整流管5AR4からSiC SBDへの変更について
以下の回路図および実体図を基に、アンプを自作しました。(以前こちらの掲示板に投稿されていた権田さんのアンプと同じものです。)
回路図: https://www.seibundo-shinkosha.net/download/pdf/11374_3.pdf
実体図: https://www.seibundo-shinkosha.net/download/pdf/11374_01.pdf
自作アンプの音質や動作を改善するため、現在パーツを変更しながら楽しんでいます。その中で、整流管5AR4をSiC SBDに変更することに興味を持ちました。しかし、調査を進めると、傍熱整流管をダイオードに変更した場合、電源を入れた直後から整流が始まり、パーツに負荷がかかる可能性があることがわかりました。
この負荷を軽減するため、遅延回路を組み込む必要があると考えていますが、どの方法が最適か悩んでいます。たとえば、ぺるけさんのアンプ作成例のようにMOS-FETを使用する方法があると存じますが、具体的な実装に関してまだ模索中です。また、比較的簡単な対策として、NTCサーミスタをACインレットと電源トランスの一次側に組み込む方法も考えられますが、電圧上昇後もNTCサーミスタが回路上に残る点が好ましくないとの情報もあり、適した解決策を検討しています。
お手数をおかけしますが、解決の糸口をご教示いただければ幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
VTさん、こんにちは。
ご教示いただきありがとうございます。単純に2倍ではない箇所があるとのこと、大変勉強になりました。
改修前に現回路図の各部電圧を測定し、ご教示いただいた算出方法を参考にしながら、新たな抵抗が適切か確認した上で作業を進めたいと思います。
進捗がありましたら、またご報告させていただきます。
お忙しい中、丁寧にご教示いただき心より感謝申し上げます。
UTA様お早うございます。
6SL7の動作を変えない場合、抵抗値を単純に2倍にすればよい場所と、調整が必要な場所があります。
まず、56KΩですが、丁度2倍となる112KΩは入手しにくいと思いますので、110KΩ・56KΩx2・100KΩ+12KΩ・110KΩ+2KΩ・180KΩ//300KΩ(112.5kΩ)のいずれかにすることになると思います。
3KΩの抵抗ですが、6SJ7のカソード抵抗およびカソード電圧から推定されるカソード電流2.5mAとブリーダー抵抗(56KΩ)との電流2mAの計7mA程度が流れており、21V程度の電圧降下があると思われます。(これはお手持ちのアンプで実測なさると良いかと思います。)
チャンネルセパレートのためにMC-817の後にフィルターを入れると、そのフィルターでxVの電圧降下がありますので、21VからxVを引いた値が落とすべき電圧となりますので、こちらは見合った抵抗を算出する必要があります。
ご参考まで。
VTさん
電圧降下による出力低下やチャンネルセパレートの回路図をご教示いただきありがとうございます。VTさんの回路図を見て、チャンネルセパレートとリップルフィルタが兼ねていることが分かり、とても合理的で勉強になりました。
VTさんの回路図に基づき、パーツの数値を当てはめてみました。FETリップルフィルタを使用すれば、チャンネルセパレート用の200Ωの抵抗後(A点)の電圧を、現行回路の100μF/500V地点の電圧と同じに調整できると思います。その場合、黄色で囲っていただいた赤文字の抵抗については、現回路と電圧は同じで左右共通電源からチャンネルセパレートにすることで電流が半減し、抵抗値が2倍になると認識しておりますが、以下で問題ないでしょうか。
• 3kΩ → 6kΩ
• 100kΩ → 200kΩ
• 56kΩ → 112Ω
FETリップルフィルタの回路設計については、ぺるけさんの「真空管アンプの素」に記載がありましたので、作成できそうです。
西村さん
負荷線や真空管データベースについてご教示いただきありがとうございます。とても参考になります。
現回路図を解析しつつ、フランクさんのデータも活用しながら、少しずつ理解を深めていきたいと思います。
