上品な笑いを誘う作品 #2015.10.4
皆様、{清水港に来た男」は、橋蔵さまの新境地を開くことになった作品の一つでもありましたね。
“わざとらしくない自然なさわやかで洗練された演技で笑いをだす、自分にとって力量を見きわめる試験になるような作品”と橋蔵さまは言っておられたとか。
留守の家に上がり込み図々しくのんだり食べたり、六助をああいいこういいで丸めこんだり、お雪を犬から助けひとり立て板に水のように喋る、まるで落語を聞いているよう。
政吉が米俵を担いでの途中での素手での暴力はよしましょうと言いながら逃げ回っているようで相手を痛めつけているという立回り、まさに橋蔵さまの軽妙で自然な洗練された演技で上品な笑いを誘っていますね。
私はこの作品大好きです。観ていて自然と声を出して笑えるところが沢山ありますから。