振返って・・・こんな投稿もしたのだなあ
✱ ちょっと雑談で✱ #2020.10.30
今月31日と11月初めにオールスター作品次郎長映画第3作「任侠中仙道」そして最後になる「勢揃い東海道」と、ムシリが乗るズラではありませんが、橋蔵さまの魅力がひかる作品の放送があります。
若さま侍、新吾という役は勿論素晴らしいことは私も同感ですが、どちらかというと”やくざ役”の橋蔵さまに、どうしても魅かれる率は大になってしまいます。
1958年後半ごろの雑誌の橋蔵さまの特集企画から、ちょこっと抜粋し私流で書いてみました。今回は橋蔵さま「やくざ役」について。
脚本家の比佐さんは、1954年ぐらいに東横ホールで公演した橋蔵さまの舞台写真を新聞で見て、「これはモノになる」と思いマキノ光雄専務に東映獲得の進言をしたひとりなのは、古くからのファンならご存知のことでしょう。
『笛吹若武者』のスチルを見て、ご自分のカンは狂っていなかったことに自信を持ったということです。そして、比佐さんの書いた『旗本退屈男謎の決闘状』で、橋蔵さまに”つむじ風の半次”という役を振ってみた・・・イキのよい半次をどうこなすであろうか、期待した・・・いささか心配もあったが、初日の撮影を見て、舞台くささはあったが半次はピッタリで成功であったといっています。
撮影が進むにつれ、カメラなれをしてくると、同じ半次の役であるのに、永く身にしみついた舞台での芝居から映画の演技になって来たのには感心したそうです。そして、ムシリのズラがよく似合う、やくざ役に非常に良いということを発見して、橋蔵さまの個性を生かした「股旅映画」を書いて見たい・・・ムシリが似合う、お色気はある、やくざの姿、土足裾取り、のスタイルも綺麗、・・・『喧嘩道中』を書いたということです。そして、『喧嘩道中』『旅笠道中』で見当がついたので、次の作品は・・・芸からみると、片岡千恵蔵さんと長谷川一夫さんの中間的線をゆくのではないだろうか。長谷川さんの美しさと艶、千恵蔵さんのキレのよさと明朗さを併せ持っているのではないだろうか。
そんな線で、橋蔵さまに一度冒険をさせて見ようと、『喧嘩笠』を書いたということです。
比佐さんが見逃さなかった橋蔵さまの”やくざ役”の素晴らしさは、スタイルからも、セリフまわしも、哀愁に含まれたお色気も、他の俳優には決して劣らない、橋蔵さまの個性が思いっきり出て来る作品になっています。
橋蔵さまの”やくざもの”もっと放送して欲しいものです。