2SK2145について
デュアルFET 2SK2145について、バラツキが大きくて使えないという意味の記事をネット上でいくつか見ましたので、説明いたします。
この種のFETは特性を測定してペアを組むのではなく、Siウエハー上で隣り合った2チップを封入します。隣り合った2チップの特性は良く揃っていて、通常は数%以内ですが、ウエハーの端のチップはズレが大きくなります。
いずれにしても、初段の差動アンプに使うにはバランス調整が必要です。2SK2145はソースが共通ですから、ドレイン側にバランス用の半固定抵抗を入れます。目安としてはドレイン負荷抵抗の10%程度の半固定を使います。中点を電源側、両側の2端子がドレイン負荷抵抗側です。
ドレイン負荷抵抗が1kΩの場合、半固定は100Ω程度が適当です。ソース側ではないので電流帰還によるゲインの低下はありません。また、ドレイン負荷抵抗を半固定の分だけ小さくする必要もありません。
gmは15mSで、2SK170の22mSの約70%ですが、ゲインにして約-3dBですから気にするほどのことはありません。
私のmini watter 19V, tourer は2SK2145を上記の様に使っています。優秀なデュアルFETですから、もはや入手困難な部品を探しあぐねるよりも、有るものを使いこなす方が得策だと思います。
ご参考まで
ken様 ニチコンFG様
ご教導ありがとうございます。
お二人の回路どちらでもうまくいくこと、自分なりに理解できました。
はんだ付け作業も、ken様の仰る要件の鏝と半田を所有しており、また、ニチコンFG様ご紹介の「new_western_elec」様サイトに「SSOPのハンダ付け方法」が紹介されていましたので、 思い切ってチャレンジすることにしました。
ken様の「はんだ付けの後にマクロモードで写真を撮って確認」は素晴らしい方法ですね。
PC画面で大きくかつゆっくりと、何度もチェック。 流石。
心から感謝申し上げます。
(初めは躊躇していましたが、思い切ってこの掲示板で相談させていただきました。)
かわだいら様、ニチコンFG様の回路の、どちらでもうまくいくと思います。
ピッチが狭い半導体のはんだ付けは大変ですが、私は細いコテと0.8mmの半田を使い、はんだ付けの後にマクロモードで写真を撮って確認しています。
かわだいら様
外した2SK170の穴にDIP変換基板がそのまま装着できなかったので元基板を改造するよりはとサブ基板化した記憶があります。
これから組立てるのであればDIP変換基板を差せるようジャンパー等を変更した方が綺麗に仕上がると思います。
こちらのDCバランス調整回路はnew_western_elec様のディスクリート パワーアンプ基板 VFA-01の回路図を参考にしております。
なので半固定抵抗の定数も一緒です。特に多回転のボリュームでなくとも0V前後にDCバランス調整することは難しくありません。
https://nw-electric.way-nifty.com/blog/vfa01.html
楽しみながらぜひ組み立ててみてください。
ニチコンFG様
製作事例によるご教示ありがとうございました。
”こんなDC調整方法もあるのか…”と驚き、また、サブ基板を使った構成は大いに参考になりました。
このサブ基板では、DIP変換基板への2SK2145はんだ付け搭載がとてもきれいでした。経年劣化の進んでいる小生は、これを如何にしてクリアできるかが次なる課題となっております。
焦らずに進んで行くのが良さそうと思っているところです。
こんにちは。ミニワッターPart5 19V版ですが共通ソースの半固定抵抗に信号を流すのはどうなんだろう?と思い立ち2SK2145にしたときにドレイン負荷抵抗の方にDC調整用抵抗を移動したことがあります。画像を残した記憶があったのでPC内を探したら出てきました。タイムスタンプを見たら2020年の10月に工作しておりました。
半固定抵抗(50KΩ)に信号を流さないようにしたのでサブ基板にしてドレイン負荷抵抗とFETの間に調整抵抗を入れております。
回路図を上げておきますので参考にしてください。DCバランスは問題なく調整できます。
音が変わったかどうかはわかりません。
貴掲示を拝読して、トランジスタ式ミニワッターpart5 15V版にチャレンジしてみようと意欲がわいてきました。
(道のりはかなり長くなりそうです)
先ずは、ご紹介いただいた要件を基に回路の構成を図にしてみましたが、回路の本質が良く分かっていないため不安だらけです。
出来ればご指導いただきたく宜しくお願い致します。