USB DAC+Bluetoothレシーバー Version4.0 におけるDCDCコンバータのノイズについて
先日「USB DAC+Bluetoothレシーバー Version4.0」が完成しました。
変更点は電源トランスを「J-121」および「Z-5VA」を使用したこと、定電流回路を2SC1815GRを使用したものに変更したこと、Bluetooth基盤が入手不能だったため自作した基板を使用していること、作例ではBluetoothのみであるがUSB DACも使えるようにしスイッチで切り替えられるようにしたこと、そして最後にDCDCコンバータを「MCWI03-12S12」ではなく「MCWI03-12S15」を使用していることです。
さて、タイトルのとおりDCDCコンバータなのですが、フェライトコアに2周巻くとノイズは格段に減りますがまだまだノイズが大きいです。そこで本当にDCDCがノイズ原因かどうか調べるために次のような実験を行いました。
1.DCDCに繋がる線を外す
当然bluetoothはつながらなくなりますがUSB DACとして使用する場合ノイズがなくなりました。
2.DCDCの入力に別途15vのACアダプタを使い、ヒーター電源を流用せず独立させる。
ノイズが発生し、大きさも全然変わりません。ACアダプタとDCDCの間のケーブルにフェライトコアを使うと大幅にノイズが減少するのも同様です。
3.ACアダプタを利用するのであればわざわざDCDCコンバータを利用する必要もないので省略し直接Bluetooth基盤にACアダプタを接続する
ノイズが消えました
以上のことから次のように考えました。
a.フェライトコアを2周させてもノイズが充分に減少しないのは「MCWI03-12S12」ではなく「MCWI03-12S15」を利用しているからなのではないか
b.フェライトコアを複数使用すればノイズが減少するのかどうか←これは後日試す予定です。
c.実験2でもノイズが発生するのはなぜだろうか
ノイズを減らしたいです。手伝ってもらえませんか?
ハルルラさんこんばんは
>左右の信号線を離して、それぞれグランド線と撚って見る」とありますがGND端子から2本線をだしてそれぞれ撚るということで
>しょうか?グランドループができないか心配です。
ペルケさんの作例ではLCフィルターからBt基板へはシールド線を使って、基板間のグランドもそのシールド線でつないでいるように
見えます。ハルルラさんの場合は、USB DACもあるので確かに迷います。
グランドループが心配の場合は、LCフィルタの空き端子からGND線を二本出して、それぞれ信号線と撚り、GND線の最後の先端はオープンにしておいてください。
> 思い返せば自作基盤を試作した際はACアダプタを電源につかっていました。ちゃんとDCDCを使用するべきだったと反省しております。
自分自身で設計した所があると、どうしても後で見直す所が出るのは仕方ないと思います。
私もその状況に何度か陥り、反省ばかりです。
ペルケさん自身は試作を何度も繰り返し、誰が作っても再現性のある作品を公開しておられる。
本当に頭が下がります。
ハルルラさん、こんばんは。
回路図を拝見して気になったポイントです。
① 470μH+4.7uF/10uFはDCDCコンバーター基盤の方に移した方が好ましいでしょう。これは、なるべくノイズの大きいラインを引き回さない方が良いからです。
② おそらく3端子レギュレーターの入力側にGNDピンとの間で最短に0.1μFから1μFのセラミックコンデンサを付けた方が良いでしょう。これについてはできれば使っている3端子レギュレーターのデータシートを確認していただいた方が良いかと思います。 3端子レギュレーターは負帰還アンプで高い周波数を除去する能力が低いことが多いためです。
③ OPアンプのV+とV-の間に0.1μF程度のセラミックコンデンサを付けた方が良いでしょう。
④ 効果があるかは分かりませんが、bias(4.3KΩの中点)は100μFの電解コンデンサでバイパスされていますが、容量を増やすとともに、ここにも0.1μF程度のセラミックコンデンサを並列に入れた方が良いかと思います。
cf. ネットで手に入れたレシーバー基板を実用レベルに改造する■■■ Bluetoothレシーバー Version1.0 <電源ノイズの低減>「OPアンプは基本特性として電源のノイズには強いのですが、プラス電源方式では電源電圧の1/2のバイアスを与える回路が電源のノイズの経路になってしまうので要注意です。」
⑤ ぺるけさんが書き起こしている回路図にあるOPアンプの+入力と-入力の間の1000pFもOPアンプの入力容量を増やすという意味でフィルターの一部と思われますが、貴殿の回路ではこれが省略されているようです。
ご参考まで。
うちださん、VTさん
回答ありがとうございます。
左右の信号線に関してはよくわからないから適当でいいかと適当に処理している部分です。
