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スレッドNo.289

新吾は何処へ⇒二十番勝負が   #2017.8.23

今月は、「新吾二十番勝負」に少し深く取り組んでしまっています。
私、今まで新吾の作品に関してはあまり踏み込んで来ませんでした。だったら、「十番勝負」から入っていくべきだとは思うのですが、「十番勝負」は一部と二部がそれぞれ半分ぐらいなくなっているので、ちょっと見方が違っています。
「新吾十番勝負」については、改めて思い出深い一コマ一コマを取り上げていきたいと思います。

人間的に成長した新吾を描きたいという松田定次監督
監督は、「新吾十番勝負」を昭和34年3月に第一作を発表し四本のうち三本を撮りました。興行成績は上々だったので、「新吾二十番勝負」はお正月ものとして決定したということです。(よく考えると「十番勝負」の1月封切りはなかったのですね。)

ファンに受けた理由として、監督は
『橋蔵さん個人の人気もあるが、何といっても主人公葵新吾のイメージが、橋蔵さんにピッタリしているからだ』と言っています。

「新吾十番勝負」は、まだ朝日新聞夕刊に連載中の小説の映画化ということで、監督の責任は大きかったようです。
小説の読者の興味は美貌の青年剣士葵新吾に集中されていることは勿論のことですから、映画化するにあたって、”大川橋蔵というスターへの期待”ということになるわけです。
橋蔵さまは従来、やわらかな演技を得意としていました。監督は、最初の「新吾」を撮るに際して、橋蔵さまの新しい面を開拓しようと思ったのでした。
『従来の優れた魅力にダイナミックな力強さを加えてみたい』と思いました。『大いにファンの皆様に受けたということは、いくらかでも表現されたのかな』と言っています。

ストーリーは清潔で波乱に富んでいます。テーマは、剣と愛(肉親愛と異性愛)苦悩の遍歴です。第四部までは、苦悩と愛の遍歴の中、宿敵武田一真を破り、日本一の剣士に仕立て上げました。
ところが、御前試合で一真を倒したというのに、お鯉の方にも対面せず、一体、新吾は何処に行くのであろうか。その続きを知りたいという声が八方から寄せられました。
原作者川口松太郎さんもその熱意に動かされたのでしょう。今度は産経新聞夕刊に「新吾二十番勝負」として連載が始まったのです。そして、東映の橋蔵さま主演で「二十番勝負」も撮ることになりました。

松田監督が新吾二十番勝負で描こうとする主眼は、さらに人間的に一歩成長した新吾を描くのが狙いで、剣に限らず、新しい信念を持ち、一歩一歩と成長して奥を極めてゆくことが人間の道。新吾もまた、新しい剣の道、生きる道を求めてさまようのです。

では、どこにその部分が描かれているのか探して見ようと思います。
険しい剣の道、人間としての道・・・まだまだ続く新吾の苦悩はどのように描かれていったのでしょう。次回は作品から、どのように描かれているのか見て見ようと思っています。

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