アースループ以外のアース設計ミスによるハムの可能性について。
皆様こんにちわ。
ハムノイズに関しまして、「アース設計上のミス」を懸念し、リプルとは異なるためトピックを分けてみました。
ハム退治のため、ヒーターの直流点火やリプルノイズの低減など図ってきたのですが、
そもそも全段差動回路はリプルやヒーターノイズのような同相信号にはめっぽう強いはずなので腑に落ちません。
やはりアースループかと思い、試しに一度きれいにつないだ信号線をばらして様々な配線経路を試してみたのですが、特にハムノイズのレベルは変わらず暗礁に乗り上げていたのですが、ふとここで気が付きました。
実は、出力管の大電流が重畳することを嫌って、入力部は最短でシャーシアースに、初段のアースは左右独立マイナス電源のアース線に、出力管のアースは電源部最後のコンデンサーのマイナス端子に、出力トランスのアースは入力部と同じ場所のシャーシに落としていたのです。
ひょっとして、初段~出力管~出力トランスの電位差が増幅されて出力に乗ってしまっているのではないかと今疑っています。
だとすればB電源のコンデンサーを増やしたことでB電源そのもののリプルだけではなく、アース電位のリップルが減り、結果的にB電源コンデンサ末端のアース電位が他の小電流を扱うアース電位と近似したことによりハムノイズが減ったとすれば納得がいきます。
配線の設計を大幅に練り直すことになるため検証できずにいるのですが、皆様はアース設計などいかがされていますでしょうか?
入力部はそのままで、初段と出力管、出力トランスのアースなど信号系アースを最短で一つにまとめてしまって共通インピーダンスを作ってから電源部アースにつないでシャーシに落とす経路に変更しようか検討中です。
SO-manさま
VTさま
こんばんわ、いつも返信ありがとうございます。
本日、大々的にアンプのアース回路を組み直し、試行錯誤の甲斐があってジョンソンノイズ(熱雑音)と同程度までハムを押し下げることに成功しました。
やはりぺるけさんのおっしゃる通り、アースは設計こそが1番で、妥協結果としての1点アースや面アースは色々な問題を抱えていると実感できました。
ハムの原因ですが、意外なことにアース母線でした。
どうも母線がシャーシやシャーシアース点から見てアンテナ化していたようで、整流用チョークの磁束漏れを拾って100hzのノイズが発生していたようです。
こちら、初段管にアース母線を設置するのを諦め、代わりにアース線をねじりながら延長し、チョークコイルを迂回する形で後ろから箒状に配線することでハムを激減させることに成功いたしました。
母線とチョークコイルがハムの原因ならば両chのハム量が同じだったことも納得で、つくづくアース設計は難しいのだと実感しつつ、半導体リプルフィルターは磁界を発生させないので、昔ながらのLC整流回路と比べてその点でも圧倒的有利を感じました。
RI さま
ご紹介したアースの取り回しで経験上大事なところは、シャーシアース点の位置です。回路インピーダンスの関係だと思いますがVRに近い所一か所でシャーシに落とすのがミソです。
ご参考になれば幸いです。
VTさま
こんばんわ、アドバイスありがとうございます。
おっしゃる通り、トランスのアウトは入力の方がよさそうですね、試してみます。
そういえば、電源リプルを入力にわざと入れるという荒業について考えていたのですが、
出力段はちょうど位相が180°回転しているので、整流用チョークコイルにあえてアース線を近接させる実験を合わせて行おうと思っています。
普通はアース線を整流用チョークの近くに配線するのはご法度なのですが、整流ノイズ≒ハムと同相のノイズを反転回路のアースに微量加えることで相殺できないかなと。
SO-manさま
記事紹介ありがとうございます。 なるほど、確かに記事のような配線ならば物理的距離があるので信号アースラインへのリプルの影響はかなり抑えられそうですね。
共通インピーダンスよりもアースに流れる電流のアースポイントに与える影響のほうがよほど厄介そうなのは段々わかってきたので、より意図的に信号アースと出力段・電源アースの距離を持たせる方法も検討してみたいです。
アース配線の取り回しは
6畳間の真空管アンプたち ぺるけさんの6DJ8差動ミニワッター2017
http://web1.kcn.jp/tube/6DJ8MW2017.html
に記載されている方法がGood!でした。
R.Iさん、こんにちは。
出力トランスの2次側、スピーカーへ行くGNDは、同時にNFBのGNDですよね。
ということは、そこは初段回路のGND側にした方が良いのではないかと思います。
例えば6N6P全段差動PPミニワッター2012 Vesion2のラグを見るとInputの近傍に左右別々で0Ω OPT SPとラベリングされたラグが見て取れます。
ご参考まで
本日アースの取り回しを大幅に見直し、整理しました(投稿記事を間違えたため、再掲です)
ハムはあまり減りませんでしたが、アースが太くなり経路も整理されたぶん、定位感などは改善したように聞こえます。
磁束を横切っていることやアースループ原因の場合、左右でハムの差が出てくるはずですがそれが無いので、やはり最後に残っているのはAC点火をしている出力管のノイズとB電源のリプル漏れと思われます。
ハム対策としては期待していたほどの効果はありませんでしたが、音質面では影響があったので、焦らず気長にいじりながら原因を探していくこととしました。
VTさん
こんにちわ、返信ありがとうございます。
やはり現状のアース配線だと電源部のリプルが信号ラインのアースに乗ってる可能性が高いですよね……。
