「雪之丞」から諸々
♦浅んちゃん 様
歌舞伎で有望視されていた女形出身の橋蔵さんとしては、長谷川一夫さんで映画界をわかせた「雪之丞変化」は是非ともやりたかった作品でしたでしょう。一年か二年前なら橋蔵さんも華奢でしたし、まだ声も少しは高い声が出たと思いますのて雪之丞としてはよかったと思いますが、闇太郎を考えたとき「さあ、どんなだったかな」と思うところもありますね。
そんなところから考えると、安定してきた橋蔵さんが雪之丞と向かい合ったことを考えると監督がマキノさんですから色気を出してくるとなると橋蔵さんの良さを思いっきり出していくのは闇太郎になるでしょう。
橋蔵さんの映画「雪之丞変化」はリメイク版ですが頑張りました。長谷川一夫さんの「雪之丞変化」と一緒に残っていけばいいな。
京都太秦美空ひばり座は11月以降また開館するようですね。開館時期に合わせられるといいですね。今現在は橋蔵桜は関係者と一緒でなけれ中まで入って見るは出来ないでしょうね。塀越しになら見ることは可能かな?
♦けいこ 様
先輩のように、「作品の中のここは見逃さないで」」と橋蔵さんのよいところを教えてもらえることは、作品を見ていくうえでとても参考になりますね。橋蔵さんの所作はとても美しいですね。
私も、大川端でお初とのところは好きなところです。というのも、歩きながらの雪之丞の手の動きに見惚れますが、その手の動きの女形らしさの中に、歩く雰囲気には雪太郎という男を感じさせているように思えるのです。
雪之丞は抑え気味に、闇太郎は存分に描いて、お初との絡みを十分に持ってきて、今までに作られた作品とは違う明るさを匂わせています。
そう、小説「雪之丞変化」を描くには上映時間が短過ぎで物足りなさを感じますね。
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🐥現在あるフィルムは3分の1の長さに編集した総集編になっているダイジェスト版らしく、話がずい分飛んでいるようです。橋蔵さんの作品時代より戦前の作品ということをふまえてすべてをみていくと髪型、お化粧、着付け、が全く違っていますから見ていて面白いところもありますし、長谷川さんの雪之丞にもしなやかで色っぽさがあり、素晴らしいと思いました。この時代にこれだけの「雪之丞変化」という作品が作られたのですから、後のリメイク版でも太刀打ちできないのは無理もありません。
「雪之丞変化」は新聞連載の人気とともにすぐに1936年松竹が映画化、監督衣笠さんと長谷川一夫さんで3部作が作られたのが始まりでした。連載時代小説で人気のところへ、長谷川さんという、うってつけの二枚目で女形も踊りもできる俳優が主演ですからそれはそれは大人気だったそうです。
東映は、歌舞伎界から錦之助さんをスカウトしていましたが、これから伸びてゆくのにはまだまだ若手俳優が必要でしたね。そこで次にスカウトした千代之介さんのデビュー作品が「雪之丞変化」に決まり1954年に映画化されました。女形もでき踊りも踊れますからうってつけでした。最初の映画化から18年経ってのリメイク映画化だっだわけです。
そのあとは新東宝でひばりさんの「競艶雪之丞変化」をはさみ、1,959年に再び東映が、橋蔵さん主演での「雪之丞変化」を制作したわです。
ですから、もしもですが、千代之介さんで雪之丞の映画化をやっていなかったら、橋蔵さんの雪之丞は早まっていたかもしれませんね。
1959年時代の橋蔵さんは立役としての体つきになっていますから、女形としては図体が大きすぎ、いくら裏声が出せるといっても声の質は違ってきていますから、本当にここを逃したらというときだったでしょう。
とはいえ、長谷川一夫さんが時代劇の二枚目の後継者と認めていた橋蔵さん、歌舞伎的要素と踊りの要素も抜群の橋蔵さんとしても「雪之丞変化」を映画作品に残せたのは本当によかったと思います。ただ、2部作ないし3部作でなかったところで、ここも入れてほしかったというところが割愛されてしまっているのが残念です。小説とは違い過ぎているところが、大川橋蔵の「雪之丞変化」が喜ばれなかったところでしょうか。
ちょっと別ものになりますが、東宝に長谷川さんが移り、衣笠監督と長谷川さんコンビで雪之丞の制作の話がでていたのだそうですが、終戦直後は仇討や切腹ものの映画は禁止であったため、「雪之丞変化」では禁止映画になってしまうので1948年に「小判鮫」というタイトルで公開されています。
私は、CSをかけていて総集編にしたものを放送していたとき見ていました。違う角度からの描写があり面白かったです。この小判鮫は、ひばりさんが林与一さんとの共演でリメイク作品になっているようです。
時代劇作品も自然がなくなってきているこんにち、撮影場所は限られてしまいますし、カモフラージュするにも難しい、神社仏閣も手すりが出来たり遠くに高い建物が見えたりと、時代劇を撮るにはなかなか難しくなっていますね。だからと言ってスタジオばかりでは醍醐味は出てこない。そうするとCGと合成が当たり前、アニメで作るのが面白くなってきているのがわかります。
時代劇黄金時代の映画の背景は、古きよき時代の懐かしさを思わせるものになってしまったということですかね。今はまだ、昭和の懐かしさをテレビでもやっているからよいのですが、あと数年したらその懐かしさ消えてしまうかも・・・です。
私たちのような時代劇ファンは数少なくなってくるのは目に見えていますが、それに逆らってみても仕方ないことですから、なすがままに、時代劇が好きな橋蔵ファンを貫ければと考えています。
「雪之丞変化」は金糸雀様のお知らせでYouTubeにそのまま一本投稿されていた時見ています。橋蔵さまの雪之丞は文句なしに綺麗でした。ただ、少し貫禄があるような気もいたしました。でも其の分演技が充実しているので安心して見られました。
雪之丞は秘めている感じが何故か魅力的で素敵でしたし、闇太郎は色気と軽快さがあって淡島千景さんのお初を相手に息の合ったところを見せていてとても爽快でした。
雪之丞の仕草には感心するばかりで、見ていて感嘆のため息が各所で出てきてしまいます。
東映チャンネルか公式YouTube東映時代劇で視聴できることを楽しみに待っています。
長谷川一夫さんの戦前に公開された「雪之丞変化」も見てみたいですが、今ですとその時代の映画を見ることはDVD以外難しいでしょうね。
先ほどCSで「黒の盗賊」見ました。私としてはあまり好きでない方のもですが、この映画が作られた時はこういう類の映画にも挑戦しなければならなかったのだから、これはこれとして橋蔵さまの芸域を見られる映画としてよかったのでしょう。
夜は「富士に立つ若武者」を見ることにしています。