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スレッドNo.259

逃げも隠れもしない  #2016.4.1

「美男の顔役」⑪
さあ、これから立回りの場面となります。

第一波の白刃
阿部伊勢守の用人だった竹内金次郎が町道場の腕利きを連れて押しかけて来た。
市之丞「いょー来たか、尿瓶」
金次郎「坊主は」
市之丞「坊主はちゃんと、奥で待ってるよ」
坊主があれを尿瓶ではないと言ったか。夜の雨という名器だと言っただけだ。
金にいとめはつけないという金次郎と、賄賂に使って栄達をはかろうとする伊勢守にはふさわしいものだと。
「無礼者」と斬りかかった金次郎の刀を宙にはね上げ、町道場の者たちを瞬間に峰うちにした。

市之丞「おい、とはいうもののな、3分ぐらいの引け目があらぁな、だから峰うちにしといたんだい。」
と金次郎に言い部屋に入って行った。

3人は阿部伊勢守の用心渡辺保之介率いる追っ手が来るのを覚悟して待っています。
丑松 「俺たちはお人好しだな、直みたいなにチンピラに命まで張らなきゃいけねえんだからなぁ」
宗俊 「市、おらなぁ、おめえが母親を慕う情にうたれて乗った芝居だ、大詰めがこないうちに舞台を捨てられるかい」
市之丞「・・坊主、おれは、この寮の暮らしを一生忘れねえぜ」
丑松 「おれもなぁ、この2日間が一番楽しかったよ」
市之丞「ろくでもねえ事ばかりしてきた俺たちだが、直だけはお袋さんにつけてやれてよかったよ」
丑松 「そうだな、おい、一杯飲もうよ」(①の画像)

3人でお酒を注いで飲んでいると・・・
市之丞”来たな”という顔を、四方から押し寄せて来た。

第二波の白刃
市之丞、器に入ったお酒をゆっくりと飲み干すと
市之丞「来たな、おい、ここは 人さまからお借りしたお屋敷だ。土足で汚されちゃ大家殿に申し訳ねえ。表へ出ろい」(➁の画像)
多勢です。6分間の立ち廻り。早いテンポで無駄がありません。
休みなく斬っていく市之丞。凄い人数です。

直次郎がお袋さんたちをおいて戻ってきてしまいました。「元もこうもない」と市之丞嘆きます。
栄次郎が道場の連中を連れて加勢に来てくれました。あとは任せて急いでゆけと。

明け六つまでに時間がありません、4人が急いで外へ出ると、御用の提灯。
金子市之丞、碩翁様のご命令により、その方を寺島下屋敷に連行いたす」村山源之進と捕り方が。
源之進「碩翁様過日、その方との約束通り家賃を払えとの仰せじゃ」
丑松 「ちきしょう、調子のいいこと言いやがって、家賃を払えって言うことは✖✖(使用禁止語の為)ということじゃねえか」
市之丞、丑松を止める。
市之丞「お役目ご苦労に存じます。碩翁様、私どもの無法な振る舞いを呑み込んでくださいました。その挙句のお約束、市之丞よろこんでお受けいたします」

宗俊、市之丞の前に出て、
宗俊 「ご用人さま、金子市之丞逃げも隠れもする男じゃございません。明け六つ半までご猶予をお願いいたしとうございます」
源之進「なに、猶予」
宗俊 「その代わりに、この宗俊と丑松を人質にどうぞ」
市之丞「・・坊主」
宗俊 「市、六つ半までには必ず帰ってこいよ。お袋さんによろしくな」
丑松 「俺からもよろしく言ってたと伝えてくれよな、兄貴」
市之丞「うん」
源之進「えぃい、ならぬならぬ、ひったてい」
市之丞「待て、お待ちくだされ、ご用人さん、どうでも引っ立てると言うなら、あっしも美人局の一件を碩翁様に申しあげましょうか」
源之進「ええぃ、行け」
市之丞「ありがとうございます」「坊主、丑、頼んだぜ」
宗俊 「まかしとけ」 丑松は手でポンと胸をたたく。
市之丞「直、来い」(③の画像)  品川宿に向って、ご母堂様に会いに走ります。

♠ 立ち廻りシーン
第一波と第二波の白刃の舞は同じ日に撮ったようです。
この作品の良し悪しを決める一つが立ち廻りにありますし、立ち廻りはこのシーンだけですから、橋蔵さまは大変張り切っていたようです。スピーディでダイナミックな立ち廻りです。
📍 橋蔵さま
「やっとこれでせいせいしましたよ。こう言った思い切った立ち廻りをやらないと、撮影をしているような気がしませんからね。」
チャンバラが大好きな橋蔵さまです。

👆(下記URLをクリックすると画像にリンクします)
https://sugi-nami.blog.jp/archives/14792137.html

引用して返信編集・削除(編集済: 2022年05月23日 20:01)

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