「左右の信号線を離して、それぞれグランド線と撚って見る」とありますがGND端子から2本線をだしてそれぞれ撚るということでしょうか?グランドループができないか心配です。
またご指摘の通り切り替えスイッチ部分の電源線と信号線が近いのはあまり望ましくないですよね。9pスイッチを利用しているのでどうしても近くになってしまいます。できる限り電源線を離してみようと思います。
Version3.0のページを確認しました。「LCフィルタ(470μH+4.7μF)」のところですね。
一応LCフィルタを入れているつもりですが、コンデンサの容量10μFとVersion3.0のとは異なりますね。また、ご指摘いただいた470μFの電解コンデンサもなんとなくで入れているものなので不要かもしれません。シャシ内画像の細かな部分まで確認していただきありがとうございます。
自作基盤の回路図をアップします。もっと早くしておくべきでした。
理想を言えばノイズ0にしたい、でも基盤やケーブルをいじるためにパーツをいったん外す必要がある、もし悪化したらどうしようと迷っているところです。
思い返せば自作基盤を試作した際はACアダプタを電源につかっていました。ちゃんとDCDCを使用するべきだったと反省しております。
ハルルラさん
気にならないレベルになったということですので余計なことかとは思いますが、
①USB DAC+Bluetoothレシーバー Version3.0の方にMCW03-12D15ですが昇圧された出力に残存するスイッチング・ノイズを減少させるためのフィルター回路例があります。
②自作した基板のバイパスコンデンサは通常の電解コンデンサのようですが、MCW03のノイズに対しては効果が高いとは言えないかと思います。セラミックコンデンサなどをパラレル接続することで電源及びbiasに残るノイズを減らすことができる可能性があるかと思います。
原因を確認しているわけではないので、全くの無駄の可能性はありますが。
ハルルラさん
ノイズが気にならないレベルになって、本当に良かったですね!
完成された後ですが、気になった所をお伝えしたいと思って書き込みます。
自作基板(OPアンプ)以降へのノイズ混入の可能性が疑われることから、配線についてです。
1.切り替えスイッチからLPFへ行く左右の信号線が並行して、グランド線と、少ししか撚っていない
2.同様にRCA出力端子への線が左右の信号線とグランドを一緒に撚っている
3.切り替えスイッチの第3極(写真の一番右)の電源の線が信号線と近い
いずれもノイズ低減への可能性は低い(内部のインピーダンスが低く設計されているから)ですが、左右の信号線を離して、それぞれ
グランド線と撚って見る、電源線を信号線から離すと変化がある可能性はあると思います。またノイズ対策というより左右チャンネル
のクロストーク対策という点もあります。
あくまで私が気になった点です。
VTさん、うちださん
回答ありがとうございます。
最初にDCDCの出力側に取り付けたOSコンは念のため新しいものに交換しました。次にヒーター電源からの流用に戻し、DCDCの入力側だけでなく出力側にもフェライトコアを挿入しそれぞれ2巻きしました。これによってノイズは激減しました。普通に聴いている分には全く気になりません。
またUSBとbluetoothの信号切り替えの際にDCDCへの入力を連動させるようにしたのでUSB接続の時にノイズはなくなりました。
せっかくなので提案していただいた実験をしました。関係あるかわかりませんが、このDACはUSB-A⇔USB-B変換コネクタの部分でシャーシアースをとっています。
まずはそのままの状態で
(a)bluetooth機器への接続なし→ノイズがする
(b)bluetooth機器への接続あり→ノイズが小さくなるがブツブツといった感じの音がし続ける。しばらくすると収まるがノイズは接続なしと同様の大きさに戻る
③bluetooth基盤と自作した基板の間の接続を全て外す
→ノイズが大きくなる
④bluetooth基盤と自作した基板の間の電源線のみ外す
→③と同様のノイズの大きさになる
⑤ bluetooth基盤と自作した基板の間の信号線を外す
→ノイズに変化なし
⑥右だけ外した→特に左右で変化なし
→右チャンネルだけ外したがノイズに変化なし
⑦自作した基板のOPアンプを外す
→bluetoothに接続しないとブツブツといった音がでるがしばらくするとノイズに変化する
→bluetoothに接続するとピープ音のようなものがするがしばらくするとノイズに変化する
またノイズに左右の差はありません。
皆さんの手助けのおかげで満足いく結果になりました。本当にありがとうございました。
ノイズが0とはなりませんでしたが、自作基盤の部分に問題があるのだろうとは思います。これ以上お手を煩わせて申し訳ないのでこれにて完成としようと思います。
ハルルラさん
VTさんが触れられている:
⑥ bluetooth基盤と自作した基板の間の信号線を片チャンネルだけ外す
というテストで気が付いたのですが、ノイズの出方は左右チャンネルでの違いはありますか?