UTAさん、改造について悩んでおられますが、はやる気持ちを抑えて、もっとじっくり腰を落ち着かせてはいかがですか。
ここは現回路図をまず理解し、今までのモノを考慮した新規回路をノートに書きます。電圧は今の回路に記入されていないところも計算し書きます。
というのはを改造するとなると全く簡単ではなく、新規に製作したほうがずっときれいに仕上がります。
まず起こした回路図をこの板で確かめて次に進みます。単に答えを聞くのではなく、それがぺるけ様から続くこの板の趣旨のはずです。
なお、現回路図の300Bの負荷線は添付画像になります(358Vは簡単ですが、供給していない617Vは悩むでしょう)。同様に前段も計算します。
下記ウェブはフランクさんのもので膨大な数の管データがPDF化されています。ここからグラフをプリントスクリーン化し印刷するといいでしょう。(300BはWE、6SJ7GTはRCA、5AR4はGE)
https://frank.pocnet.net/
菊池様、VT様、ご回答ありがとうございます。残念なことに新規にアンプ作成の予定もありませんし、歳も歳なので半導体を使用した回路はまったくわかりませんが、もう勉強する気力もありません。申し訳ありません。
UTA様こんばんは。
どこまで許容範囲かは、基本的にはどの程度の出力低下を認めるかということになるかと思います。
一例として、各チャンネルに流れる電流(300B+6SJ7+ブリーダー電流)で80mAとし、チャンネルセパレーションのための抵抗を200Ωとすると図のようなロードラインになり、300Bのプレート電流が74mAから(赤)から71mA程度(青)に下がると予測されます。
これに伴い出力はプレート電流の平方に比例する(10.ロードラインその3 (電力増幅回路・・シングル基礎編) http://www.op316.com/tubes/tips/b100.htm)ことから92%程度に低下すると予測しました。
そのために各チャンネル毎に必要となるパーツは、先の投稿の回路図に黄色枠を付けました。
流れる電流が変わることで抵抗値の変更も必要ですのでご注意ください。
ちなみにFETリップルフィルターにすれば電圧降下をもっと少なくできるので出力の低下は減らすことができますが回路規模は大きくなるのでどうやって組み込むかという検討が必要になるのではないでしょうか。
ご参考まで。
みなさま
たくさんのアドバイスをいただき、感謝申し上げます。
教えていただいた様々な方法を参考にしつつ、自分の技量に合った範囲で、できることから改善していきたいと思います。
西村さん
2次側の4Ωスピーカー端子における残留リプルについては、ぺるけさんの記事を参考にして算出しました(http://www.op316.com/tubes/tips/b380.htm)。
フィラメントの残留リプルについては考慮していなかったので、こちらも改めて見直したいと思います。
sukebayさん
本アンプはMJの製作記事を基に作成しました。有難いことにみなさまから様々なアドバイスをいただき恐縮です。
アースポイントについては、問題が解消されているとのこと、安心しました。
三端子レギュレーターを用いたリプル除去方法があるのですね。MOS-FETを使ったリプルフィルタの方法についても、おんにょさんのサイトに記載がありましたので、併せて学んでみようと思います。
VTさん
フィルター段数を増やす方法について、例えば200μFではなく、100μFを2つに分けて、それらのコンデンサのプラス端子間に抵抗を入れる場合、B電源の電圧降下が発生すると思います。私の回路ではどの程度の電圧降下が許容範囲か、ご教示いただけますと幸いです。また、チャンネルセパレーション向上のための改造については、各段のデカップリング追加を指しているのでしょうか。
ヒーターハムに関しては、コンデンサの容量を増やし、VTさんがご提案くださった半固定抵抗のパラ接続を検討してみます。
また、「リプルフィルタと兼用ではなく、MOS-FETを飽和領域で使うために発熱が少ない0Vラインにスイッチとして入れる方法」については、その作成方法を調べる必要があること、また、リプルフィルタとして使用する場合には熱設計の考慮が必要であることなど、どちらの方法を採用するにしても勉強が必要だと理解しました。
