「市・・そうだったなぁ」 #2016.3.29
「美男の顔役」・・④
宗俊の家の台所囲炉裏のところでいっぱいやりながら、宗俊、市之丞、直次郎がいます。
直次郎に宗俊の「馬鹿野郎、お目付衆となりゃ少なくとも三百石だぜ」という言葉がとびます。
直次郎は、お目付衆になったと手紙に書いてしまった。明日の朝お袋が江戸に出てくると手紙に書いてきた、と話す。
市之丞「そうだな、やることといったら、俺たちが芝居をして、お袋さんを騙して帰す・・・ぐれぇのところかな」
宗俊 「騙してけえす?」
市之丞「他に仕様がねぇから、直の野郎をお目付衆にしたてるんだ。お袋さんの江戸滞在もそう長くはあるめぇ。その間だけ直次郎が殿様でよ、俺たちがその家来ってな芝居を打つんだ」
宗俊 「そんな馬鹿なことが出来るかい、いい年をして」
市之丞「まぁ聞け、おらなぁ坊主、こんなド不良のためにしてやるんじゃねえんだ。はるばる大阪から訪ねて来なさるお袋さんの夢を壊したくねえんだよ」
直次郎「さすが兄貴だ、話せるなぁ」
市之丞「馬鹿野郎・・直・・てめえはいいお袋を持ちやがって(①の画像)、幸せな野郎だ」
市之丞寂しそうな表情を浮かべながら身を横たえた。
📎ここでアレンジされた江戸子守唄がバックに流れていきます。
🐦(なにか、市之丞の幼い頃の思いを表すかのように・・・)
宗俊 「市、おめえ本当にやるか」(➁の画像)
横たわっている市之丞小さく「うん」。
じっと見ていた宗俊 思い出したように
宗俊 「そうか・・そうだったなぁ・・よーし、俺もこの芝居に乗った」
市之丞、宗俊の言葉に起き上がってうれしそうに、「坊主」
宗俊、市の気持ちは分かったよ、というように笑みで返します。
市之丞うれしそうに何とも言えない表情をします。(③の画像)
市之丞「どっかに立派な屋敷はねえかな」
丑松の情報から、中野碩翁り今戸の下屋敷が空き家になっているので、無断借用することにします。
👆(下記URLをクリックすると画像にリンクします)
https://sugi-nami.blog.jp/archives/14788756.html