シャーシアースは何処でとっていますか?
シャーシ内のBt基盤、OPアンプとDC/DC電源との位置関係・配線の様子を見ていて気になりました。
ハルルラさん、こんばんは。
DCDCの電源をACアダプターから供給してもノイズが出ていることと、②の12AX7の入力側のグリッドを直接GNDに接続した場合ノイズが消えるということから、ACアダプターを使っても出ているノイズはActive LPFの入力側に加えられているものと思われます。
このためにDCDCの入力側のフェライトコアの巻き数を増やしても効果が無いし、DCDCの出力側にフェライトコアを使うことによって劇的にノイズが減るということになっているものと思われます。
さらに、DCDCを外してACアダプターから給電するとノイズが消えるということからも、DCDCの出力側のノイズが影響を及ぼしていると思われます。
そうなる可能性の一つとして、DCDCそのものの異常もありますが、DCDCの出力側にあるOSコンがちゃんと繋がっていないというのもあり得るかと思います。
もう一つ気になるのが、「自作した基板」の部分で、幸いにもbluetooth基盤と自作した基板の間はコネクターで接続されているので、③ bluetooth基盤と自作した基板の間の接続を全て外す、④ bluetooth基盤と自作した基板の間の電源線のみ外す、⑤ bluetooth基盤と自作した基板の間の信号線を外す、⑥ bluetooth基盤と自作した基板の間の信号線を片チャンネルだけ外す(接続されている方と外した方で違いがあるかを含め)、⑦ 自作した基板のOPアンプを外すというテストをすることでヒントが得られるかもしれません。
うちださん、VTさん、Y@札幌さん
回答ありがとうございます。
巻き数ですが増やしてみましたが変化は無かったです。
また
①bluetoothの方がUSBよりもノイズが大きいです。
②グリッドに接続したところノイズはピタッと消えました。
他にも色々と試しましたが、DCDCコンバータの出力側にもフェライトコアを使うことによって劇的にノイズが減りました。あくまでもACアダプタを使用した場合なのでヒーター電源から流用した場合どうなるか試してみます。
最後にシャシ内の画像になります。
ハルルラさん、こんにちは。
記事にもあるように試作段階でも同様のノイズを確認しており色々テストした結果、その対策として最終的にフェライトコアを採用しました。
Btレシーバー電源をヒーター電源と共用しなければノイズが出ないことも確認しています。
この場合ヒーター電源側と絶縁する必要はないのでDC/DCコンバーターは不要で、Btレシーバーに直接ACアダプターを接続すればよいです。
ヒーター電源と共用するためにDC/DCコンバーターを入れるのであれば、フェライトコアへのターン数を増やしてみてはいかがでしょうか。
試作時もフェライトコアを通すだけ、1ターン、2ターンとテストしてみてノイズが減り、2ターンで聴感上も特性上も問題ないことをぺるけさんにも確認いただきこの記事内容となっています。
ご使用のBtレシーバー部が違うためノイズの出方が異なると思いますのでこればかりはテストしてみなくてはわかりません。
ぺるけさんの所へお届けした試作機はBtレシーバーのみ搭載ですが、自分用のものは同じケースにBtレシーバーとUSB-DACを搭載しスイッチで切り替えられるようにしています。特性としては記事にあるものと同じになりました。
ご存じかと思いますが、使用時には再生デバイス側のボリュームを最大付近にしておき音量はアンプ側で調節した方がS/N的には有利です。
ハルルラさん、こんばんは。
2.DCDCの入力に別途15vのACアダプタを使い、ヒーター電源を流用せず独立させる。
ですが、
① USB DACとBluetoothで違いはありますでしょうか。
② 12AX7の入力側のグリッドを直接GNDに接続した場合、ノイズはどうなりますでしょうか。
可能であれば、シャシ内の写真も載せていただけるとそちらからのアドバイスも出てくるかと思います。
ハルルラさん
トランスを工夫したり、定電流回路にトランジスタを使うなど、頑張っていますね。
次の村田のサイトが参考になりませんか?
https://article.murata.com/ja-jp/article/basics-of-noise-countermeasures-lesson-8
もう試しているかもしれませんが、可聴帯域のノイズであれば、巻き数を少し増やして試してみるのはいかがでしょう。
(30Mhz以上では、巻き数を増やすと浮遊容量の影響が大きく効果は減少しています)
追記です。
DCDCコンバータの出力側にフェライトコアを挟んでみたところノイズが軽減しました