菊池さん
遅延効果については、問題ない事、承知いたしました。おんにょさんの回路図も今後参考にさせていただきます。
西村様
前半のB電圧供給に遅延機能についてですが、MOS-FETのリプルフィルターの出力はゲートに接続されたCRフィルタの電圧に従っているのはご存じかと思います。
Cに並列に接続されている1MΩは充電を遅らせるのでとりあえず無視すると、39KΩと47μFからなるCRフィルタはCR遅延回路でもあり、1.833secの時定数をもっていることから約1.8秒後に約63%、約3.7秒後に約86%、約5.5秒後に約95%まで充電されることになります。これが遅延機能として働くことになります。
時定数を大きくして遅延を長くすることは可能ですが、ドレイン損失が大きくなって破壊しないように熱設計にも配慮が必要となります。
(このためUTA様にはリプルフィルタと兼用ではなく、MOS-FETを飽和領域で使うために発熱が少ない0Vラインへスイッチとして入れる方法をお勧めしました。)
逆にこの遅延があるために短時間の電灯線電圧の変動には追従できないことをも考慮してドロップ電圧を決めたことをぺるけさんが「ミニワッター直結シングル・アンプ」http://www.op316.com/tubes/mw/mw1.htmの<電源基本回路>で記述されています。
ちなみに推測ですが、おんにょ様は真空管を全て抜いた状態で電源をOnにしても問題ないようにコンデンサの耐圧を選定しておられる(リプルフィルターの前は400Vではなく450V耐圧のコンデンサを選んでいる)ように見受けられます。
ご参考まで
3秒程度なら、ご紹介の「おんにょさん」の電源回路でも遅延効果がありそうです。
シミュレーション値のグラフですが、2秒で半分くらいの立ち上がりなので、
FETゲートのケミコン(C12)を100μにすれば、さらに遅延効果が得られると思います。
https://onnyo01.hatenablog.com/entry//202009/article_7.html
> 5AR4は60μFまで許容されていますが、今後他の整流管も試してみたいとお考えなら耐えられるか確認
VT様のご説明に補足です。
GTソケットに直熱管の 5U4G が挿入できますが、これはチョークインプット(チョークコイル前にコンデンサーを入れない)か7μFまでとなっていますので、今の回路のままでは挿さないでください。またチョークインプット用のチョークコイルは種類はごくわずかです。普通のチョークにコンデンサーレスでは「うなり」が生じるそうです。要は傍熱管しか使えません。
(私のは定格が 5U4G 相当の UX管用 5Z3 を使用していて 10μFをぶら下げていますが、目をつぶっています)
sukebay様にお尋ねいたします。
> https://onnyo01.hatenablog.com/entry//202009/article_11.html
私は半導体は全く知らないのですが、この回路のB電圧供給に遅延機能があるのでしょうか?
問題は半導体整流のやりかたではなく、遅延回路が必要ではないか(300B立ち上がりまでの3秒程度)ということなんです。ないと3秒程度は回路に電流がほとんど流れずコンデンサーに負荷がかかりすぎるのでは?ということです。
> 私、直熱管は使ったことはありませんが、フィラメント電源のリップルなら3端子REG(ロー・ドロップ型)に任せます。
> PTの6.3V端子をブリッジ整流すれば、8~10Vは出力されるかと。
> 秋月電子\50の低損失三端子レギュレーター 5V5A
> https://akizukidenshi.com/catalog/g/g117599/
私は自分の自作300Bアンプで3端子レギュレータ(5V 1.5A)を使用したことがあります。しかし300Bを外した状態では5Vが出ていたのですが、挿入すると0Vになってしまいました。
PT は 5V からですので 5V → 5V が無理だったのか、1.5A が小さすぎたのか、フィラメントは5V 1.2A ありますのでその際の突入電流でシャットダウンしたのか不明で、そのまま簡易整流後にハムバランサーにしました。
6.3Vからなら、そして 5Aモノ なら大丈夫なものでしょうか?