とくに入力信号のアースが電源部の裏にいるのが大変悪さをしていそうなので、
まずはこちら信号側をひとまとめとしてからシャーシアースにつなぐ形に変更し(アース棒もしくは圧着による1点アース)、
電源部はあえて別の場所で一度アースをまとめて共通インピーダンスを持たせたうえで、信号線アースの出力トランスに近いほうに接続すれば、ぺるけさん推奨の形に近づけそうなので、そちら検討してみます。
R.Iさん
おはようございます。
なるほど、その配線だとアンプ本体から見ると入力のGNDが電源の向こう側にあるのですね。
そのように配線されると、電源に残っているリップル電流による電圧降下が入力のGND側を揺さぶってしまいますから、入力信号にハムを乗せてしまうことになるでしょう。
私のアンプ設計マニュアル / 基礎・応用編 アース回路その4の様に、電源部のアースと入力部のアースはアンプから見て反対側にあるようにした方が良いと思います。
もう一つが、「ライン・ノイズ・フィルターはしっかりシャーシに密着して取り付けます。フィルターからのアースラインも最短でシャーシに落とします。相手が高周波ノイズですのでオーディオ回路の常識は通用しません。」とあるようにフィルターからのアースはアンプ部のアースとは別で、ACの引き込み部分の直近にフィルターを設置して、その直近でアンプ部のアースラインとは別にシャシに接続するということかと思います。
「シャシグランド」は、シャシがアンプの基準電位・参照電位というわけではなく、シャシというアンプ回路を覆う静電シールドが基準電位に対してフラフラと電位変動を起こしてシールド効果を失わさせないためにアンプにある真の基準電位に接続するラインに過ぎないと私自身は理解しています。
寿々郎さま
こんばんわ、返信ありがとうございます。
大変分かりずらいので、わかりやすく図面に起こしてみました。
入力を最短でシャーシに繋げている理由は、入力はプリアンプにつながるアースなので、アースループを防ぐために最短でループを閉じつつ参照電位につなぐためです(とはいえシャーシ入力直前に他のアース回路と合流します)
3P電源部が最短でアースにつながっている理由は、
「http://www.op316.com/tubes/tips/tips3.htm」のぺるけさん推奨ACラインを真似たためです。
大変分かりずらい表記になってしまって申し訳ありませんでした。
R.Iさん
言葉だけだと分かりづらいです。
結局全ての回路で3点シャーシに接続されているので合ってますか?
そうであるなら1点で十分です。
出先なので十分に検索できてないのですが、こちらの回路図を見ると、電源や増幅器、出力部全て含めて信号入力の1点のみシャーシに接続されています。
http://www.op316.com/tubes/mw/mw-6n6p-2012v2.htm
何故シャーシに接続させるか今一度確認されてはいかがでしょうか?
寿々郎さま
こんにちわ、返信ありがとうございます。
自分の書き方がまずかったようで、一応入力と電源アース以外ではシャーシに落としている箇所は1箇所で、後は全て線で繋がっている構成です。
図で書いたほうが分かりやすいかと思うのですが、ソフトが自宅にしかないのでまずは文面で失礼いたします。
シャーシアース(1点)
←電源アース端子・シャーシアースに最短で落とす
←LR入力部アース・シャーシアースに最短で落とす
←LRボリュームアース・LR入力部アースに接続
←共通インピーダンス1(主+B電源コンデンサ末端、出力トランス-端子、主-C電源コンデンサ末端)アース棒でまとめてシャーシへ
←共通インピーダンス2(左右別-Cコンデンサ末端、初段~負帰還などその他弱電流信号系アース)1点でまとめてアース棒1に接続
←共通インピーダンス3(左右別+Bコンデンサ末端、出力管アース)1点でまとめてアース棒1に接続
といった形です。
ご紹介していただいたページ改めて参照いたしまして、
シャーシアース(1点)
←電源アース端子・シャーシアースに最短で落とす
←LR入力部アース・シャーシアースに最短で落とす
←LRボリュームアース・LR入力部アースに接続
←共通インピーダンス1(主+B電源コンデンサ末端、主-C電源コンデンサ末端)1点でまとめてシャーシアースに接続
←共通インピーダンス2(左右別+Bコンデンサ末端)それぞれ共通インピーダンス1に接続
←共通インピーダンス3(左右別-Cコンデンサ末端)それぞれ共通インピーダンス1に接続
←共通インピーダンス4(出力管・トランスを先頭に信号系アース)順番に気を付けながらアース棒でまとめて共通インピーダンス1に接続
といった形にまとめてしまおうかと思っています。
LTSpiceでも簡易的な実験をしたのですが、出力管と初段、出力トランスのアースにリプルの電位差があるとまさに今観測されている現象に類似したハムが観測できたので、現在ハムの原因として最有力なのは「信号アース」と「出力管・出力トランス」の電位差です。
もしくは、主+Bのアースポイントが整流不足でリプル電流が重畳してしまっていて、それがハムの原因になっている可能性もあるようです。
シャーシに落とされている箇所が多いのですが、初段,出力管,出力トランスのGNDは
シャーシで繋がっている構成でしょうか?そうであるなら、シャーシに落とす箇所は1箇所で、
後は全て線で繋がっている構成にすると良いです(シャーシに電流を流さない)。
詳細は 私のアンプ設計&製作マニュアルの以下の章を参考にされるのが良いです。
アース回路その1
アース回路その2
アース回路その3
アース回路その4
http://www.op316.com/tubes/tips/tips0.htm