スパークキラーの入れ方と安全性
掲記の部品についてお尋ねいたします。
http://www.op316.com/tubes/pre/tc-pre.htm
ぺるけさんのこのアンプでスパークキラー(以下 SK)は電源トランス(以下 PT)に並列に入れています。
私のアンプでは添付の絵の上のように電源スイッチ(以下 SW)に並列に入れています。PLはパイロットランプの略です。SWが直列に2つあるように見えますが、2回路が入ったSWを片側にSKが並列になるように接続しています。なのでSWは1個です。
絵の下はLUXKIT A501の回路(半導体アンプ)を簡単に書いたもので SK は入らず、代わりに 0.01μFがSWに並列に入っていました。
下のサイトはSKの入れ方で直流回路と交流回路での入れ方が書かれていました。
https://detail-infomation.com/spark-killer/
交流ではぺるけさんの方法が正しいように見えます。
でも私のアンプでもSW オフでノイズは発生しません。LUXKIT も私と同じ入れ方に見えます。DYNACO MARK-3 は入っておらずオフ時にノイズが発生し数か月で使わなくなりました。
コイルは自己誘導作用により電流変化を嫌いますね。変化が生じると逆起電力が発生するだろうと思います。
ノイズ原因は(1)SW オフ時にPT 一次側の電流が遮断されたため急な変化により逆起電力が発生、(2)電圧がほぼ0Vになる急激な電圧変化の両方だと思っています。(2)で生じないなら直流回路では不必要だろうと思います。(SW電源アダプターなどを暗い部屋でコンセントに差し込むと必ず火花が発生します)
①ノイズが生じる原因は正しいでしょうか?
②SK は安全性が高いのかもしれませんが、経年劣化で内部のコンデンサーがショートモードで破壊され、常時電流が流れてしまわないのでしょうか?
以上です。長文失礼いたしました。
(補足)VT様はご存じかと存じますが別掲示板でラジオに PT前にコンデンサーが入っていました。そこからこの質問が生じました。
スパークキラーやラインフィルタなどのAC一次側に使用するキャパシタは、耐電圧や漏洩電流などを定めた安全規格に準拠していなければならないことになっています。アマチュアの場合は法規制は受けませんが、安全規格認定品を使った方が良いと思います。
ご参考まで
VT様、早速のご回答をありがとうございます。
私の回路でも問題ないと理解いたしました。
プラグをコンセントに接続する際の火花はやはりSW内部で発生し、時が経つとかなり劣化するんですね。
アルミ蒸着フィルムコンデンサなるものは初めて聞きました。電解コンデンサーのような自己修復作用があるんですね。スパークキラーがオープンモードで故障するのなら余計な電流が流れずノイズが発生したり、SWの接点保護がなくなるということならわりと安心できます。SWが故障するほど長期間は使用できません(年齢から)。
自分の回路ではSWが2個あるようなものですので「スパークキラーを通して流れる漏洩電流」は発生しません(オーディオ全体の電源オフSWがさらに別にありますし)。
ありがとうございました。
西村様、おはようございます。あちらも拝見しております。
スパークキラーですが、
①接点保護:スイッチの接点がOn/Offする際に発生するスパークを抑制し、接点の溶着や消耗を防ぐ。
②サージ電圧の抑制:負荷のインダクタンス成分により生じる逆起電圧などを吸収し、回路を保護する。
③電磁ノイズの低減:発生するノイズを減らすことで他の機器などへの干渉を防ぐ。
というのが目的の素子です。
なので、貴殿の示したCRネットワークによるものの他、バリスタ(電圧依存性抵抗器)や直流回路ではダイオードを使ったものもあります。
元々メーカーでは「スイッチの接点を保護して故障までの時間を延ばす」ことを目的に入れているだけということもしばしばあるということかと思います。
交流回路にも関わらずスイッチに並列に入れている例が多数見受けられるのは、貴殿の示したリンクにある「交流回路における接続箇所」にもあるように、「スイッチに並列接続した場合、スイッチのOFF時において、漏れ電流(漏洩電流)が流れてしまう」というので、「負荷に並列接続するのが一般的」というだけで、それで問題なければスイッチと並列に接続するという設計はありということになるということで、通常アンプではスパークキラーを通して流れる漏洩電流程度では動作しないから特に問題ないという判断ないしはそもそも漏洩電流が生じることに気づいていないことと推測いたします。
真空管アンプなどで用いられるスパークキラーに用いられるコンデンサにはしばしばアルミ蒸着フィルムコンデンサの様ですが、これはショート事故が生じた場合発生するジュール熱でショート部分付近のアルミが蒸発して失われ、自己回復するという特性を有するためだそうです。ただ、当然静電容量は減少してしまいますので、最終的にはオープンモード故障を起こして機能を果たさなくなるそうです。
ですので、ご自身でコンデンサと抵抗を使ってスパークキラーを作成する場合は、アルミ箔コンデンサは使用しないように気を付けないと、ショートモード故障する可能性が出てくるということになります。