UTAさん、お早うございます。
B電源の残留リップルに対してはコンデンサの容量を上げる方法と、フィルターの段数を増やす方法があります。
もし、チャンネルセパレーションの向上を図る改造をするつもりなら、そちらと合わせてフィルターの段数を増やした方が合理的かと思います。
コンデンサの容量を上げる場合、整流管直後のコンデンサの容量を増やすと導通角が狭くなり整流管への負荷が高くなります。
5AR4は60μFまで許容されていますが、今後他の整流管も試してみたいとお考えなら耐えられるか確認をした方が良いかと思います。
また、電圧も多少なりと上がる可能性があるので確認して、
ヒーターハムについては、西村様のご提案のようにコンデンサの容量を増やす方法と、ハムバランサーを調整可能にする方法があるかと思います。
で、後者をするなら現在付いている47Ωはそのまま残し、多回転の1KΩの半固定抵抗をパラ接続するという方法を取れば改造の難易度はそれほど高くはないかと思います。
ご参考まで。
UTAさん、こんばんは
電源回路の両波整流管からSiC_SBDによる整流回路への変更質問から始まり、
誠文堂新光社のリンク先(MJの製作記事ですかね)のアンプ記事のダメ出しになって盛り上がってますね。
(私は子供の頃、誠文堂新光社の、子供の科学、初歩のラジオで育ちました)
さて、ハム退治、+B電源部なら、ぺるけさんが仰られる、電源Fコンデンサーの(-)は充分リップルを低減したところからアースポイントに持っていくのを守れば大丈夫でしょう。
私はチマチマ考えるのは面倒なので、できれば安価で簡単なICやら半導体にお任せましす。
私、直熱管は使ったことはありませんが、フィラメント電源のリップルなら3端子REG(ロー・ドロップ型)に任せます。
PTの6.3V端子をブリッジ整流すれば、8~10Vは出力されるかと。
秋月電子\50の低損失三端子レギュレーター 5V5A
https://akizukidenshi.com/catalog/g/g117599/
データシートの5/22頁
https://akizukidenshi.com/goodsaffix/az1084c.pdf
によると、Output_Cに25μFタンタルをいれると60~72dBのリップル低減が保証されてます。
(ケミコンなら47μF以上突っ込めば大丈夫かと)
他にも、+B電源回路にチョークコイル+MOS_FETによるリップルフィルターで300Bを使ってられる「おんにょ」さんの回路など参考にされるとよろしいかと思いますが、いかがでしょう。
https://onnyo01.hatenablog.com/entry//202009/article_11.html
> 計算したところ、B電源の残留リプルは36.5mV
ぺるけ様の簡易計算法を見つけましたのでやってみました。
PMC-817H は10H と優秀ですね。33μF はぺるけ様の簡易グラフにないため 22μF と 47μF の中間ぐらいで、整流直後は計算が面倒なので450V、全電流は153mV(ブリーダー抵抗は無視)で簡易に求めると VT様のおっしゃられたように約 28.8mV と簡易計算されました。
私のアンプは添付画像の電源です。LC-5-250D はタンゴで 5H です。 整流直後が 471V 全電流が 172mV です。これで簡易計算しますと 整流管直後は 8V 程度(グラフにないので簡易)もあり、100μF(50*2) 後も 45mV もあり、誠文堂の回路よりずっと悪いです。が、93dB スピーカー(SP)で無音です。今も無音であることを確かめました。
> 2次側の4Ωスピーカー端子における残留リプルは1.01mV
これはどうやって求めたのかわかりませんし、どんなSPかも不明ですが、現代のなら能率はあっても90dB程度でしょう。なら1mVなら無音(B電源由来)になるだろうと考えます。
すべてが正しいのなら(半田付け、抜けなどがない)フィラメント由来かもしれません。
参考ですが私の手元の本(初めての真空管アンプ、著作権から載せられない)で300Bアンプの筆者の事例があり、フィラメントの全容量は22000μF など4-5倍もあります。電源オン直後の突入電流がどの程度、悪さをするか不明ですが、私ならハムバランサー改造は大変なので、こちらをやってみるでしょう。
西村さん
ご教示いただきありがとうございます。
あいにくオシロスコープを所有しておりません。100Hzのハムについては、リアルタイムアナライザーを使ってスピーカーから出る音をスピーカーユニットの目の前で測定しました。スマホのマイクで測定しているため、部屋の雑音も拾ってしまいますが、アンプの電源OFF時とON時で100Hzに差があることから、100Hzにハムが出ていると推測しました。
参考までに測定結果を添付いたします。
VTさん
ご教示いただいた方法でアースの取り回しを修正いたしました。正確な測定ではありませんが、修正後に測定した結果、残念ながら100Hzハムに明確な変化は見られませんでした。以下に修正点を記載します。
① 5AR4直後の500V 33μFのマイナス端子がアンプ部のアースポイントに接続していたのを外し、500V 33μFのマイナス端子と500V 100μFのマイナス端子を接続
