小浪は、なかなか近代的な娘らしく、そんな、かねの言葉に、フン然として抗議します。
「誰に見られたってかまやしないわ、私達は小さい時から一緒にばあやのお乳で育った乳兄妹ですもの、だけどネ、ばあや、新太ったら私の云うこときかないのよッ」我然攻撃のホコ先が、橋蔵さんに向けられます。
「新太郎ッ、なぜ、お嬢様の云いつけをきかないのですッ」こんどは、お袋さんから叱られて、新太郎クンは、全然クサリのテイで、返事もせずに、眼をふせた切りです。「あい、カッと」
「叱られ通しで、折角の剣豪も台無しだョ」
橋蔵さんが、ひばりちゃんをみて、恨めし気な顔をします。
「だってえ、新太郎さんが強情なんだから、仕方がないッ」
「いや、強情なのは、あんたの方だョ」
どうも、お仕事を離れても、この仲良しコンビは、喧嘩友達です。

さあ、これから始まるのは、十八番のひばりちゃん、橋蔵さんの、喧嘩シーンです、次のセリフから、場面を想像していただきましょう。
小浪 「ばあや、私は江戸へ行って、老中田沼様へ、お父様のことを嘆願に参
    ろうと決心したのです」
かね 「まア、お江戸へ?」
新太郎「いま云い争っていたのはこの事です。私がお供しようというのに、一
    人で行くなんて仰るから・・・・」
小浪 「一人じゃありません。源八郎を連れて行きます」
新太郎「この際、あんな老人を連れて行っても役に立ちません」
小浪 「いいえ、かまいません、私はもう子供じゃないんですから」
新太郎「いいえ、子供も同然です。殊に、こんな大事な場合の一人歩きは、ま
    だ無理ですッ」
小浪 「まア、口惜しいッ、ひとを子供扱いにして・・・・いいえ、どうして
    も一人で行きます、新太郎さんは、残って下さい」
新太郎「いいえ、残れと云われても残りません」
小浪 「残りなさいッ」
新太郎「残りませんッ」
小浪 「残るのですッ」
新太郎「イヤダッ」
まったく真に迫るとは、このことでしょう。そばで見ていると、いまにもつかみかからんばかりの凄まじさ、ピッタリと息の合ったお二人の喧嘩ぶりに、見学のファンなど、手に汗にぎってハラハラしていました。
「全くウマいものですねェ」

一汗かいたお二人に、ちょっとご挨拶しました。
「あたし困っちゃうんですヨ、いつも、勝気でおきゃんな役ばっかしでしょう、だからみんな、あたしの地だと思ってんじゃないかと心配なのよ、ほんとはねェ、とっても内気で、云いたいことも云えない位気が弱いのに」
「そうだよ、ふだんのひばりちゃんは、とってもおとなしいいい娘さんだよ、でもネ、時々江戸っ子らしい負けん気を出すこともあるしネ、まア多少の地はあるんじゃない」
「まア、ひどいッ、おぼえてらっしゃい、映画では、私の家来みたいなもんだから、ブツとこでもあったら、本当にブッてやるから」
「ほら、ほら、地が出た」
「キライよッ」
ちょっと仲良く話していたと思ったら、あっと思う間に、たちまち、口争いです。そのくせご当人たちは、至極たのしそうに、そうです、まるで喧嘩をたのしんでいる、といった感じが、お二人には多分にあります。

「ボクはネ、立廻りが大好きなんですよ、ところが、この作品の前には、二本共立廻りがなかったんで大いに腕を撫していたんですがネ、今度は、ちょいとした青年剣豪なんですから、全然張切りです。大いに、斬り倒すところを御覧に入れますヨ」
やさしい顔に似合わぬ物騒なことを云う橋蔵さんです。
現場の人たちは、寸時も休むことなく、コマ鼡のように動きまわって、次のシーンの準備に大童わです。

「さあ、本番ゆきましょう」
いよいよ、喧嘩場?の再会です。
「じゃ、ひばりちゃん張切ってやりましょう」と冗談をトバしながら、橋蔵さんが定位置につきます。
「サワがないで下さアい」
助監督サンの声で、ガヤガヤ云っていた見学の人たちの話し声も、あちこちで聞こえていた一切の音と云う音が、一瞬ハタと停止したような感じです。

橋蔵さまは立ち回りが大好きで、暇があれば剣会のメンバーと練習に励むほど撮影も立ち回りのある日はご機嫌らしかったようです。
「江戸三国志」撮影のある日、刀を回して鞘にパチンと入れるのを教わった橋蔵さまは、撮影の合い間に刀をクルリ、パチン、クルリ、パチンとやってご満悦で、女優さん達にも披露して大はしゃぎをしていたそうです。それを扇太郎さんにまで見せてしまった。相手が悪かった。「橋蔵さん、お年の割に無邪気ですね」と言われてがっくりしてしまったと言います。無邪気な一面が見られた一コマでした。

映画はモノクロなので衣装がどんななのか分かりかねますね。こんな衣装を着ていたそうですよ。
(画像の上に👆が出るものはクリックすると違う画面でも見ることが出来、拡大されている画像もあります)

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