② 初段回りの500V 33μFと160V 47μFのマイナス端子を500V 100μFのマイナス端子ではなく、アンプ部のアースポイントに接続
③ 入力端子のアースは左右で分けていたものを共通に変更
アースの取り回しで変化がないとなると、ご指摘いただいたように、ハムの原因は電源のリプル除去が不十分であることと、フィラメントハムをハムバランサーで除去していないことがハムの原因でしょうか。
計算したところ、B電源の残留リプルは36.5mV、2次側の4Ωスピーカー端子における残留リプルは1.01mV(8Ω端子では1.42mV)でした。
試しに500V 100μFを200μFに変更したところ、ハムが減少しました。
※添付の測定結果では100Hzのハムが-70から-80に減少しています。リアルタイムアナライザーを用いてスピーカーから出る音をスピーカーユニットの目の前で測定しました。
※計算では、2次側の4Ωスピーカー端子における残留リプルは0.50mVです。
今後の対応策として、500V 100μFを200μFに変更し、5AR4直後の500V 33μFを47μFに変更することで、計算上では2次側の4Ωスピーカー端子における残留リプルは0.33mVまで減少し、ぺるけさんの目安である0.3mVに近づくため、これが妥協点かと思いますが、いかがでしょうか。
ハム音が聞こえるのは音質云々以前の問題です。いろいろな改造、デカップリング、掲題のSBD改造などはいったん置いといてまずハム退治をしましょう。
B電源由来なのかフィラメントにあるのかを切り分けます。「100Hzのハム」とありました。フィラメントもB電源も50Hzを倍電圧整流しているので100Hzです。周波数を観測しているのでオシロをお持ちなのでしょう。なのでどちらも波形観測してみてください。(B電源は400V以上あるのでフローティング観測してください。https://download.tek.com/document/46Z-24916-0.pdf
10ページの方法を使います。正確さを求めているのではなく元凶はどこかを見つけるだけです。くれぐれも感電には十分に注意)
(ちなみに、私の自作300BアンプはJBL4312B(能率93dB)のウーハーに耳をつけても無音です。残留雑音は1mV未満)
10/15 10:39 編集 参照ウェブを変更
みなさま、ご返信いただきありがとうございます。
うんざりはちべえさん
みなさまからご教示いただいているアースの変更についてから、まずは改善を図ってみたいと思います。
VTさん
残留リプルの計算方法や、アースの取り回しとその理由について、分かりやすく教えていただきありがとうございます。これから実践させていただきます。
また、ぺるけさんのサイトに残留リプルの計算やリプル除去の設計方法に関する記事がありましたので、それも参考にしながら設計してみたいと思います。
たやさん
参考記事をありがとうございます。
『真空管アンプの素』は所有していますので、改めて読み返してみようと思います。私も、ぺるけさんの記事や本を読むたびに新たな発見があり、少しずつですが理解が深まってきています。
また、みなさまから教えていただいたおかげで、私の理解が浅く読んだだけでは分からなかった部分が解決できて、大変ありがたく思っています。
UTA様
アースの取り方について、ぺるけさんの私のアンプ設計&製作マニュアルのアース回路その4に図解でわかりやすい記述があります。
http://www.op316.com/tubes/tips/b431.htm
ぺるけさんの「真空管アンプの素」という本があります。この本の製作例にある真空管やシャーシなどすでに過去のものもありますが、アンプづくりに必要な知識がていねいに書かれています。この本は読むたびに新しい発見をできます。現在もアマゾンやe-honなどで入手できます。
UTA様、こんにちは。
大雑把な計算をしてみると元々このアンプのB電源の残留リプルは30mV弱程度ありそうなことに加え、フィラメントハムのキャンセルをコントロールできるようになっていないので、「ハムに関しては、スピーカーに耳を近づけると初めて気になる程度のレベルです。」は致し方ないところはあるようです。
ただ、この実態配線図の電源周りで好ましくないのは、5AR4直後の500V33μFのー側がアンプ部のアースポイントに接続されており、そこからチョーク後の500V100μFに線を引き、この500V100μFのー端子に初段回りの500V33μFと160V47μFのー端子も接続しているという、中途半端な1点アース方式になっていることです。
微小とはいえ配線も抵抗を持っていますので、5AR4直後の500V33μFに残っているリップル分に加え出力管に流れる電流による影響をわざわざ初段に流し込むようにしていることになります。
ということで、500V33μFのー側は500V100μFに直接接続し、できれば初段回りの500V33μFと160V47μFのー端子は500V100μFではなくアンプ部のアースポイントに接続するようにした方が良いでしょう。
チャンネルセパレーションも含んでいますが、できれば同封の図のようなイメージかと思います。
> "UTA"さんが書かれました:
> ご指摘いただいたハム対策を、これから試してみたいと思います。縦型ケミコンのGNDとトランスのGNDの最短接続や、他のケミコンのGNDを縦型ケミコンのGNDにまとめる点や、LとRを別々にMOSFETを導入することで発熱対策ができる点、勉強になりました。
> ハムの確認手順やMOS-FETを使った回路についても、今後ひとつずつ確認しながら進めていきたいと思います。
UTA様、おはようございます。
MOSFETの挿入は大変更になるので、アース周りの引き回しの変更ですませれば、一番です。
みなさま、ご返信いただきありがとうございます。
ご指摘を受けることで、ぺるけさんのサイトにある情報が、より自分自身の問題として深く理解でき、大変勉強になっております。改めて感謝申し上げます。
VTさん
実体図につきましては、参考として添付させていただいたもので、実線は回路図に基づいて行っております。そのため、西村さんにご指摘いただいた配線も施しており、回路図通りに問題なく動作していると思われます。説明が足りず申し訳ありませんでした。
ハムに関しては、スピーカーに耳を近づけると初めて気になる程度のレベルです。
電源のリターン回路に関して、記事を拝読いたしました。
図8と9を私のアンプと比較すると、ブロックコンデンサにアースをまとめている点が問題なのでしょうか?
シャーシアースは、6SJ7のソケットを留めているラグ板の根本でしています。記事では、電源トランスに近い位置でシャーシアースを落とすことが問題だとありましたので、それはクリアできているかと思ったのですが、何か別の問題が考えられるでしょうか?
ご教示いただけると幸いです。
西村さん
VTさんにも返信させていただいたとおり、回路図通りに実線できているため、設計者の想定通りには動作していると思われます。
お手間をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。
電源部の見直しを行う中で、ハムバランサーの導入も検討いたします。
うんざりはちべえさん
ご指摘いただいたハム対策を、これから試してみたいと思います。縦型ケミコンのGNDとトランスのGNDの最短接続や、他のケミコンのGNDを縦型ケミコンのGNDにまとめる点や、LとRを別々にMOSFETを導入することで発熱対策ができる点、勉強になりました。
ハムの確認手順やMOS-FETを使った回路についても、今後ひとつずつ確認しながら進めていきたいと思います。
脇から済みません。
>また、別の不満点として100Hzのハムがあり、こちらも今後対応していきたいと考えています。(300Bを挿すとハムが発生するのですが、フィラメント電源部のコンデンサ容量を増やしても改善しませんでした)
ハムの問題とすると、まず、縦型ケミコンのGNDとトランスのGNDは、直に最短でないといけませんし、DC回路のGNDは、縦型ケミコンのGNDから、引くのですが、実体配線図では、遠くのDCの1点アースに繋がっています。縦型ケミコンのGNDとトランスのGNDは、直に最短にして、また、一点アースには、縦型ケミコンのGNDからとるのが筋です。電源周りのリップル電流の流れる他のケミコンのGNDは、すべて、縦型ケミコンのGNDにつなぎます。すると、電源リップルは、縦型ケミコンのGNDからトランスに戻るので、他のアースには、電源リップルは流れません。つまり、電源原因のハムは直流アースと関係ないという事です。
また、ハムの問題手順は、
1)球を全部抜いて、電源トランスと出力とランスの干渉がないかの確認。
2)前段を抜いて、出力管だけ挿して、ハムがないかの確認。ハムがあるとき、ハムバランスの調整。
3)前段を挿して、ハムがないかの確認。
の手順を踏みます。対策は、
1)は、レイアウトの問題なので、トランスの回転など、配置の検討になります。
2)は、電源配線の問題と、ヒーターの問題ですが、直流点灯してますので、電源のアース配線の問題となります。
3)は、ヒーターの問題か、アースの引き回しです。
さて、ダイオード整流の問題ですが、http://www.op316.com/tubes/tips/b390.htm の「MOS-FETを使ったシンプルな回路」ようにすれば、MOSFETのゲートの抵抗とコンデンサーで、+B電源は、ゆっくりと立ち上がりますし、ハムもほとんどなくなりますし、ゲートの電圧を作る抵抗分圧で、+B電圧も指定できます、チョークも要らなくなります。ただ、電圧降下と電流で、MOSFETの発熱が大変なので、L,R別々にMOSFETを入れた方がいいでしょう。設計が面倒になりますが、現状で、ハムがなくなれば、いいのであれば、それが一番でしょう。
西村様、こんにちは。
貴殿の提案なさったハムバランサーの追加は、必ずしも中点がハム最小とは限らないという過去の経験から、意味はあるかと思います。
先の投稿の後半部分は必ずしも間違いというわけではないのですが、整流管直後のコンデンサに接続されている配線の行方とぺるけさんの「電源のリターン回路」の図8, 9を見比べて頂けると何が気になったかわかっていただけるかと思います。
ご参考まで。
VT様、さすがですね!
他人のモノはわかりにくく探すのが大変ですが、一か所は見つけました。
添付画像のL側です。「嘘」とある上側の緑線が間違いで赤線が正しいです(47Ωの片側が宙ぶらりんになっていますね)。
ほかにまだあるのかどうか「間違い探し」はとても苦手です。先に書きましたが権田様のときにもご指摘があったはずですのでもう一度、参照されるとよいかもしれません。
(本日のVT様の投稿前の私の投稿(VRのハムバランサー追加云々)は不要と思い削除しました。
16:07 編集 実体図の L R は逆ですね。添付画像の L R を修正しました。ずいぶん間違いが多い実体図ですね)
UTA様。お早うございます。
大丈夫だとは思いますが、もし実態配線図の通りにお作りであれば、片チャンネルのハムバランサーが機能していない上にハムを増やす配線になっていますのでそちらのチャンネルはハムが出やすいかと思います。(しかもその状態でも音が出るはずなのでたちが悪いです)
実態配線図にはちょっと見辛いですが左右で0.22Ω-47Ω-47Ω-1Ωの部品配置は同じであるにも関わらず、よく見ると配線の接続先が異なっている部分があります。
ハムは左右チャンネルで同じか異なるか、異なるなら真空管を左右入れ替えると合わせて動くかなどチェックして、どこからハムが来ているかを推測してみても良いかと思います。
また、電源部に手を入れるのでしたらせっかくですので、先ずはぺるけさんの「アース回路その2」http://www.op316.com/tubes/tips/b420.htmの「電源のリターン回路」を読んで頂くと良いかと思います。
みなさま、ご教示いただきありがとうございます。
様々なご意見をいただき、大変参考になりました。感謝申し上げます。
sukebayさん
以前、整流管が劣化して交換したことをきっかけに、整流管以外の方法を探していたところ、SiC SBDが整流管と同等の音質を持つという記事を見かけ、興味を持ちました。
クロストーク特性についての記事を拝見しましたが、私のアンプでも低域がもやっとしているため、まさにご指摘の通りだと感じています。
ぺるけさんのシングルアンプ制作例や参考記事をもとに、改善方法を添付画像に書き込んだのですが、以下の内容で問題ないでしょうか?
Aを起点に、赤丸で囲んだ箇所と同じ抵抗とコンデンサでそれぞれLとRで設け、青で記載した150Ω5Wと100μF/500vをLとRに配置する予定です。
ぺるけさんのシングルアンプ制作例: http://www.op316.com/tubes/single/6b4gs.htm
西村さん
実際の測定結果を共有いただきありがとうございます。デカップリング対策の効果は大きいようですね。
『情熱の真空管』の本をきっかけに自作を始めたのですが、まだ理解が浅い部分も多いため、改めて読み直してみようと思います。
VTさん
ダイオードに変更する際の注意点や、水銀整流管で使用されていた遅延回路について教えていただきありがとうございます。
古典的な方法も調べてみますが、VTさんがおっしゃるように、MOS-FETを使用した遅延回路を検討してみます。
たやさん
ダイオードに変えると多くの見直しが必要そうですね。まずはデカップリング対策を実施してみます。
また、別の不満点として100Hzのハムがあり、こちらも今後対応していきたいと考えています。(300Bを挿すとハムが発生するのですが、フィラメント電源部のコンデンサ容量を増やしても改善しませんでした)
UTA様
先輩方の貴重な意見がいろいろありますが、300Bのアンプは、私たち真空管アンプを愛するみんなのあこがれの極みです。
5AR4をダイオードに変更すると、今までより電圧が相当上昇し、電解コンデンサの耐圧をオーバーし、より耐圧の高いものに交換が必要だったり、各所の見直しが必要になります。
5AR4は、今まで通りとし、UTA様が使用されているアンプの不満点を分析されてはどうでしょうか。それによって、対処の方法もいろいろな意見が出てくると思います。
UTA様、こんばんは。
整流管5AR4をSiC SBDに変更することで整流出力電圧が上がってしまいますので、補正するために直列に抵抗を入れる方が良いでしょう。
で、そもそも本当に対処が必要かは、パーツがダメージを受けるかと、出力段の方が先に起動してしまっていることによる不具合があるのかという2点を考えればよく、前者については6SJ7と300Bを抜いた状態で電源を入れると問題があるのかということと等価だと思われます。
で、対処が必要なら古典的な対処としては電源トランスの0V端子と最初の電解コンデンサの-端子の間に数KΩ程度の抵抗を入れ、その抵抗と並列にスイッチを入れ、主スイッチを入れてから数秒~10秒程度たってからこの抵抗をショートさせるという方法があります。
スイッチを手動で入れるのは面倒なので、サーマルリレー管や遅延タイマーなどを使って自動化するという方法があります。
これは83などの水銀整流管で、水銀が気化する前に高圧をかけると水銀整流管がダメージを受けるために取られていた方法です。
遅延タイマーとしてMOS-FETを使った遅延ON回路を設けるというのが現実的かと思います。
ご参考まで。
デカップリング効果についてはsukebay様のおっしゃられるとおりです。
回路は全く異なるため単純な比較はできませんが、サンオーディオのSV-300BEというアンプキット(*2)と自作の300Bシングルアンプ(URL参照)のクロストーク測定をしました。
SV-300BE は 20Hzで-20dB(左右) 1kHz でL→R で -55dB程度、R→Lで-60dB程度。
20kHzでL→R で-46dB程度、R→Lで-66dB程度です。
ベストはL→R で3kHz前後で -55dB程度 、R→L で8kHz前後で-68dB程度(残留ノイズ値によるも
の)。
自作は左右とも 20Hzで-40dB 、1kHz から9kHz程度は-68dB程度で一定(残留ノイズ値によるもの)、20kHzで-66dB程度でした。
SV-300BEはR→L は低域以外は自作とほぼ同じですが、L→R ではかなり悪いことがわかると思います。私はこのキットを作った時点では設計はまったくできなかったため、実態図そのままに製作しました。
ぺるけ様の書かれたような 20Hz -60dB には20dBも及びませんが、「150Ω程度で左右を振り分け」ということしていないためかもしれません(ぺるけ様のサイトは今回、初めて知りました。その前に「情熱の真空管アンプ」を図書館で借りて読み、プレートからカソードに至る交流(信号)の流れから左右のコンデンサーは分けるべきだ、と考え設計しました)。
*1 : おそらくご存じだと思いますが、UTA様の示された実態図には誤りがあったはずです(権田様のご質問時に指摘がありました)。この実態図は参考程度にして回路図から製作されることをお勧めします。
*2:http://amp8.com/vv-amp/japan/sv300be.htm#s に回路図があります。なお、性能に出力 8W + 8W とありますが、まったくデタラメで実際は 3.5W 程度です。これは同社の 2A3シングルキットなどと同一の PT を使っているためで、320V程度の B電圧では 8W も出るはずがありません。ちなみに私のは 9W です。
*3 : 「情熱の真空管アンプ」は道立図書館から借りて読みました。しかし次回にもう一度借りようと行きましたら、書棚にあることになっているのにありませんでした。ドロボウがいると思われます(おそらく札幌近郊でしょう)。この投稿を読んでいたら必ず返却してください。
UTAさん、こんばんは、はじめまして。
立派なチョークコイル付きコンデンサインプット整流管回路をSBDに変更する意図が良くわかりませんが、
回路図を見ると、初段管の+B、SG、終段管の+Bのデカップリングが不十分のようです。
これらをL,Rch共にしっかりデカップリングすると、クロストーク特性が改善されてアンプの品位が上がりそうです。
参考の記事はこちらです⬇️
http://www.op316.com/tubes/tips/tips11.htm
http://www.op316.com/tubes/tips/b450.htm
SBD両波整流回路+MOS_FETリップルフィルターを使って、電源インピーダンスを下げる前に、まず各段デカップリングをやってみるのがよろしいかと思いますがいかがでしょう。